生活していくために
どうやら、この世界に別世界からやってくるのは、良くあることらしい。
この隣人さんも別世界からやってきて、この街の住人になったらしい。
お隣さんは、俺達とは違い、どちらかといえば猫っぽい見た目でとても小さかった。
元いた世界では魚人だったらしい。ある日、陸へ冒険に行ってみたら、迷子になり乾ききり干からびて亡くなったそうだ…反応に困るわっ
そして、気がついたらこの世界に転生していて、憧れの陸を自由に冒険できる種族になっていたと、とてもテンション高く説明してくれた。
両親だけじゃなく兄妹達も外に出てきてみんなでお隣さんの生い立ちを聞いた後、この世界で生きていく上でどうしたら良いのか教えてもらうことになった。
「住む所は、このままこの家でいいと思うの。私も目覚めた時にいた家にそのまま住んでるし、街の他の人達もそうなの。だから、この街は、結構空き家が多いし、ある程度生活基盤がしっかりしてきたら自分の家を別の街に建てて出ていく人も多いわ。」
「へー、じゃぁこのままこの家にずっと住んでても特には問題ないんだ?」
「うん、大丈夫だと思うの。あとは、食事かな。今までがどういう世界にいてどんなものを食べてきたか知らないけど、私達の種族は外に狩りにいって倒したモンスターを主食にしているの。」
「「「「え?!モンスター??」」」」
家族でハモってしまった。
母と妹達は不安気な表情で、父と1番上の兄はキラキラした期待の眼差しで、すぐ上の兄は何を考えてるのかわからない表情、そして俺はめんどくせーって顔に出ていたと思う。
「とりあえずは、やる気満々のお二人と、そこの面倒くさそうな顔の君との3人で狩りに行きましょ、女性とあと家を守るのにそこの君は残って、狩りから帰ってきたあと夕飯の準備ができるように台所の掃除しておいてね!」
「それじゃぁ、狩りの仕方教えてあげるから、着いてくるといいの!!張り切って行くわよ〜!!」
うげー、めんどくせー、向こうでは運動なんかしてなかったし、ひょろひょろのモヤシっ子だったんだぞ。狩りとかできるのかなぁ…と感じつつ、張り切っている3人の後について街の外へと出たのだった。