表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

遊軍結成の由来

今回は初のシリアス回です!

少し重い話ですが、明るさも少々あります。

奏多視点です。それでは・・・どうぞ!

ファルコに連れられて・・・担がれてといった方が正しいのだが。

無事に城へと来ることが出来た。良かった!

途中、変な人は居たけれど気にしない。

あれ?そういえばれいさんって武器なかったよね?

否、あの人は格闘が得意だった・・・とか?

思いを巡らせている僕にファルコが話しかける。


「急に悪かったな、雇い主。だが、走るの苦手そうだったから・・・。

責任を取れと言うのであれば責任を取る。この首、如何様いかようにも!」


ファルコは片膝をついて頭を下げている。

真面目だ。真面目を通り越して、それはもう武士の域だ。

潔く・凛々しく・・・鉄の意志が、その覚悟が目に見えて分かる。

でも、隊長。その立派な覚悟とは裏腹に言いたいことがある。

確かに僕は運動が苦手だけど、その一言は余分です!

このガラスのハートが如何なっても宜しいんですか?


「分かったよ。じゃ~・・・最後まで宜しく頼みます!」


最後まで警護お願いします。ここで死にたくない!

今は貴方しか頼れないんです、遊軍隊長。


「任せろ!もうじき仲間も来る筈だ。少し待ってくれ」

「待ちましょうか」


僕達は遊軍隊員が来るのを待つことにした。

待っている間は当然、暇だ。

ファルコを見ると銃ばかり見つめている。


「何故、ファルコの武器は銃なんですか?」


尋ねてみた。それは単純な疑問だった。


「そうだな・・・銃が好きだったんだ。

剣よりは他者を傷付けなくて済む・・・」


その眼は悲しく、遠くを視ているようだった。

その顔も微笑しているが、悲壮に満ちたものだった。


「争いが嫌いなの?」

「嗚呼。悲しむ者が大勢居る。守るべきものが沢山在る。

それを守り切れなかった時、俺は自分を呪い、悔やんだ。

そして、全ての罪を一人で被ることにしたんだ。

大切なものを守り通す。それは難しいが故に心を潤すものがある。

だからこそ俺は遊軍を集った。皆の大切な者を守れるようにな・・・」


「ファルコ・・・」


全ての罪を一人で被るなんて出来ることじゃない。

守り切れないことが罪なんて・・・そんな訳ない。

全ては不幸が重なっただけのことなのに・・・。

僕は言葉に詰まった。何と言えば良いのか分からなかった。

それでも、何か言ってあげたかった。

憐れむ言葉でもなく、罵倒でもなく、僕の心の叫びを。


「ファルコは悪くないよ!

だって、皆も幸せだったと思う。心から感謝してたと思う!」


それは彼の心には届かない。分かっていた。

それでも言っておかなければ、彼は更に自分を責め続ける。

少しでもファルコが自分を認められるように・・・。


「ありがとう、雇い主・・・」


その声はいつものように優しい。

表情は未だに変わらなかったが、

それでも眼はちゃんと僕を映していた。


「待たせて悪かった、ファルコ」

わりぃな。待たせて」


遊軍はこれで全員揃った。

これから何が始まるのか想像も付かなかった。




遊軍結成の理由は皆の大切な者を守る為。

大切な者を守り切れない

その辛さ・苦しさは尋常ではありません。

だからこそ隊長は己の罪と感じ、囚われているのです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ