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観察日記 4

「もうすぐゴールデンウィークか…… ユキネさんはどこか行くんですか?」


「特に予定はないから、家でゴロゴロしてる」


「ゴロゴロって…… まあ俺も似たようなものですけど」


「……トウヤくんがゴロゴロ…… 面白そう、ゴロニャーン♪」


「何ですかそれ?」


「気にしないで? こっちの話」


「はぁ……」


 この間の焼肉パーティー以降、俺達の仲はだいぶ良くなったように感じる。


 ちょっと前なら、基本2人とも自分の部屋にいる事が多かったが、最近は2人ともリビングにいて、話をする事が多くなった。


 そして……


 ―5月 ×日―


 最近トウヤくんとおしゃべりする事が増えた、楽しい。


 それに私が作るご飯も美味しそうに食べてくれる。


 ご飯を作ってると周りをウロウロ、ソワソワして面白い、つまみ食いしようとしてるのかな?


 今日はゴールデンウィークの話をした。


 私は友達少ないし、休みも合わないから何もする事がない、悲しい。


 ただトウヤくんも予定ないからゴロゴロ、ゴロニャーンしているみたい。


 トウヤくんのゴロニャーン……見たい!



 P・S

 

 最近焼肉のTシャツ着て出掛けないね?


 ほぼ毎日着てたのに、どうしたのかな?





 ユキネさんのノートが落ちている頻度が増えた。


 しかも、何か最近のは俺の事ばっかり書いてある……


 というか……


 これは俺に見せるつもりで書いてるのかな?


 …………

 …………


 ユキネさんがご飯を作ってくれる事が増えたから、俺にも手伝える事がないかと思ってウロウロしてるんですよ! 決してつまみ食いを狙ってる訳じゃないです!


 ゴロニャーン……出たよ、ユキネさんの謎ワード…… 一体何なんですか!?


 P・Sって、完全に俺に向けてですよね!?


 焼肉のTシャツ…… 恥ずかしくなって着れないですよ! もったいないから家では着てますけど……


 それにゴールデンウィーク……


 ユキネさん、本当はどこか行きたいのかな?


 もしかして誘ってくれって事かな?


 ……ただの同居人の俺が誘ってもいいのかな?


 ちょっと考えておこう……





「ユキネさん、いってきます!」


「いってらっしゃいトウヤくん、仕事頑張ってね」


「はい、ありがとうございます!」



 明日からゴールデンウィーク……


 結局ユキネさんをどこか遊びに誘おうかと思ったが誘えないでいた。


 俺の勘違いで断られたら気まずいし……これからも同居するのに気まずかったら家にも居づらくなるし……


 仕事中もそんな事ばっかり考えてて、ミスをして怒られ、クタクタになって帰ってくると……


 ユキネさんはまだ帰ってない……


 ただ、またノートが落ちてる。



 ―5月 ○日―


 明日からゴールデンウィーク…… 


 昨日はトウヤくんの様子がおかしかった。


 私の顔をチラチラ見ては、何か言いたそうにしてた。


 私の顔に何か付いてたかな?


 もしかして……昼ごはんに食べたお好み焼きの青のりが歯に付いてた!?


 と思って、慌てて確認したが大丈夫だった。


 他にも変な所は……ないはず。


 それとも、私の顔自体が変なのかな?


 変な顔だと思ってたら申し訳ないな……


 それにしてもゴールデンウィーク……


 トウヤくん、暇ならどこか誘ってくれたらいいのに! プンプン!


 プンプンと言えば……


 プリン食べたい!





 ……ユキネさん、大丈夫です、ユキネさんの顔はとても綺麗ですから。


 チラチラ見てたのはゴールデンウィークにどこか誘おうかと悩んでたからです。


 ……ユキネさん帰ってくる前にコンビニ行ってプリン買ってこよう。




「ただいま~」


「おかえりなさい、ユキネさん」


「疲れた……」


「お疲れ様です、冷蔵庫にプリンありますから良かったら食べて下さい」


「プリン!? ちょうど食べたかったの! ……もしかしてトウヤくん、エスパー?」


「違いますよ!」


「そっか、トウヤくんはエスパーと言うよりモフパーって感じだもんね♪」


「……モフパーって何ですか?」


「モフモフってして、パー! って感じかな?」


「全然分かりません!」


「ふっふっふ…… いずれ分かるよ♪ ふんふ~ん♪ プンプンプリ~ン♪」


 軽くスキップしながら冷蔵庫にプリンを取りに行く。


 俺がユキネさんの考えを理解できる日はくるのだろうか?


 それより覚悟を決めてユキネさんに聞く。


「ユキネさん」


「トウヤくん、どうしたの? そんな面白い顔をして」


「顔の事は言わないで下さい! それに変な顔はしてないですよ!」


「そう?」


「そうです! それより、ゴールデンウィーク予定ないなら一緒にどこか行きませんか?」


「えっ!? トウヤくんと?」


「予定がなければですけど……」


「行く! トウヤくんとお出かけ♪」


 良かった…… とりあえずどこかは決めてないが、一緒に出かけるのはいいみたいだな。


「どこかな~♪ どこがいいかな~? ふんふんふ~ん♪ ちゅるり~ん♪」


 ご機嫌な様子でプリンを食べるユキネさん。


 喜んで……くれてるんだよな? よし! 急いで行き先を考えよう!

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