始まりの場所
目覚めた時、そこが何処かはわからないが、周りで眠りについてる獣人ぽい人達が、僕の家族だと言うのはハッキリとわかった。
「ココ何処だよ・・・」
まだ寝ぼけ眼で呟いたのとほぼ同時に、周りにで眠っていた家族が次々に起き出した。
みな無言で、辺りを見回したり、驚いた顔をしたりしている中、おっとりした口調の萌えロリ声で
「なんでぇ、みんなぁ、コスプレしてるのぉ?」
と、"母"が聞いた。
この母親らしくない愛らしい声の持ち主が、俺の母親だ。
見た目は普通のオバサンだったはずなのだが、今は見た目も声に負けず劣らず可愛らしく、尻尾フリフリの犬耳ぽい感じの耳がついた獣人である。
「かぁさん・・・?」父が呟き、次の瞬間
「可愛すぎるだろ、それ!!!」子供らが居るのも忘れ母を抱きしめている。
うん、仲良すぎるくらいの両親なのは知ってるが、親の抱擁シーンとか見たくなかった。
「父さんキモイ、母さんも嬉しそうにするなよ!」
すぐ上の兄が、両親に冷たい声で言い放つ。
「てか、これって、ケモナー大歓喜の獣人ってやつじゃね?夢にまで見た転生?やっべ転生しちゃった?しちゃった??」1番上の兄が、1人で納得したように、浮かれて戯言を言ってる。
おいおい、転生ってラノベの読みすぎだって!!俺は心の中で呟く。
でも今のこの状況からすると、確かに転生ってのが1番納得出来てしまう理由ではあるが、転生ってボッチが事故って目覚めたらチート級な技持っててハーレムするのがデフォじゃないのか?
普通に朝目覚めたら、家族で異世界転生してましたって、ナニヨソレ(´・ω・`)
「「にぃに達、お耳ピコピコしてるの。可愛いのさわらせてぇ」」うちの末っ子、双子の天使(妹)が、母親譲りの可愛らしい声で俺たち兄に近寄ってきた。
相変わらず、二人とも天使すぎだろ。
いくらでもさわれさわれ!2人の天使の前では、家族全員がメロメロで言うことを何でも聞いてしまう。
そんなこんなで、わかったことは『ここが今までいた世界とは別の世界【異世界】の可能性が極めて高く、家族全員で転生?し、獣人になっている』と言う事だ。
とりあえず、元の生活には戻れそうにもないので、ここでの生活が始まろうとしていた。
あ、そうそう、補足として家族全員オタクであるが故に、この状況に最初こそオロオロしたものの、初日で適応しちゃっていたりもするのである。
ーーーーーー
登場人物
父 (母と双子の娘にベタ惚れ甘い、アニメ・ゲームオタク)
母 (おっとりまったりロリ声の持主、アニメオタク、コスプレ大好き)
長男 (ラノベ・ゲームオタク、シスコン)
次男 (両親に対して厳しい、妹には激甘、ゲームオタク)
三男 (このお話の主人公、アニメオタク、妹LOVE)
双子 (天使、家族みなから甘やかされ育つもとっても良い子、よくハモる、アニメオタク)