表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
銀河騒乱   作者: 村山龍香
第二章 銀河編
55/63

episode19-3 決戦

剣を抜いたエスカは凄まじいスピードでニアに詰め寄る。間に割って入ったナディアが抜剣し、エスカの剣を受け止める。エスカは弾き返された。

「退きたまえナディア。そいつは反乱分子だ。・・・次は君を片付けるがなッ!」

「冗談じゃないわ、ニアを死なせたらお姉ちゃんに申し訳が立たないわよッ!」

防御態勢を取れなかったナディアに、エスカの標的は変わる。そうはさせじとセイバーが鉄球を放り投げる。尋常でない威力を持ったそれに当たれば唯では済まない。すぐに回避しナディアへの攻撃はキャンセルされる。

「おいおい、てめぇ何人の部下に手出そうとしてんだぁ?」

「争いの素は粛清せねばなるまいな、そうだろう元帥殿?」

「知ーるかそんなの!部下を守るのは上司の務めだよ!!」

そして今度は、右側から火球、左側からは冷気が押し寄せる。シェリルの放った火の魔術とゼフィリアの放った氷の魔術だ。

「シェリル、そもそも貴様がいなければガイアは平和だったのだ。」

「耳タコよ、そんな話。文句なら私を作ったアラフォースに言ってくれるかしら。」

「そもそも、それを決めていいのはお前ではない!ガイアの民であり、ナルグドの民であり、エレデアスの民だ!」

そして、最後にはフェクトが放った銃弾がエスカを襲う。流石のエスカと言えど完全には避けられず、頬には一筋の傷が入る。

「サーヴィルよ、お前たちが俺の言うことを聞いていれば今のようなサーヴィルとの争いもなかったのだぞ。」

「理解できねえって言ってるだろ。そもそも誰が従うかってんだよ、考えてることを操らせてくださいなんてよ!」

そして後ろから出てきたニアとルーアが、エスカに向けて飛びかかる。避けることもできず、今度は銃剣による一撃と重い正拳突きを受ける。

「今、私達は貴方を倒す。自分の意志で。」

「わかるか、エスカ?お前が振るってきた暴虐が今、お前に向けて牙を向けている。エレデアスを、銀河をお前の手から取り戻すためにな!!」

「・・・くだらんっ!!」

そして、エスカが剣を振るうと凄まじい衝撃波が一同を襲う。直接的な戦闘に慣れてるニアやルーア、軍部の二人は耐え凌ぐが後方での戦いの多いシェリル達は吹き飛ばされた。シェリルは辛うじて立ち上がるも、ダメージに慣れていないゼフィリアや身体の弱いフェクトは起き上がれない。

「争いのない世界を俺は作り上げるのだ。・・・俺に歯向かう貴様らはこの世には必要ないのだ!」

「うるせぇぇぇぇぇ!!」

ニアは、すぐさま銃剣を振り下ろす。エスカはそれを剣で受け止め、両手で支える。どうにか弾き返すも、思った以上に実力を上げたニアに手間取っているようだった。

「・・・俺は貴様らを粛清し、ガイアを救う。それだけだ!!」

「させてたまるか、クソッタレが!!」

鎖のついた鉄球を頭上で振り回し、エスカの脇腹へと見事に命中させる。エスカの鎧は変形し、肋骨が折れる不快な音がした。その威力は、尋常でない。

「エスカ・・・貴方って、悲しい男ね。」

「何をッ」

「人を信じれない、その姿が悲しくてたまらないって、そう言ってるのよッ!!ニア!セイバーさん!」

『おうよ!!』

そして、ナディアの号令と共にまずセイバーが手元に引き戻した鉄球を思い切りエスカに投げつける。身動きが取れなくなったエスカに向かい、ニアが膝に深々と銃剣を叩き込む。

「ぐがっ」

「トドメよ!!」

そして高くジャンプしたナディアが、彗星の如くエスカに突撃し目視不可能なスピードでエスカに無数の斬撃を加える。彗星裂破斬、とナディアが名付けたそれは傷付いたエスカを打ち倒すには十分な裂傷を与える。

エスカフローラ=ヴァレンスは、7人の前に遂に敗れた。

「バカな・・・俺は・・・こんな所で・・・!」

「さて、これで思考制御システムの機械を破壊すれば平和に・・・とはいかねえみたいだな。」

「ええ、そうみたいね。」

エスカを打ち倒したはずのニアとナディアの目に、達成感はなく依然剣呑とした目をしている。そして二人は後ろに向けて武器を向ける。そこには、いるはずのない人物がいたからだ。

『アラフォース、』「てめぇなんでここにいる?」「あんたなんでここにいるの?」

二人が剣先を向けた方向には、アラフォースがいた。セフィロトに置いてきたはずの、だ。

「やれやれ、バレてしまいましたか。」


・・・時を遡ることサーヴィルを発つ前。

「アラフォースを疑ってる?なんで?」

ニアは、アラフォースがどうしても信用できないと漏らしていた。

「いや、特にナディアみたいに確実な根拠があるわけじゃねえんだ。・・・でもなんだか胡散臭くてな。」

「まぁ、ちょっとは考えに入れましょうか。」

「ああ。・・・俺の勘が正しければ、エスカを倒したら正体を見せるはずだ。」


そしてジャスティー。実際にアラフォースが何故か現れた。しかし、アラフォースは後ろにすぐさま回る。その鎌は、エスカに向けられていた。

「さて・・・エスカフローラ、お疲れ様でした。思考制御システムも、貴方のくだらない人生も、これで終わりです。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ