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死海文書の秘密

作者: アレクサンドロス•シャムウェイ

この物語はフィクションです。

宗教を題材にしていますので苦手な方や信仰をなさっている方は読まないことをお勧めします。

 大英博物館

 イギリスの最高峰クラスの貯蔵物が保管、展示されている博物館に沢山の人がが訪れていた。

「モニカ先生、あれ何?」

10歳の男の子、トニーが尋ねた。

「あれは、ツタンカーメンの棺ね。ピラミッドの中にあるものなのよ」

「へぇー、じゃあここはピラミッドなの?」

「中にあるものをここに持ってきたの。展示するために」

モニカ•アンダーソンは田舎の学校教師で社会を専門とする先生だ。

今は生徒を連れて校外学習をしている。

「はい、じゃあ皆さん次の展示物を見にいきましょう」

 そう言う男性はこの博物館の学芸員兼考古博士のウィリアム•“スケアロウ”•カルヴァート今は生徒を案内している。

生徒がペチャクチャ喋る中モニカは他の教師と一緒に話していた。

「次は死海文書ね、その次がサグラダ•ファミリアの設計図。わかった、モニカ先生?」

「はい、わかりました」

「じゃあ子供たちをウィリアムさんについて行くように言わなくちゃ•••みんな、ウィリアム学芸員さんについて行って」

そういうと子供たちはゾロゾロとウィリアムについて行った。

 ウィリアムはソワソワしていた。何故なら次は死海文書だからだ。イスラエルと協和の証に数週間死海文書がこの博物館で展示されることになって、実際ウィリアムが見るのは初めてだからだ。

 死海文書。それは死海アビラ半島の北西部にある塩湖の北西のクマラン洞窟で発見された沢山の写本の総称だ。主にヘブライ語聖書というユダヤ教の聖書と関連聖書からなら写本だ。その文書は謎が多く、この文書は世界あちこちに隠された約60箇所の財宝の位置を示す文書だと唱える考古学者もいる。ウィリアムもその説を支持する1人だ。因みにその財宝というのはまだ見つかっていない。

 「これが、死海文書だよ」

ウィリアムはそう言いこの文書の概要を説明する。

「へぇー、お宝どこにあるの?」

またトニーが尋ねた。

「まだ発見されていないんだよ」

「じゃあ、あなたが見つけてくれる?」

「ボク?ボクは考古学者だからしようと思えば•••だがスポンサーがいないし•••あっ、ごめんトニーくん。難しい話だったね。ボクが見つけるのはちょっと難しいかな?」

「そうなんだ。じゃあモニカ先生だったら見つけられるかも」

「モニカ先生?」

ウィリアムはトニーに聞き返した。

「そうだよ。モニカ先生はこういうことが好きなんだよ」

「そうなんだ」

「モニカ先生!」

トニーは大きな声で言った。

それを聞いたモニカはトニーのもとへ行く。

「何、トニーくん?」

「モニカ先生だったらお宝見つけられる?」

「お宝?」

そこで慌ててウィリアムがトニーの言っていることを説明した。

「へぇー、死海文書についての説ねー。私はネットで拾ったことしか知らないけど。そんな説もあるのね。」

「なーんだ先生知らないんだ」

「せ、先生もちょっとなら知ってるわよ!」

モニカの苛立ち始めていると気がついたウィリアムはモニカを止めに入った。

「まぁ、落ち着いて。子供の言うことですから」

「そ、そうですね。」

「じゃあ次に行きましょうか。」

そう言いウィリアムはトニーや他の生徒を連れて歩き出した。


 16世紀半ば。とある友愛結社が設立された。その設立された理由は謎とされているが、ヘブライ語聖書に隠されている。ユダヤの人々はキリスト教からは異教徒とされて、イエス•キリストの13番目の弟子であるイスカリオテのユダがユダヤ産まれであることから違う教徒なのでユダヤ教であるユダヤ人は迫害されるようになった。これは新約聖書の話だ。

 旧約聖書は様々な思想が混じり合いキリスト、イスラム、ユダヤ教の思想が混じっている。そこにはアダムとイブ天地創造やシナイ山で起こるモーセと律法などがある。だが旧約聖書は全てが真実と言えるわけではない。天地創造で本当にアダムとイブが実在したなんて話聞いたことがない。モーセと律法というがキリストの妄想だったのかもしれない。それに気づいたごく少数のユダヤ人は無神論を主張した。無神論とは神は存在しないという説を唱えることだ。それを主張したユダヤ人はユダヤ教徒から迫害され更にユダヤ教とキリスト教が協定を結び無神論者を更に迫害した。そこから逃れようと国外へ飛び出して地中海を彷徨いトルコなどに足を運んで無神論を広めては否定されて路頭に迷い果てて着いたのが後にアメリカという国となる土地。そこには先住民しかおらずここで神を信じずに暮らすことを決意したユダヤ人はアメリカ設立と同時にジョージ•ワシントンに保護されて現在のワシントンD.C.の地下で『フリーメイソン』という名で現在も活動している組織となった。

 そして17世紀半ばまでのフリーメイソンの活動を1つの文書に纏めた。それが死海文書。本来の名前は『無神論見聞』著者はジョージ•ワシントンだ。

 旧約聖書のようにヘブライ語で書かれているがそれは、他の宗教と同じにするためだ。あたかも無神論が宗教かのようにしてユダヤ、キリスト教徒を誘い出すためだ。だがその文書は運んでいる最中に盗賊に襲われ3世紀行方不明となっていたが、現在見つかった。

 今のところは旧約聖書の写本となっているが、いつ真実が知れられるのかわからない。

 又、フリーメイソンはその文書をなんとか盗み出そうとしていた。何故ならその文書は••=


 博物館での校外学習が終わり数日後。

モニカはイギリスの長閑な町で今日も歴史の授業をしていた。

だがモニカは急に事務職員に呼び出されて校長室に通された。

 『コンコンコン』

校長室のドアをノックするモニカすると向こう側から“どうぞ”という声が聞こえたのでモニカは扉を開けた。

「失礼します」

「はい」

校長は木製のデスクになるの椅子に座り、モニカに座るように促す。

そして、モニカが話す前に校長が話し出した。

「モニカ•アンダーソンさんですよね」

「はい」

「どうして、呼ばれたかわかりますか?」

「いいえ」

「先日、子供たちを連れて大英博物館に行きましたよね?」

「はい」

「その日、盗まれたのですよ。『死海文書』が」

「死海文書」

モニカはその日の全てが頭を過った。

「そうなのですか」

「何か心当たりはありますか?」

「いいえ、特には」

「ですが、警察から電話がきたのですが、『モニカ•アンダーソンをこちらに引き渡して欲しい』と。もう一度聞く。何か心当たりは?」

「ありませんよ。なんで私が警察に目をつけられなければならないんですか?」

「さぁ?兎に角、一度任意同行してもらいたいとのことで警察が校門で待っています。もし何かしてしまったのであればイスラエルとの協和が崩れ去ってしまいます。まだイスラエルはこの事態に気づいていないので早く解決することを願っていると、警察からあなたに言うように言われました。では、今日は早退ということで」

「ちょっと待ってください。私本当に何もしていません!」

「私に言われても警察の人と話して頂かないと」

「そうですか」

モニカは冷たい校長に苛立ちながらも何もしていないのは確かなので任意同行には同行することにした。


 ウィリアムは頭を抱えていた。

大英博物館は通常通り動いているが死海文書の展示物は清掃中や準備中という張り紙でその先の行手を阻んでいた。

そしてウィリアムは警察官から事情聴取をされており今まさに拘置所に運ばれようとしていた。

車の後部座席に乗せられて大英博物館の近くの警察署から拘置所までただボーッと空を見つめるつもりだった。

だが•••

 赤信号。警察車両は一時停止する。

なんでボクがと思いながら空を見つめていると、クラクションが鳴り響いた。大型トラックが信号無視してと乗用車と玉突き事故をした。大きな轟音が鳴りトラックの荷台のチェーンが外れて中身が出てくる。中身はタイヤや鉄パイプなど普通は大型トラックでは運ばれる筈がないもの。そしてその後、まさに前座席の警官2人が外に出ようとした時、

『バンッ、バンッ』

2つの銃声が鳴り響いた。

銃弾は警察車両に向けて撃たれて、フロントガラスを破り、2人の警官の脳天を貫いた。

そして、ウィリアムは無事だった。何故ならウィリアムは既に警察車両にはいなかったから。

トラックが衝突したその時何者かがサプレッサー付きのハンドガンで警察車両の扉の鍵をこじ開けてウィリアムを別の車に移し替えられ何者かがウィリアムを気絶させたからだ。

 警察官2人はそんなこと知らずして命を失った。


 「あなたが、モニカ•アンダーソンですね?」

警察官がそう尋ねる。

「はい」

「任意同行してもらいますがよろしいでしょうか?」

「はい」

「ではこちらの車に」

そう言い後部座席のドアを開ける警察官。

こんな時でもレディーファーストは適用されるようだ。とモニカは悟った。

警官は1人で私を近くの警察署まで輸送するということを話した。

それまでは、有意義にモニカと警官は話していた。

だが•••

 「おっと」

警官は車を止めた。

そこには羊の群れが道路を渡っていた。

そして酪農家が“すまんねー”という。

「いえいえ」サイドガラスを開けて警官はそう言う。

顔が広いのか警官は気さくに酪農家にそう言う。

その時、酪農家が近づき“本当にすまんねー”と言いながら近づいてくる。そして、

『ブスッ』

酪農家はポケットに忍ばせていた小さなナイフで首筋を刺した。

モニカは叫び声を上げたがそれは、別の誰かによって気絶されられた。


 ウィリアムは目を覚ました。

薄暗い部屋。電球が1つぶら下がっているだけの部屋は狭く、周りを確認することが出来なかった。

だが1つ確認することが出来た。

隣で誰か気を失っていると。

ウィリアムはすぐにその人を起こそうとした。

「起きてください。どなたですか?」

その人は目を覚ました。

「•••いや、キャッーーー!」

「落ち着いてください」 

「お、落ち着けだなんてあなた正気?目の前で人が殺されたのよ!」

「ボクはそんなの知りませんよ。何言ってるんですか?ってあれ?モニカさんじゃないですか?」

「あなたは•••ウィリアムさん」

「そうです。一体ここは何処ですか?」

「というよりあなたはどうしてここに?」

「ボクは、死海文書を盗んだ容疑者として拘置所へ運ばれる筈だったのですが、急に誰かに連れられて気絶されさせられて、今ここにいます」

「私はも似ています。学校で授業していたら急に警官が任意同行してくれって言われてついて行ったら酪農家が警官を殺して、そして私も誰かに気絶されさせられてしまって」

「お互い似たような境遇ってことですね」

「そうみたいですね」

「ボクたちの共通点はただ1つ。大英博物館を回ったということだけですね」

ウィリアムがそう言い、モニカは、

「あと、死海文書が盗まれて容疑者として警察に連行されていたということですね」

という。2人とも出来るだけ落ち着き今の状況を理解しようとしていた。

「まず、この部屋が何処だということですよね」

「私、持っていた鞄がないです」

「一体誰がこんなことを?」

その時、部屋の照明が段々と明るくなり周りの照明が点灯した。

「ここって、何処?」

モニカは益々わからなくなったかのようにいう。

「本当にですね」

ウィリアムも同意する。

何故なら2人は周りは石で囲まれた遺跡にいたからだ。

 周りにはさまざまな彫刻や壁画が施されている。

モニカはそれに圧倒されているが、ウィリアムは不思議に思った。何故ならどの彫刻、壁画も似ているが微妙に違うからだ。

「この部屋変ですよね」

ウィリアムがそう言った。

「変と言えばその通りですが、何が変なのですか?」

「この壁画、一見エジプトのピラミッドの壁画のように見えるけど、これアヌビスのはずの部分が何故か普通の人なんだよ。犬の被り物をしていないんだよ」

「言われてみればそうかも知れませんが、ここは謎の部屋ですよ。そんなこと普通ですって」

「そうかも知れないけど•••何故か引っかかる」

その時、拍手の音が遺跡中に響いた。

その音はモニカとウィリアムの耳にも聞こえた。

そして

「流石だよ。ウィリアム•“スケアロウ”•カルヴァート君」

男性の声が遠い向こうから聞こえてくる。

「だ、誰ですか?どうしてボクの名前を?」

「大英博物館で知らない者はいないだろう。死海文書のあり得ない説を支持するおかしな学芸員としてね」

「じゃああなたは大英博物館の関係者なのか?」

「ハズレだ。ここは既にイギリスではない」

「「えっ?」」

モニカとウィリアムは訳がわからないと言うふうに言った。

「私の予想通りだよ、2人とも。ここはアメリカだ。アメリカの地下空間だ。そして私は、サーストン•エヴェレットとある組織の総統だ。まぁあなた達の友人とでも思ってくれ。こんなやり方をしてしまってすまないと思うが2人の力で解いて欲しい謎があるんだ。それがこれだ」

サーストンはボロボロの紙切れを差し出す。

「こ、これは」

ウィリアムは目を疑いながら見た。

「そうだよ、スケアロウ君。これは『死海文書』だ。少しイスラエルとイギリスから拝借したがな」

「まさか、あなたが死海文書を盗んだ犯人?」

「そうだな。とある理由でこの文書がどうしても必要なんでね。で、モニカ•アンダーソンの役割はこれだよ。この文書を解読することだ」

「わ、私ヘブライ語なんて読めない」

「嘘をつくんじゃない。寧ろ専門家なんじゃないか?だよな、ジョージ•ワシントンの隠し子の玄孫さん」

「何言ってるのよ?」

「白を切らしたって無駄だ。君は私たちの仲間、同胞だ」

「頭おかしいの?」

「至って正常だよ。なんなら試してみるか?ジョージ•ワシントンのDNAとモニカ•アンダーソンの血縁関係を?」

「どうやって調べるのよ?ジョージ•ワシントンの血液でも持ってくるつもり?1760年から?笑わせないで」

「どうやら、私たちの権力をわかっていないようだな。見せてやれ」

サーストンがそう言うと後ろから何人かの人がモニカを押さえつけてウィリアムが助けようとしたが、それをまた別の人に押さえつけられた。

そしてサーストンが言った。

「紳士淑女の会でこのような強引をするのはあまり好まないんだがね、仕方ない用意しろ!」

さらに人が現れてモニカの腕を抵抗できないようにし、アルコールシートを腕に馴染ませて注射器をモニカに向ける。

「や、やめて!」

「どうだ?吐く気になったか?」

「わかったちゃんと言う!確かにそうよ。ジョージ•ワシントンは私の高祖父にあたるわ!」

「ちゃんと言えたじゃないか」

サーストンは苦笑した。

「どうして、わかったのよ?」

「どうしてって簡単だ。ジョージ•ワシントンの歴史を辿れば現在にたどり着くだろう」

「だとしてもジョージ•ワシントンに隠し子がいたなんて私と私の母しかいないの。どうしてわかるのよ?」

「ジョージ•ワシントンは私達と同じ同胞であり唯一受け入れた人物であるからだ」

「受け入れるって何を?」

「有名な話じゃないか。ジョージ•ワシントンは我々フリーメイソンのメンバーだって」

「ちょっと待てフリーメイソンだと?」

ウィリアムがそう言った。

「フリーメイソンの本部はイギリスじゃないのか?」

「真実かどうかなんて誰も知る由ないだろう」

「もしかするとここは単なる支部かも知れないだろう」

「じゃあ、最初にボクがアヌビスの仮面がないと言った時にあなたは『流石だよ』と言ったその意味ってどう言うことなんだ?」

「我々フリーメイソンは表向きは『会員相互の特性と人格の向上をはかり、よき人々をさらに良くする』という目的だが裏では『無神論を広める』という目的がある」

「無神論、それは何故?」

ウィリアムはサーストンに尋ねた。

 サーストンは全て真実を隠すことなく話した。旧約聖書のことそして、死海文書のことも。

「我々がこの死海文書を取り返したのは、スケアロウ君の支持する説を立証する為だ。この文書は確かに無神論勧誘の為に記した見聞だ。だが見聞だけではないんだ。トルコに無神論を広めたときにある商人から宗教に関する美術品をいくつか購入したという記録があるのだがその美術品は何処のロッジにもないんだ。つまりだ、歴史的な美術品は全てが記された死海文書に記されているということだ」

「だとしても、そんなものを今更見つける必要もないだろ」

「そうだろうか?この世界に約60箇所の美術品が隠れているのに何故1つもそれらしきものが見つかっていないんだ?」

「それは•••わからない」

「そうだろ、スケアロウ君。何故ならその美術品はこの地球に存在していないからだ」

「どういうことだ?」

ウィリアムは本当に訳がわからないという顔をした。

 とある学者はこんな説を提唱している。“地球の裏側は空洞だと”所謂、地球空洞説というものだ。この説は単純、地球の内側は何もない空洞だという説だ。岩盤の向こうに溶岩、さらにその向こうは空洞ということだ」

「だとしても、地球の裏側が空洞だとしてもどうやってそこに行って、地球の裏側の何処にその美術品が隠れているんですか?そもそも地球の裏側は空洞なんですか?」

「スケアロウ君は質問が多いですね。その質問に答えるなら全部死海文書に書かれているとのことです。だからモニカ•アンダーソンにはこの文書を解読して欲しいんですよ。ジョージ•ワシントンはヘブライ語では変な言い回しをよくしているんです。それをモニカ•アンダーソンに解いてもらいたいのです。ですがこの文書も完全という訳じゃなく破れていたりページがなかったり様々な問題があります。ですのでヘブライ語の解読からコンピュータが予測して文書を作成しますですのでモニカ•アンダーソンは取り敢えずこの文書を解読してください」

「ちょっと待って!私ヘブライ語が話せるなんて言ったことないし、高祖父の言い回しなんて知らないわよ!」

「じゃあ、頑張ってください。解読できたら呼んでください。私たちはこの部屋の向こうにいますので」

サーストンとその一味は向こうへと行った。

 取り残されたモニカとウィリアムそして死海文書は唖然としていたが、モニカが死海文書を目にした。

ウィリアムは死海文書をさらに近くで見ることが出来て嬉しく思っている。

「モニカさんはヘブライ語わかるのですか?」

「えぇ、まぁ多少母から教わっていたので」

「そうですか」

「ウィリアムさんはどうなんですか?」

「ボクは全然です」

「じゃあこの部屋を調べてもらえませんか?またアヌビスの壁画みたいに無神論風に書き換えられた絵画や彫刻があるかも知れません」

「わかりました」

モニカは死海文書の解読、ウィリアムはこの部屋自体を調べるという作業にシフトして時間だけが流れていった。


 「これは、大地。これは、キリスト教の女神マリア。何よこれ?」

 「ダビデ像に似てるけど大事な部分が隠されているな。これも宗教的な何かなのだろうか」

一向に進まない解読、観察に終止符を打ったのはウィリアムの一言だった。

 「無神論って神は存在しないということだろ。じゃあ神が存在しないのに何故死海文書に聖母マリア様が出てくるんだ?」

その言葉で、モニカの頭は母の言葉を思い出した。

《良いかい、モニカ?聖母マリアは存在しない。だから聖母マリアというのは何もないことを示すんだよ》

「わかったかも」

モニカの頭の中にはある場所が思い浮かんだ。

エジプトのピラミッドだ。

「何もない場所に立つオブジェクトこそ地球の裏側へ続く道よ!」

「となれば、この部屋にエジプトの壁画があるのも想像できる。神は存在しないというのはこの壁画でわかるが態々無神論の部屋に飾るなんておかしいだろ」

「じゃあ、とっととサーストンに言って早くイギリスに帰りましょう!」

「ちょっと待て」

ウィリアムが止める。

「サーストンを信用して良いのか?もし、そのことを知って我々を殺そうという算段じゃないのか?」

「だとしたらあなたは別にいてもいなくても良かった存在だと思うのだけれど」

「モニカさん、ちょっと態度おかしくありませんか?」

「レディーファーストですわ」

「は、はぁ」

「私はサーストンさんに報告しますがどうしますか?」

「ボクは別にどちらでも良いです」

「じゃあ一緒に報告しにいきましょう」

ウィリアムとモニカはサーストンが去っていった方へと足を運んでいった。


 サーストンの計画は単純なものだった。無神論を広め、宗教による差別、紛争をなくし平和な未来を築くことだった。


 ウィリアムとモニカが遺跡を進み続けると辿り着いたのは遺跡には似つかわない鉄の扉。

2人はその扉を開けた。

その扉先に、1番目に目に止まったのはコンパス、三角定規の間にGのあるマークだ。まさしくフリーメイソンのマークである。

それに圧巻されていると、目の前にサーストンがいつのまにか現れており“わかったか”と尋ねた。

モニカはその問いに正直に答えた。

「この文書は確かに地球空洞説に関連したことが書いてあるわ。ただ読めるのは、地球裏側、大地なしして砂あり、高く聳える、根底なる自然を、隠す、大地が動くとき扉は開かれる、光なし、全てなし。以上よ」

サーストンはそれを素早くパソコンに打ち込み、AIによる予測文章を算出した。

AIが判断するには、

『地球の裏側には大地のかわりに砂がある。高く聳える建物はすべての自然を–––––して隠す。大地が動いたとき、道ができる。光が無ければ、全てなくなる』

「この、『自然を––––して隠す』ってどういう意味なの?」

モニカが尋ねた。

「AIでも予測不可能ということを表しているサインだ」

サーストンが言う。

「それって自力で答えを見つけるしかないのか?」

ウィリアムがそう言う。

「まぁそう言う形になるな」

「嘘だろ」

「だが収穫はあっただろ。まず大地のかわりに砂その時点で砂漠は決定だ。次に高く聳える建物、砂漠の建物は1つしかないだろう。ピラミッドだ。又、光がなければ世界が滅亡すると言うことだ」

サーストンが自己なりの解釈をする。

「ピラミッドでも高いピラミッドつまり『クフ王のピラミッド』だ」

「そうと決まれば早速行ってAIでも予測できない域を超えてみせるよ!」

ウィリアムはいつになく燃えていた。何故なら世界の様々な宗教の美術が見られるということなのだから。


 サーストンはピラミッドについて調べた。ピラミッドは綺麗に二等辺三角形となっておりそれが4つで四角錐となっている。

メンカウラー王、カフラー王、クフ王それぞれの王のピラミッドを上空から見るとオリオン座ということがわかった。すごく緻密に作られていると言うことがわかる。ピラミッド内部は砂漠にも関わらず地球の平均気温20度に保たれている。ピラミッドは耐震性に優れておりちょっとやそっとじゃな崩れない仕組みになっているとのことだ。

 サーストンはそれになんの意味があるのかわからずにいた。


 モニカとウィリアムのエジプトへの輸送は目隠しをされて隠されてエジプトへ向かった。

そして目隠しをされたままピラミッドへと連れられた。

 「ウィリアムさんいます?」

「はい、大丈夫ですここにいます。今何処でしょうか?」

「車ですね。たまに車が跳ねていることから本当にエジプトなのかも」

「そうですね、初めは人の声が沢山聞こえていたのですが今では車のエンジン音のみですから」

「サーストンさんいます?」

「はい?」

「いたんですね」

「もちろんです。確かに今我々はエジプトに向かっていますが、あなたが言ったことですからね」

「そうですよ」

既にアメリカを離れて1日が経ち、サーストンの目には巨大なピラミッドが車の荷台から覗くことができた。

現在、アメリカのフリーメイソンとモニカ、ウィリアムはフリーメイソンエジプト支部の協力の元、トラックの荷台でキザのピラミッドに向かっていた。

そしてピラミッドの目の前まで辿り着いた。

 サーストンはモニカ、ウィリアムの目隠しを外した。

久しぶりに虹彩を取り戻した2人の目は照りつける太陽に嫌気を覚えた。

「暑いわね」

「今日はまだマシな方ですよ」

日焼けをして、スーツを着た人がそう言う。

「あなたは?」

私はフリーメイソンエジプト支部の者です。

「そうですか」

「ちゃんとピラミッドへの侵入口は確保してありますので」

「それは頼もしい!」

サーストンは笑みを浮かべるそして早速出発しようと手招きをした。

一行はそれについて行った。

 「サーストンさんそういえば死海文書は何処へ行ったのですか?」

ウィリアムが尋ねた。

「安心してください、スケアロウ君。今もちゃんと私のポケットに入っていますよ」

「あんな貴重な文書を折りたたんでポケットにいれたっ?ポケットの湿度で文字が滲むかもしれませんよ!止めてください!今すぐに」

「冗談ですよ、死海文書はこの鞄に入っていますよ。ちゃんと適切な処置をして」

そう言いサーストンは持っている鞄を叩いた。

「それなら良いですけど」

 歩いてすぐに1番高いピラミッドクフ王のピラミッドに辿り着いた。

「おかしいわ。ここは世界遺産なのに近くの店も、観光客すら1人もいないわ」

モニカがそう言う。

「これがフリーメイソンの力ですよ同胞」

サーストンはそう答える。

クフ王のピラミッドの周りには2つのピラミッドカフラー王、メンカウラー王のピラミッドが存在している。

「確かなのは高く聳えるもの、つまりクフ王のピラミッドに何か隠されていると言うことだな」

ウィリアムがそう言った。

「そうね。このピラミッドのおかしな点ってあるのかしら?」

モニカはフリーメイソンエジプト支部の人たちに聞いた。

「ピラミッドの構造は複雑です。入り口から王の墓まで行くのに相当な時間がかかりそこまでに長い『重力分散の間』という謎の機構とよくわからない部屋が沢山存在しています。さらにこのピラミッドを上空から見るとオリオン座の星座通りに設計されていますがその関連は不明です。またこのピラミッドは耐震性に優れておりどの造山帯にも属さないエジプトには必要がないと思われますが耐震性があります。ピラミッドの内部温度は20度に保たれておりどのように20度に保っているかも謎です。ピラミッドの石の素材も謎でよくわかっていません。しかしこれほどの長い時間形を崩さずにある建造物というのは、数学分野に優れていた昔の人々の算段なのかたまたま、もしくは必然だったりなど真相は何もわかっていません」

「そうなの」

そこでサーストンが話を切り

「ここで立ち話をしても意味がない。早く中に入って『自然をどうするのか』調べてみたらどうかな?」

「そうですね」

モニカがそう言う。

ウィリアムも同様のことを思った。


 ピラミッドの内部はひんやりしており、サーストン、ウィリアム、モニカ、フリーメイソンエジプト支部の人、総勢8名はそれぞれ小型の懐中電灯やLEDの懐中電灯、ガス式のランタンなど様々なもので自身の周りを照らした。

「本当にさっきとは別世界みたい」

「そうですね」

モニカとウィリアムはそう言い周りの壁画を見る。

「どれも神を信仰している絵ばかりですね」

「そうですね」

ウィリアム、モニカは壁画を鑑賞しているが、先頭に立つサーストンはただ真っ直ぐ道を進んでいた。

「というより、いったい誰が地球の裏側に美術品を持ってったりしたんでしょうか?」

モニカはサーストンに聞いた。

「謎です。私たちの知らない誰かが依頼してここまで持って行ったのか、もしくは別の理由があるのかもしれませんね」

 暫く進むと少し広い空間にたどり着いた。

「ここは女王の間です」

フリーメイソンエジプト支部の人がそう言う。

「なるほど。目立った壁画や変わったものって特にありませんね」

ウィリアムがそう言う。

「そりゃあそうでしょう。こんな場所何千回と調査されているのに今更新発見などあるはずないでしょう」

サーストンがそう言う。

「じゃあ何処が怪しいと思うのですか?」

ウィリアムが聞いた。

「1つ造られた理由がいまだにわかっていない部屋があるじゃないですか•••地下室ですよ」

「地下室ですか」

ウィリアムは何が言いたいのかわからなかったが取り敢えず一行は行ってみることにした。

そしてその途中にフリーメイソンエジプト支部の人が言った。

「ここからその地下室に繋がる脱出孔がありますここからの方が近いかもしれません」

「狭いですね」

モニカがそう言う。

「ですがここにも何か隠されているかもしれませんよ。行ってみましょう」

ウィリアムがそう促した。

 脱出孔はただの穴で下に続くのみだった。壁画なども一切なく緊急用だとモニカは思った。そしてこの場所に違和感を感じていた。“わざわざどうして脱出孔なんて造る意味があるのかと”

脱出孔を抜けると地下室という場所に辿り着いた。

「ここが地下室ですか。何もないですね」

ウィリアムがそう言う。

考古学者の彼からしてみればおかしいものだと感じていた。“上層はあんなにも豪華なのに何故この部屋だけまるで未完成かのように何もないのか”と。そしてウィリアムはあることに気がついた。

「この部屋はまるで無神論を主張するという意味ではないでしょうか?」

「というと?」

モニカが聞いた。

「上層階と下層階では造り方が全然違います。つまりクフ王が眠るのは上で無神論者は下で眠ったとされているとか。兎に角この部屋になんらかのヒントがあるはずです」

「私もそう思います。この部屋の意味を考えると私たちの思想と近いものを感じます」

「死海文書のAI予測はたしか『すべての自然を–––––して隠す。大地が動いたとき、道ができる。光が無ければ、全てなくなる』ってここですべての自然をどうするのよ?大地を動かす?でも何かすれば道ができるのよね。そして、光がなければ全てがなくなるって太陽のこと?」

「いや、オリオン座のことだ」

サーストンが言う。

「このピラミッドはオリオン座を模している。つまりオリオン座が基盤となるのだろう」

フリーメイソンエジプト支部の人は、

「だけど問題があります。すべての星座は地球とのズレが生じて現在のオリオン座はピラミッドのオリオン座と多少のズレがあり再現不可能です。それにいたのオリオン座なのかもわかりません。このピラミッドから見て当時の場所座標と同じ時刻にするのか、又はピラミッドが地球の反対側にあるときなのか」

「それは前者だろう」

ウィリアムが言った。

「だが座標は?光の出し方は?」

「たしかピラミッドの頂上は黄金でできているって聞いたことがあるわ。それってつまり頂上へ向けて何か大地を動かすようにするってこと?」

 悩んでいると、夕暮れをとうに過ぎてピラミッドの外がオリオン座で輝く頃。

「『金字塔』って知ってる?」

モニカがそう言った。

「金字塔はこのピラミッドの別名みたいなもの。塔はこのピラミッドとして、金は頂上の黄金、字というのはオリオン座のことじゃないかしら?この3つが合わさったときに道が開くんじゃないかしら?」

「いくらフリーメイソンがバックにいようとも黄金をピラミッドの頂上に乗せるのは無理がある」

サーストンがそう言う。

「じゃあ代替えをすれば良いのよ。黄金じゃなくても何か輝くもので大地を動かすのよ!」

「じゃあこれでやってみるか?」

サーストンは持っていたランタンを床に置く。

「ちょっと待て」

ウィリアムがそう言う。

「エジプトの人は数学のエキスパート揃いだ。なのに計算もしないでこの部屋を作ると思うか?何か仕掛けがあるはずだ。例えばランタンをこの部屋のちょうど中心つまり各隅の対角線上に交わった点にランタンを置くなどだ。それに今ならオリオン座も出ている。条件はぴったしだと思うが」

現在時刻、午後8時。

オリオン座はあと2時間で変貌を遂げる。

「じゃあそうしよう。誰かメジャーか何か測れるもの持っていないか?」

フリーメイソンエジプト支部のうち1人がメジャを差し出す。

「ありがとう」


 「この部屋は正方形で中心ここだ」

サーストンはその場に立つ。そしてランタンをそこに置く。

「何も起こらないぞ」

サーストンがそう言う。

「1度死海文書を見せてくれないかしら?」

モニカがそう言いサーストンは手渡す。

そしてモニカはポケットからライターを取り出すと点火させて、

「おい!ちょっと何やってんだ!」

ウィリアムが止めに入る。

「何って炙ると何かわかるかもしれないじゃない」

ウィリアムは落ち着いて“すまない”と言った。

モニカはそれを無視して死海文書を炙った。

結果は•••文字が現れた。

「なんで書いてあるんだ?」

サーストンが聞いた。

「『すべての自然を覆す。この世の果てまで暗黙で隠す』」

 現在時刻10時。中国では人々は活発に動いていた。だが、停電で電気が消えた。車も何故か消えた。電気系統、火、周りを照らすすべてのものがニューヨークから消え去った。いや、全世界から消え去った。

 エジプトでも同様でランタンの火や懐中電灯の灯りなど一切のものが消え去った。そして地震が起こる

「一体どうなってるんだ!」

「はじまるのよ」

「何が?」

「地球の裏側への旅が」

モニカは楽しげにそう言う。それにウィリアムは不安が過ぎる。

 中国の人々は星空見た。唯一照らす光は星や月のみ。何故なら現在中国は朝のはずなのに真っ暗で見えるのは星のみ。それを中国の人々は唖然と見ていた。

 暫くすると太陽が現れて人々は混乱していた。いったい何がどうなっているのかと。だがそれも数分だけだった。すぐに人々は自身の目的に戻りまるで何事もなかったかのように動き出したからだ。

 地震が収まる。そして、地下室にまた階段ができる。

「成功だな」

サーストンはそう言う。

だが数分経っても誰も降りようとはしなかったが痺れを切らしたウィリアムが懐中電灯をつけて

「行くとしよう」

そう言った。


長い螺旋階段はどこまで続くのか予測不可能だった。

だが終わりはつきものだ。

「あれ?どうなってるんだ?」

階段を降り切ると部屋があった。だがそれと同時に降りていたはずなのにまるで階段を登っていたかのような感覚に襲われる。

それは8人全員が感じた。

「もしかしてここはもう地球の裏側?」

モニカはそう言う。

ウィリアムは目の前にある台座に油があったのでそこに火を灯す。すると火は目の前の扉を越えて外へ引火していった。

その扉をウィリアムが開けた。

「なんてこった」

ウィリアムは歓喜のあまり間抜けな声を出した。

ウィリアムの頭上に火で照らされた建物がある。

ここは地下都市なのだ。

謎の石が床に敷き詰められており、成分はピラミッドの石と同じだとウィリアムは悟り、地球の引力というのは地球の中心ではなくその周りにあるということがここで証明されることが分かったからだ。地球が空洞ということは引力はその周りの発生される。となるとここは引力よりも内側にある地点だ。

さらに、ここに地下都市があるということは新たな文明が発見されたことになる。つまり世紀の大発見。いや、世紀以上の大発見だ。

 サーストンは感銘していた。

これで美術品が見つかる。無神論を広めて平和な世界を築くことができるからだ。

 モニカは言葉が出なかった。人々が暮らしてきた地球は地球の一部に過ぎず誰も何も考えずに過ごしていたことが盲点だと思っていたからだ。


 誰も訪れたことのない地下都市は1人生きるものがいた。

彼はすべてのものを食糧としなんとか食い繋いでいた。

そんな中火が再び灯った。誰かが来たのだ。

彼は敵対も歓迎もするわけでもなくただことの終焉を待っていた。

 サーストンとフリーメイソンエジプト支部の人たちは美術品を探していた。60個の美術品を掻き集めた。キリスト教の聖母マリアの母親の像。ユダヤ教の女神の像。世界最古から存在するすべての宗教に関する美術品をフリーメイソンは持ち出した。

 ウィリアムはここの歴史を探った。だが文献は見つかるもののヘブライ語以外の文字で書かれておりどの言語にもない言語で書かれた文書を必死で解読しようとしていた。そしてウィリアムはそれを持ち出した。

 モニカはこの土地で1番高い建物を訪れた。

そこにはツタンカーメンと似たような棺がありヘブライ語で“真の王ここで眠る”と書かれておりピラミッドはダミーということがわかった。つまりクフ王は無神論者であると悟らせた。そんなことにモニカは驚くことはなくただ前に進むのみだった。

 そして最上階には玉座がありそこには、かろうじて息をしている老人がいた。

彼は誰にもわからない言語で話した。

それはモニカの耳には伝わった。

“終わりは近い”と。

それ以外老人は喋ることなく近くにあったナイフを取り出し、自身の胸部に刺した。

 モニカは思った。また再生する日が来ると。


8人は地下都市を離れる前にこの地下都市に名前をつけようとした。

様々な案が出るも最終的に決めたのはまモニカの一言だった。

『Atheist’s Holy land(無神論者の聖地)』と。


 世界中で騒動が巻き起こった。

ピラミッドに関する謎が一部大幅に解かれてさらに地球空洞説がウィリアムにより立証されノーベル賞を獲得したり謎の文明が存在しており、何故何のためにピラミッドを作ったのかという根本的な理由は解明されておらず、何故オリオン座なのかなど追求すれば謎は深まるばかりだった。

 初めはそうだった。

だがフリーメイソンがある声明を出した。

“神はこの世にいない。その証拠が死海文書とエジプトの無神論者の聖地だ”と。

世界中でフリーメイソンを批判する声が上がり当初予想していたフリーメイソンの算段とは違っていた。

神を信じる者が信仰を止めることはなくさらに信仰を強め信じぬ者を迫害するようになった。そして戦争に至る。

平和を築こうと願っていたが逆に戦争の引き金となり世界は終焉を迎えた。

 モニカは教師を辞めて失踪した。モニカがいったのは無神論者の聖地。モニカは老人の死体を燃やし玉座に座る。

“終わりは近い、それはあなたのね。世界の終わりは私が阻止する”と。

ここに女王が誕生した。



書きたくなったので書きました。


短編で結末が曖昧という続編があるのかないのかよくわからなくなりましたが、気が向けば続編を作りたいと思います。


かなり長かったと思いますが読んで頂きありがとうございました。


因みに作者自身は信仰している宗教は特にありません。なので無神論者です。

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