バレンタイン番外編
【注意】
これは紗良たちが中3の時の話です。
「ごめんね。星奈。受験で忙しいときに…」
「いいの、いいの!私も休みたいと思ってたから。バレンタインなんだし!気分あげてこー!」
今日はバレンタイン。星奈は紗良の家にチョコ作りにやってきた。
「へー、零さんに渡すんだ」
「お、大きな声で言わないでよ!」
チョコを固まるのを待っているときに目を丸くした星奈。
「好きなんだねー」
それを聞くと紗良はあわてて
「ち、違うもん。い、いつも世話になっているからせめてものお礼っ!」
と答える。
それからかれこれ数時間後…
「で、出来たー!」
「よかったねー。そろそろ渡しに行かないとチョコ、溶けるよ?」
紗良は急に顔が真っ赤になる。
「うっ、、、わかったよ〜。でも、ドキドキする…」
顔は真っ赤でも不安そうな顔をする紗良。星奈はそれを見て笑顔で
「とっておきの魔法をかけてあげる」
と言った。
紗良の答える隙もなく魔法使いは紗良の肩に手を置き
「魔の力よ。紗良の緊張を解かせ」
「れ、零!」
「はい、なんでしょう、お嬢様」
「こ、これ!」
早口で言うとチョコを差し出す。
「チョコレート…ですか?」
キョトンとした表情で零は言う。
「いつものお礼っ。味は保証できないけど・・・」
零は紗良の前で笑った。
「ありがとうございます、お嬢様」
そんな二人のやりとりを見て星奈はこう思う。
紗良。私は紗良に魔法をかけていない。ただのおまじない。理由は単純。バレンタインの日はな
女の子が恋の魔法を使える日だから…。