22話
母さんの件がひと段落した訳だが、そこでふとこの世界に来てラノベ主人公的位置に居るのって、母さんなじゃないのか?と思った。
だってさ、何もしてないのにちょっと着飾っただけで周りを魅了し、一夜にしてみんなのアイドル的存在になるってある意味チートじゃね?
俺TUEEEEはできるのかわからんけど、男女問わずに人気だし、ハーレム状態って言えるだろうしね。
他の家族は、ごくごく普通で一般的な感じだし、これは母さんの為の転生で確定かな。
さて、今回の件で俺の本への道が少し遠のいている訳だが、ミーファさんにお返しをする為にも、今日からはまた狩りに行かなければいけない。
まだまだ1人での狩りは難しいので、支度を整えてミーファさんのところに行く。
「おはようございます!今日からまたよろしくお願いします!」
玄関先で元気に挨拶をし、ミーファさんと狩場に向かう。
数日来て居なかった割には、綺麗に草が刈ってある洞窟へ道を不思議に思いつつ、洞窟へと足を踏み入れたのだが、すぐに謎はとけた。
パーティを組んでいるらしき人達がいたのだった。
1人が1匹を釣ってきて、広間で待機してる3人と合流し4人で上手く交互に攻撃をし、狩りをしていた。
失敗して麻痺っても、他のメンバーで地道に攻撃していられるし、初心者には良い狩り方をしているとミーファさんが教えてくれた。
だが、彼らの狩り方は、俺達と一緒で釣り狩りだ。
この広間で、もう1パーティが同じように釣りをして狩りっていうのは難しい。
かと言って、通路での狩りは危険すぎて出来ないし・・・。
どうしようと悩んでいると、悲鳴に近い叫び声が…。
「どうするんだよ、これ!!」
「ヤバイって、ムリムリ」
「1匹でやっとなのにっ、どどどどうすれぇ、うわっ」
同時に3匹を広間に引き込んでしまい焦って陣形を崩してしまっている。
俺とミーファさんとで、1匹づつ攻撃をしてこちらに引き付けて「今のうちに、体勢直してそちらの1匹を倒してください」と伝えると、俺達も自分の方にきた2匹に攻撃を続ける。
ミーファさんは難無く、いつもどおりにサクサクと目潰しをしていく。
俺は、数日狩りしていなかっただけなのに、ややタイミングが上手くつかめず、危ない場面もありつつ、どうにか目潰ししていく。
数分で、こちらにきた2匹は倒し終えた。
向こうのパーティを見ると、しっかり体勢を直して攻撃をしていた。