雑貨屋はどこだ?!
昨夜はいつの間にか寝落ちしてたが、そのまま昼までぐっすりと眠ってしまった。
うぅ〜ん、昼まで寝ちゃったなぁ、昼の目がくらむ光の中、身体をモゾモゾと動かし伸びをしながら布団から抜け出す。
今日は・・・そうだ!アニメだ!漫画でもいい、この世界にもあるのか探そう。うん。
バタバタと過ごした2日間はまだしも、流石に3日目ともなると、何も観れないこの状況はキツイ!
そんな事を考えながら、居間として利用している台所横の部屋に移動する。
そこには、父さん母さんと妹達がイチャイチャもとい仲良く話しをしている、妹達は父さんの膝の上に乗ってる(うらやまけしからん!)
母さんも隣でもたれかかってるし、ホント仲良いな、もう1人2人兄弟が出来るかもしれないな。
「おはよう、兄さん達は?」
俺の声に、皆の顔がパッとこちらを向く。
「カルにぃ、おっはよぉ〜」
「カルにぃ、今日もお寝坊さんなのぉ〜」
妹達が可愛い声で言う。
「ハルドなら何処かに出かけたぞ、ラルドは部屋でアニーナ、レニーナの為に、せめてボードゲームでも作ってやるって部屋に篭ってるぞ。」
父さんが教えてくれた。
「俺、今日は街の雑貨屋に漫画や小説が無いか探そうと思ってる。昨日の感じだと、本屋は無いみたいだったし、とりあえず雑貨屋見て売って無かったら店の人に聞いてみるよ。」
「カルにぃ〜、私たちもいくぅー」
アニーナ、レニーナが目を輝かせて、俺を見ている。
これは、やっぱり皆アニメ・小説、ゲームが無いこの状況にストレスを感じてたんだな。
母さんはコスプレするのに必要な衣装を作るための布を探しに行くそうだ。
父さんは母さんに付き添うって事なので、俺達は3人で出かけることにした。
雑貨屋までは、徒歩で15分ほどの場所だったはずなのだが、・・・迷った!!
あっれぇ〜?やっばい、ここだこだ。
心の中では、めちゃくちゃ焦りながら、妹達には迷ってないよ〜、って振りで歩いていく。
「カルにぃ、あれ食べたい」
レニーナが指差す方向を見ると、美味しそうな1口サイズの肉まんみたいなものを売っている露店があった。
「そういえば、メシまだったな。アニーナとレニーナも昼飯まだだったのか?」
「「うん、お腹空いたぁ〜」」
勢いよく答える2人。
「じゃぁ、あれ買ってみるか?」
「「やったぁ〜、あれすっごいいい匂いしてくるし、ちっさい肉まんみたいでコロコロしてて可愛い。」」
食べ物に可愛いとは、女の子の感覚はわからん。
けど、妹達が喜ぶし、俺も腹減ったし、買ってみるかな、と露店に向かう。
「すみません、それ3人分ください」
「あいよー!1皿8個入りが5000ルクス、12個入りが7000ルクスだよ、どっちするんだい?」
「アニーナ、レニーナいっぱい食べれそうか?」
妹達に確認すると揃って「「いっぱい食べれるぅ〜、お腹ぺこぺこなの〜」」って事で、12個入りを3つ頼んだ。
初日に狩りの練習でいっぱい倒したからって売ったモンスター肉の代金山分けした時は、うっはうはーいっぱい金GETって思ったけど、あれそんなに無かったんだな…。
確か10000ルクスで1リクスと同等、10000リクスで1ラクスと同等って聞いて、10リクス貰ったけど、今買った食べ物だけで2リクス1000ルクスかぁ・・・。こりゃ、本見つけても買えんかもしれないな。と考えつつ買った物を受け取る。
めっちゃ美味そうな匂いに、金がどうのこうのの考えは飛び去り、妹達とほおばる。
「あっつぅ〜、うまっ!!」
「「カルにぃ、これ美味しい!はふぅはふぅ」」
妹達も満足のようで、口いっぱいにほおばっている。
俺達のその旨そうにほおばる姿を見た通行人の何人かが、吸い寄せられるように露店に近づき購入していく。
大満足で食べ終わり、雑貨屋を探すのを再開するその前に、紙皿を捨ててくると妹達をベンチに待たせ、露店横のゴミ箱へ捨てに行く。
そして露店主に、妹達には聞えないように雑貨屋までの道のりを確認して、広場を去ったのだった。