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銀河騒乱   作者: 村山龍香
第二章 銀河編
36/63

episode13-1 ナルス教

保安部のトランスポーターから5人はナルグドに移動した。

「ふむ・・・やはりエレデアスに比べるとかなり開発は遅れているようだな。」

降り立った場所は、果てしなく草原が続き開発が進んでるようには見えなかった。魔物も多く、後進的な様子が見えた。

「仕方ないね。地道に歩いて情報を集めてくしかないか。」

「ナルグドの情報は持ってないのか?」

ニアはアストラに聞く。しかし、アストラはこう言う。

「ここまで発展が遅れていると地道に歩くしかないよ。どんなコンピューターでも情報を格納するのは人の手だよ。どんなところの情報でも簡単に手に入るような検索エンジンやコンピューターは作れないんだ。・・・神様でもない限りね。」

機械を今いるエレデアスのアレファスリ達の誰よりも知り、誰よりも精巧に作れるアストラだからこそいえるセリフであった。その説得力のある言葉に、ニアは諦めをつける。

「・・・仕方ないな。歩いて行きますか。」

と話してると、泥人形のような魔物と野生化した野兎がニア達に襲い掛かる。

「うわっ!」

「慌てるなニア。冷静に対処しろ。」

慌てるニアを尻目にそう言ったエスカは、素早く剣を一閃する。ナディアも使った真空刃だ。

凄まじい力を持って魔物達に襲い掛かったエスカの真空刃は魔物達を一撃の下両断する。攻撃する機会も与えない、凄まじい剣技だった。

「すみませんエスカ局長。・・・魔物を見たの初めてなもんですから。」

「気にする必要はない。普段お前たちが相手にしている犯罪者やサーヴィルと同じようなものだと思え。・・・まぁ初めて見ると驚くかとは思うがな。お前の実力なら冷静に対処すればどうにでもなる相手だ。」

そうしてだだっ広い草原を歩いていく。そうすると、赤髪の一人の少年がいた。ナスカがその少年に声をかける。

「そこの君、ちょっといいかしら?この惑星の統治者を知ってたら教えてほしいんだけど」

「とうちしゃ?何それ?」

言葉の意味が難しかったようで、少年は首をかしげる。そりゃわかるわけねぇだろと言いたげな顔をしたニアが、少年に改めて聞く。

「えーとな、要するにこの星で一番偉い人を教えてくれってことだ。」

「一番偉い人?・・・うーん、一番偉い人と言えばゼフィリア教皇様かな。」

「教皇か。・・・教皇が政治をしてるということは王政政治でも国会政治でもないようだな。」

そして目の前に現れた男達が何者かがわからない様子の少年は、エスカに質問する。

「何の話をしてるの?貴方達は誰?」

「おっと、失礼。こちらも名乗るのが礼儀だったな。私の名前はエスカフローラ=ヴァレンス。他の星のと・・・一番偉い人だ。」

「他の星?別の世界から来たの?」

「ああそうだ。教皇に謁見したく情報を集めている。教皇の居場所を教えてもらえるとありがたいのだが。」

そうして少年は、聞きなれた名前を出す。

「・・・あっ、もしかしてエレデアスの人かな?」

その名前を出され、五人は驚く。こんな情報も行き渡ってないない未開の惑星で、こうもあっさり自分たちの星の名前を出されるとは思っていなかったからだ。

「えっ、どうしてその名前を?」

「貴方達は知らないんだっけ。この辺りには昔エレデアスの人が来たって伝説が伝わってるんだよ!」

遭難した船の一部がこうして伝説となっていたわけだ。ニア達は驚く。

「宇宙を簡単に飛び回れるレベルの宇宙船ができたのなんかほんの1500年くらい前だろ?そんな伝説になる期間か?」

「ニア、僕たちアレファスリは他の知的生命体に比べたらかなり寿命が長いんだ。その気になれば15000年は生きてられる僕たちのほうが宇宙的には珍しいんだよ。だから、全然不思議な話じゃないと思うんだ。」

「ほー、そうなのか。」

「でねでね、教皇様はエレデアスの文化についてすごく興味を持ってるの!喜んで会ってくれると思うよ!」

教皇も、他所の文化への興味は深いらしい。これは好都合と、エスカはすぐに少年に案内を求めた。

そこに、魔物が襲い掛かる。

「やべっ、油断してた!」

「大丈夫だよ!それっ!」

そう少年が言うと、強風が吹きすさび、魔物達が吹き飛ぶ。その傷を負った魔物達を、ニアは閃光殺輪と呼ばれる技でなぎ倒す。驚きの力を見せた少年に、ニアは驚いた。

「なんだい、それ。」

「ああ、エレデアスの人は魔術使えないのかな?これは魔術だよ。僕たちナルグディは魔術を使えるからね。」

「俺達でも使えるのか?」

「ううん。ちょっとやってみてまるで使えないなら一生無理だって聞いてるよ。頭の良し悪しの問題じゃなくて魔力がどれだけあるかって話らしいし」

ちょっと試してみようかと思ったニアだった。

「・・・ッ!!」

その瞬間、凄まじい頭痛が彼を襲った。魔術が使えなかったからではない。頭の中の何かに拒絶されるかのように、その集中はかき乱された。

「ニア!?どうしたの!?」

「・・・どうやら使えねえみたいだな。」

アストラや他のメンバーに気を使わせないように、軽い立ち眩みだとニアは適当に言いつくろった。

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