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RELIS  作者: 孤独
”商業市場街”月本編
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狂気を孕む弱者最強、ガイゲルガー・フェル



助かりたい。地獄と簡単に辛い惨状を現す言葉があるが…………。現実の方が重い。現実こそが地獄なのだ。なぜ、生きる?どうして俺以外の者は地獄だと気付けない?



「生まれも、形も、才能も、感覚も…………なぜ、命は違う?」



管理人ナンバー:011。彼が知りえもしない役割は造られた時からある。それは彼が管理人一の弱者であり、精神にも異常を示し、アウトローという言葉の枠でもない。ただの狂気と異質を示すことに意味がある。

人類に関わらず、全ての生命体には翻ることができないほどの決まりが存在する。プランクトンは小魚に食べられ、小魚は魚に食べられ、魚は人間に食べられる。食物連鎖という知っていると頭が良く思われそうな出来事に誰もが囚われている。

弱き者は喰われる、さげずまれる、……この"弱い"と呼ばれる部分。ここが重要だ。



『努力をすればなんとかなるじゃん!!』

『お金を出せばもっと良い勉強ができるんだよ!!』



弱者は言葉と行動は共にならない。

魚は魚でしかなく、蟻は蟻だ。鈴木という人間は鈴木だし、伊藤という人間も伊藤だし、天野という人間も天野、中井という人間も中井でしかない。弱者は努力という言葉は理解できても、行動が続けられない。諦める。楽になりたい。都合が悪い。

そしてある境で、出荷時期が間近の豚のように奴等は眺める。歳を重ねるごとに襲い掛かる現実という巨大さが心と肉体、頭脳にまで食い込んでいく。銃弾が内臓に達するまでの痛み、悲鳴を上げても誰も豚の助けはしない。豚とは、家畜とは、社蓄とは……上手に焼けて食われる事が美徳なのだ。弱者を美味しく焼くのが強者だ。



『大丈夫か?』



中にはその豚を焼かず、傍に置く貴重な強者もいる。豚が鳴く、鼻水を流す。そして、そんな変わった強者に憧れる。豚じゃない強者に……………。

だが、出荷時期を経験した豚は頭が回った。予感のようなものだ。一生をかけても豚は豚なのだと。変われないのだと、理解や思想をするのだ。それを経て核心にいたってしまう。豚は豚だった。



憧れや自由や、夢、希望…………それらが叶わないのが弱者。



強者や成功者はこう反論する。



『弱者はやり方が悪いんだ。もっと頭を使って!!』

『もっともっと!努力をすればいいんだ!!』

『私だって最初は下手だった。だが、私は毎日8時間以上も訓練を行った』

『やっぱり君、向いてないんだよ。みんなの成功に憧れただけなんだろ?』

『6年頑張ったなら……そ、そうだね。あと、3年頑張れば?』

『ちょ、……お前さ。本気でやってんの?』



数多くいる弱者達の言い訳と結果は、強者や成功者といった類には何一つ耳も心も傾けてくれない。願望は届きやしない。

そして、ザルイ篩で多くの弱者が生まれ、下にある同じ篩に足をつける弱者達は偽りの強者や成功者になろうと、自分よりも弱い者を探し落としていく。

そーやって最後の一番下に落ちる1人が決まるまで争いはなくならない。

本当の弱者達は星を見るように遠くにいる、成功者達。雲のように阻む、自分を蹴落とした奴等。

弱者の気持ちを分かって欲しい。苦しみというのを分からせてやりたい。



『君さ。腕も腹も、足も立派に大きくなっているんだよ?いつまでも弱者で良いと思っているの?子供と弱者の区別くらいつけなよ』



現実は絶対に……弱者達の理解には追いつかない。

たった一人の弱者は願った。気持ちでも、痛みでもない。俺よりも強い奴。何かができる奴が。弱者となれば全て良しではないか。


ガイゲルガー・フェルの存在は人類に生まれる、子供ではない弱者のための救済を行える管理人。

優しい管理人ではない事は明言するが…………。



「YOU UNDERSTAND MY HEART(私の心はあなたにも分かる)」



なぜ、弱者が生まれる。なぜ、不公平がある。



「WHY IS WHAT THE WEAK HAS ANY CRIME,AND IS MADE TO LOOK DOWN?(弱者にはなんの罪がある?蔑まされるのはなぜだ?)」



生まれた者達は優劣をつけなければいけない。2以上という状態では必ず発生する現象。



「THERE IS NOT BECOMING KNOWN WITH THE FEELING OF THE WEAK.YOU SHOULD BECOME THE WEAK(弱者の気持ちを知れじゃない。弱者になるがいい)」



疑問は答えになれば分かる。誰であろうと"THE・BRAVEⅡ・DLD"が教えてくれる。おぞましい性能に加え、起動した瞬間。効果範囲は絶大であり、ウィルスのような広がりとなる。

ガイゲルガー・フェルの周辺は大変な有様になった。そして、1分後には"人"のコーナーの隣にあった"財"でもその影響が及んだ。



ダガシャァンッ


「ゴラアァッ!!この歴史を400億で買うって言っただろ!!」

「そ、そー言われましても。別のお客様が」

「単なる口約束だろうが!!ここにそいつがいねぇだろ!!ホントにくんのか!!?今ここで俺が払うって言ってんだ!!だからああぁぁぁっ」



クレームをつける悪質でイカツイお客様(クレーマー兼ヤクザ)。すでに買い手がいるにも関わらず、10分の1の金額で強引にとろうとしていた。店員達もタジタジにさせられた時だ。クレーマーは頭を両手で抑えながら両目も昇天しかけながら奇声を発し、倒れもがき始めた。


「ああぁぁぁっっきょきょきょきょよきょっきょきょきょきょきょきょ!!!きょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!いぎぎぎぎいぎふぃぎぎぎきゅうぅぅぅうぅぅぅ!!!!?」

「お、お、お客様!!?」

「ひひゅひゅひゅひゅふひゅ、ひょほほほほひひゃひゃひゃぎゃぼぼぼぼぼびびびびび!!」




また別の場所にいる管理人達。黒リリスの一団の梁河とガイゲルガー・フェルを監視する役割の二人の会話。


「"黒リリスの一団"の討伐はともかく……ガイゲルガー・フェルの討伐は我々の仕事なのでしょうか?」

「…………管理人とは人類を管理し、繁栄させるためにある」

「は、はぁっ」

「ガイゲルガー・フェルは人間を酷く扱う。なるべく人間は良き道を進むべきなのだ。奴だけじゃない、粕珠といった管理人も排除すべきなのだ」

「!…………ですね」

「ギャラらラララララああああああああああぁぁぁっっっっっぎょぎょぎゃーーーーー」

「!!!!?」

「びびびびびびびしゅううううううううううぅぅぅぅぅっっっ」

「ど、どうされたのですか!!?意識をハッキリしてください!!」



1人の管理人も突然に意識と意志が捻じ曲がったようになり、表情も体もおかしくなる。



「人類死ね人類死ね人類死ね人類死ねじじじじじ、おげげげぇぇぇぇろろろろおぉぉぉ」

「お、落ち着いて!!」

「おめぇぇぇ死ねえええぇぇっきゃきゃきゅううぅぅごおおぉぉ!!」



バギイイィィッッ


「ぐうぅっ、か、かくなる上は仕方ない!!っっ!!ぎょばばばばばばばばばばばばばじょじょじょじょじょじょおおおおおおおおおおおおぉぉぉっのののののおぉおぉっ」

「きょきょくきょきょきょっかねいかねいぉ」



そして、もう1人も餌食となって意識を捻じ曲げられる。生命体全員に影響が出始める。人間も、管理人もカンケーない。虫だって、犬や猫だって、スロットが現れて自動的に回り、目が出た瞬間には発動条件が整った。


「テメェ仕事ができねぇのか!!こんな簡単な事ができねぇーのか!!?」

「た、大変申し訳…………」

「仕事ってのは!!し、しし、っっ!!!」



感染経路、感染した者の特徴。


「割る事割る事わわわわわっわわわあっわわ、あぅぅぅぅあぅ!!ぎいいぃぃぃぇぇえええ!!」

「じ、自分の頭を叩いてどうするんですか!?」

「目邪魔ぁぁぁ!!いらなぃぃぃぃぃ!!」

「包丁を目に刺したら死にますよ!!」



ほぼ誰しも抱けることだろう。持てるものだし、時に持ちたいものだ。



ドタァッドタァッ



「うううヴヴヴヴヴ」

「ららららあぁぁっ」

「て、店長!!どうしました!?」

「お客様ーー!?みんなーーぁっ!?」



人間達に襲い掛かる謎の狂気的な病気。



「あ、歩けない。右から?左から?足が、足が、怖い、怖い」

「はいはいはい……………?????はいって何?何って何?なって?な???あひゅー」

「腕が重いいいぃっ上がらないぃぃぃっ」

「ど、どうしたんだ!?みんな!みんな!!怖いよおおぉっ!!」



わずか、1分間で巻き込まれた人数は3万人以上。大爆発のような事故が突如として10件以上も発生。


「な、なんだ今のスロットは…………"生"の目が出たが………」



巨大化した梁河にも"THE・BRAVEⅡ・DLD"のスロットはやってきた。


「ぎゃああああああああああああぎゃぎゃぎゃぎゃうごおおおおおおおぉぉぉっ」



巨大な梁河は飛び跳ね、背を地面に強くつける動きをした。苦しみの顔を見せて両腕を振り回し、ゴロゴロと転がり、奇声を上げ続けた。



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