Side episode 1-2 本当の平和
そして、魔硝石暗黒石も回収したシェリルたちは、クロムとセレンがいるといわれているスキンエンパイアが所有する超巨大空母、海上基地フィンダクションに侵入し現在彼女らはクロムと対峙している。
「リメリアか。よくここまでたどり着いたな。」
「クロム!もう私たちは、貴方には従いません!」
「何を言う。お前たちを野放しにしたら再び皇族による腐敗した政治が復活するだろう。これは必要な制御なのだ。」
クロムは、リメルに対する態度を崩さない。それは、彼女を駒としこれからもデーロック三十三世を操るという意思表示。
「必要な制御、ってのは何かしら?つまり我々の意志に反するリメリア皇女は監禁して支配下に置いておきましょうと。まるで人じゃない扱いみたいね」
「黙れ。魔硝石を破壊したお前が何を言っている。」
「はいはい。まぁ、冤罪と証明しようがないからどうでもいいんだけどね。私はあんたらのリメルへの態度が気に入らないってそれだけだし。」
「という訳だ。リメルはお前らのその態度が気に入らないって言ってるんだ。今すぐリメリアへの方針を切り替えろ。」
しかし、クロムとセレンは応じない。即座に臨戦態勢に入る。
「なるほどね。どうしても分かり合えないってわけか...。なら、死んでもらうしかないわね。」
そうシェリルは言う。その目には、一切の慈悲はない。
「何だと...!?」
その言葉を聞いたクロムは、シェリルに向かう。セレンは今シェリルに近付けば危険であることを直ぐに察知した。
「クロム!駄目!」
しかし、クロムの足は止まらない。近付いたクロムにシェリルは凄まじい電圧の電流を走らせる。クロムは電撃を受けて立ち上がれない。
「ぐわぁぁぁぁっ!!」
「あれ?前より弱くなってない?事務仕事ばっかりして訓練サボっちゃった?...まぁいいさ、それなら好都合だよ!」
その魔力は、止めることができない。ありとあらゆる魔硝石を保有し凄まじいまでの魔力を使いこなす。
彼女が、負けるはずがなかった。クロムは立ち上がることすらできなくなり、その場に伏せる。
「...こっのぉぉぉぉ!!」
それを見たセレンは、逆上しシェリルに襲いかかる。しかし、彼女の前に抵抗など無意味。セレンもまた、同様に倒される。
「...方針を変えて、私を二度と追わないと約束できるなら命だけは助けてあげるわ。どうするの?」
「そんなこと...」「できるわけ...!!」
その返事を聞き、シェリルは息を吐く。呆れた溜息に聞こえたのは、クロムとセレン以外の全員だった。
「ファルク、リメル。外に出てて。私がやる。」
そしてそれから1時間程が経った。
「...全部終わったわ。これで、スキンのいざこざもマルクセングのゴタゴタも全部終わり。世界は平和になったの。」
そうリメルとファルクに告げ、彼女達はフィンダクションを去った。クロムとセレンの死体が引き揚げられたのは、その数日後の話である。
そしてマルクセングに帰ったシェリル達。しかし、あるニュースを見てシェリルは呆然としていた。
「シェリル?」
「...用事を思い出したわ。帰る。」
そのニュースには、こう書かれていた。『MZB本社に乗り込んだテロリストを殺害。その男の名はルレノ出身の男、クレイバー』...と。
その翌日、シェリルはファルク達二人の前から姿を消した。最後にシェリルが宿泊していた部屋には、こう書かれた手紙が置かれていた。『世の平和、我の幸福に非ず。』と。
...コールルピック領内の凍える湖ブルーレイクにて、シェリル=コンスタンティウスと見られる赤髪の女性の死体が見つかったのはそれから数日後の話だった...。




