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一寸先は死あるのみ

個性的なキャラクターが多い、この作品。

実は実在する人物を書いているだけなんですよね。

少し大げさに書いてますけど・・・。

主人公は自分だったりして!

――気が付くと。そこは僕が望んだ理想郷だった。


「えっ?どうなってるの?」


訳が分からなくて頭を抱える。

どんなに考えても説明がつかない。

此処は、僕の世界?なんだろうか。

僕を見ながら、ダークはこれでもかと笑っている。

大爆笑だ。そんなに笑う事はないだろ。


「ちょっと、ダーク。此処には他に誰が居るの?」


ダークは笑いすぎて涙が出ていた。

何処に笑える要素があったのか見当もつかない。


「フッフッ・・・見てくれば良いさ」


ダークは笑いを堪えながら、それだけ言うと去っていった。

彼らしいな、と一瞬だけ思ったが・・・やはり鬼だった。


トワイライト・アルギスを探索してみた。

緑豊かな草原の真ん中に一本だけ大きな樹が植えてある。

右を見ると森が広がっていて、左を見れば澄んだ湖がある。


「おい、てめぇ誰だ?」


いきなり低い声で話しかけられて心臓が止まるかと思った。

ギリギリで持ちこたえている心臓を無視して僕は、その人を見た。


ガッシリした体系の男は、オールバックの髪型で眉間に皺を寄せていた。

今にも飛び掛からんという勢いで僕を睨み付けている。

その姿は狩りをする獣のように感じられた。


「何か話せよ。殺すぞ!」


この人、怖すぎます!どこぞの不良ですか?

しかも何か・・・手に細身の剣持ってますし。

とりあえず話しかけてみよう。

死を覚悟して男に話しかけた。


「初めまして。僕は奏多かなたと言います。貴方は?」


話しかけられた男は堂々と答えた。


「名前なんてねぇよ」


この人も名前が無いのか・・・。

可哀想だなんて口に出したら、多分一発で天国に行ける!

口が裂けても言えないぜ!

どうしようかと自問自答した結果、名前を付けることにした。


「じゃ~・・・貴方の名前は哭斬こくざんでどうですか?」

「ア?んなこたぁどうでも良いんだよ」


なんとも不愛想に承諾してくれた。

どうでも良いってことは良いってことだよね?


「ねぇ、哭斬。ここには他にどんな人が・・・」

「探しておったのだぞ。そなた、先に一人で進みおって・・・」


僕の話は独特な言葉によって遮られた。

あっ・・・連れがいらっしゃったんですね。哭斬さん。


「ア?知らねぇよ。勝手について来いって言っただろ?」

「そなたの歩く速さは尋常ではないのだぞ。気を付けよ」

「うるせぇな。殺されてぇのか?」

「殺して見せよ、私が楽になるだけだがな」


人間離れした、真逆の性格の二人が目の前で言い争いをしている。

・・・あの、僕は空気ですか?

余りにも殺伐とした会話の中に割り込む隙がない。

否、割り込もうものなら一瞬で斬り捨てられるだろう。

現に先程来た、中性的な美しい人はナイフを手に持っている。

それは本物なんですかね?

何で皆さん武器を持ってるんですか?


「そのようなことより・・・あの者は何だ?」


やばい。こっちに矛先が向いた。

哭斬よりも優しくて、紳士的な人みたいだけど・・・。


「ああ、こいつか。今、会った奴だ」

「ほう・・・殺すか?」


前言撤回。この人、哭斬より怖いじゃないですか。

見た目はキリッとして貴族風なのに、恐ろしい。


「待ってくださいよ。話もしてないのに」


どうせ殺されるなら、こっちから仕掛けてやる。

まだ誰にも殺されたくないから。


「ほう、威勢は良いようだな。では聞こう。そなたの名は?」

「僕は奏多かなた。十六歳です」

「名があるのか。それは只者ではないと言うことだ」


ナイフのお兄さんは僕を殺そうとはしていないらしい。

会話で一歩間違えれば即死か・・・危なすぎる。


「おい、殺して良いのか?こいつ」


危ない人がもう一人居ました。

絶対、何人か殺してますよね?哭斬さん。

発言が何かと物騒ですけど!


「まぁ、待て哭斬。そやつを殺すでない」

「何でだよ?」

「私の名もついでに決めてもらう」

「・・・そーかよ。勝手にしろ」


哭斬は不服そうに言葉を言い終えるときびすを返して去っていった。


残された僕は気が気でなかった。

どうしよう。本当にどうしよう?


沈黙が流れる。


中性的で整った顔立ちは人形のようで、

表情の少ない様子から恐ろしさだけが身に染みる。

間違いない。この人は冷酷で賢明だ。

漂う雰囲気はダークのように冷たかったが、

それ以上に独特な美しさを感じた。香水のせいだろうか?


「先程の通り、そなたには私の名を決めてもらう」


やっぱり僕が決めるんですね~分かってました。

う~んと何か特徴がないかなぁ。

この人を一言で表すと地位が揺らぐことのない貴族。

貴族といえば・・・


「ジェードなんてどうですか?」

「その意味を答えよ」

「日本語で翡翠を意味します。美しい緑の宝石です。

貴方の瞳は翡翠のような色ですし、貴族といえば宝石でしょう?」


さぁ、どうだ?

これで相手が気に入らなかったら即刻、棺桶だぞ!


「良い名前ではないか。特別に案内人を見繕ってやろう」


ジェードはそう言うと誰かと話しているように独り言を言い出した。

あっ、誰かと話してるんだな。

よくテレビで見るテレパシーというやつだ。

携帯や電話が無くても話すことが出来る能力。


僕の理想郷は何でもありの世界だった。




この作品は笑いあり、殺しあり、何でもありの物語です。

シリアスな時もありますし、ギャグしかない時もあります。

主人公は無力ですが、周りの人物は超人・偉人ばかりです!

暇つぶし程度に見れば丁度良いのではないかと思います。

ありがとうございました!


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