第4章
「カット!今から休憩だよ!」
日曜日の公園の昼。紗良と星奈は部活の映画撮影だった。二人は映画製作部に入っている。
「つ、疲れた〜」
フラフラ歩く紗良に星奈は話しかける。
「お疲れ、今の演技よかったよ!」
「まさか、探してた台本があの本の山にあったなんて…」
それを聞き、星奈は苦笑いする。
「それ数日前からずっと聞いている。そんなこともあるよ。今日で撮影も終わりなんだし頑張らないといい画が撮れないよ?」
「私は大丈夫だけど、星奈と若田君はこのあと編集でしょ?大変じゃない??それに星奈は編集の他にも音楽とか演出とかしているし…。あ、あと脚本も!」
背後から英語で
「セイナ!このシーンのことなんだけど!」
と声が聞こえてきた。若田 月都。星奈の幼なじみである。二人は幼いころイギリス住まいだったことから二人の会話はいつも英語。そして彼は星奈が魔法を使えることを知っている。
「今行くー!」
と答え、星奈はその場を去った。
紗良は日陰に入り、台本を読み返す。
(にしても、星奈の書く脚本はいいフレーズが多いなぁ。今回は恋愛だけあってかなり力入れてたしなぁ…私も見習わなきゃ)
一通り見返した後に不思議なフレーズを見つけた。
伝えたい、でも、この想いが弾けるのが怖い…。