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RELIS  作者: 孤独
”滅びた大地”アーライア編
83/634

記録中

【アーライアの管理を行う】【空から降る白い粉を"SDQ"、Space Decay Quarkと呼ぼう】【我はそれに触れてみる。痛い。刃物に切られた痕ができた】【我は再度触れた。今度は冷たかった】【我は今日も触れた。熱くなった】【"無限牢"ができる前からあった場所だそうだ】【際限がない。我の頑丈な鎧に黴が……】【管理を始めてから一週間、初日よりも強くなっている事がデータで分かった】【"SDQ"のデータを解析。魔力と似た類だが……これは一体】【この"SDQ"は空から降ってくる。我は空まで昇ったが、途中で壊れ墜落】【墜落の怪我が痛む】【"SDQ"の力も徐々に強まっていた】【我が開発した調査のための科学が"SDQ"によって壊れた。おのれぇ……】【我は"SDQ"にも耐えうる飛行型の科学の開発を始めた】【ようやく完成もう一度飛んでみた。どうやらここの空だけで発生するようだ】【前世界からの汚点か……】【我は試しに降りかかる"SDQ"に実験を始める】【プレスしてみるも、プレスする側が壊れる】【海に等しい量の水をアーライアに降らすも。"SDQ"は消滅しない】【急激冷凍装置を起動。海と化したアーライアを凍らせる。しかし、3日後には全体が海へと戻っただけではなく、海水の量も減った】【アーライアには窒素が多いようだ】【電撃装置を"SDQ"に試すも変化なし】【海が消えた、"SDQ"は消えない】【アーライア全体を土で埋める事にした】【土をアーライアに流し込んでいく】【ようやく、アーライア全体が土になった。だが、"SDQ"は土を喰い始めた】【土の中でも"SDQ"は発生する】【土を食う"SDQ"を実験してみた。生体反応感知】【生体反応を感知する"SDQ"としない"SDQ"が判明】【"SDQ"には種類がある事を知る、現在確認した種類は2219種類。"SDQ"の対処として、一つの力を持っている"SDQ"に相反する力を加える事で死滅する実験に成功】【ダメだ。一つの種類は殲滅できるも、我の力の影響で別の"SDQ"が生まれる】【地道に潰し続けるが、消えるどころか増える】【"SDQ"に触れてない我の靴の繊維がグチャグチャになっていた】【我はより実験するため、魔物や人間じゃない生物をアーライアに放って観察を始める】【生き物達は"SDQ"から逃げ回った、我は檻を作る】【"SDQ"に触れた生き物達は苦しみ始めた。我のように傷付くのも確か。実験体は全滅だ】【アーライアの生態手段を模索】【爬虫類から始める】【異世界から爬虫類を取り寄せ、配合や遺伝子を組み替えた。気持ち悪い生物だ】【気持ち悪い生物を"SDQ"で生存できるか試したが、どれもダメだ。次は魚だ】【アーライアに川を作り出した。"SDQ"は当然、川の中に入った。我は魚を放り込んだ】【もっと種類が欲しいため、様々な海の異世界に要請】【川だけじゃ足りないため、また海も造った】【湖も作った】【魚は良い。美しい。希望を込めて放流した】【餌を元気に食べてくる】【どうした?餌は食べないのか?】【ブルーギルは内臓を吐き出していた】【タコは全身が裏返しになっていた】【イカは川の中で干からびていた】【カニは自分の頭に鋏を突き刺していた】【海老は全ての腕がとれていた】【クラゲは自分の毒で死んだ】【深海魚は水圧で潰れていた】【マグロはエラ呼吸を失った】【鮫の歯は全部取れて死んでいた】【ブラックバスは大きくなりすぎて動けずに死んだ、岩も食っていた】【鮭は卵を産みすぎた影響で死んだ。卵も全滅だ】【亀は甲羅に閉じ篭っていた。中身はなかった】【鯨は鰯に食べられていた。小さくなっていた】【ワカメと喪は全滅、ハゲた岩だけが残っていた】【海栗は形こそ綺麗だが、死んでいた。身の部分も緑に色に変色していた】【貝は貝殻を失い、ヤドカリは貝に喰われた】【海の一部は砂糖水になっていた】【川には放流していない白熊のような物が誕生。魚を食えば消滅、"SDQ"の生物型の変異と思われる】【湖は山になっていた】【グチャグチャだ、グチャグチャしか起きない】【やがて、我がやった全てが白色の"SDQ"となっていった】【何もかもなくなった……】【我は少しの休暇を頂く】【戻ってきた。これまで"SDQ"の消滅、"SDQ"での生存を試みた。今回は視点を変えて活用しようと思う】【"SDQ"の力は莫大だ、災害を吉良に変える】【アーライアから少し離れ、我は模索する。どんな科学も破壊尽くす"SDQ"に対抗できる物質はないか?】【我は数多くある異世界から資源を取り寄せる】【一つの"SDQ"に耐えうる素材は沢山あるが、複数の"SDQ"が結合した物にはどれも壊れる】【我は新たな原石を作り出す事を決める】【アーライア近くに資源を作り出す異世界を設立した】【"SDQ"は土を食べた。"SDQ"そのものを資源にできるか模索した】【"SDQ"は"SDQ"でしかなかった。どんな物体とも混じるが……否、諦めん】【"SDQ"は種類が多すぎる。観測し始めた頃よりも増えている】【存在するどんな資源も食い尽くす"SDQ"】【我は久々にワインを飲んだ。諦めん】【我は桂に話を持ちかける。最大限の力を使いたいと頼み込んだ。奴は同伴という形で我の力になってくれた。感謝する】【我は最大の力を持って、"SDQ"に対抗する新たな存在を作り出す。科学が災害に敗れてはならんのだ】【科学を護る、最強と認める】【我の努力を持って"SDQ"に対抗できる資源を造り出し、生み出す事にも成功した。異世界にそのタネを蒔く】【我は"SDQ"を用いた新世代の開発を考案する】【生命が住めない世界と銘打たれたところだ、"SDQ"で周る農村の世界にしよう】【試験として"SDQ"の中でも耐えうる家を建築。無事に1ヶ月はそのままになっていた】【我は建築するペースを速める。街、科学人間、科学、政治、法律、環境を作り出した】【完成した。もうここは滅びた大地とは言わせない。"SDQ"の脅威は終わったのだ】【科学人間と異世界から連れて来た人間達と交配させ、新たな命が誕生】【"SDQ"の環境にも生きられる命が誕生した。我はやり遂げたのだ】【我は湖を作り出した】【我は生命達が育める環境にする最終調整を行った】【ここのみんなは我の事を"お主様"と祭り上げた】【村の人達とお食事をとった、この世界で取れる食材は旨かった】【村の子供とけん玉をした、意外に難しかった】【働き盛りの農家の人々に作業効率が良くなる科学を差し出した】【村ができて一年が経過した、皆は何事もなく平和に過ごしていた】【我は医者としてここの管理人としてなる】【けん玉をした子供が随分と大きくなった】【貴婦人が体の調子が悪いといって我のところに訪れた、我は診断する……異常が見つかった】【我は急遽、村にいる全員を診断した】【検査の結果。彼等の体は"SDQ"に蝕まれていた。我は彼等の余命を知った】【我は崩れん、泣かん、諦めん。必ずや救ってみせる】【検査と研究の結果、"SDQ"は人間のように進歩する。だが、人間とは違いほぼ消耗しない事が分かった】【お爺さんやお婆さんなどが我に身を捧げた。子供を救ってください、お主様と泣きついた。我は…………】【我は決断する。村にいる幼すぎず、老い過ぎない人間達を10人選び、約1000人の実験体でワクチンを作ると】【我は苦心した、そして我を責めた】【災害を忘れてはならないと、心に留めて歴史に刻み続けると誓った】【今日で700人が死亡した。それでもワクチンや特効薬のような物ができない】【救うと誓った10人の人間達は苦しんでいる、手足の震えを訴え、全うな言葉も喋れるなくなった。安全な世界にいるのに……】【希望は消えた。我は実験体を全て使い切ってしまった。成果は何もなかった】【我はさらに決断する。10人からその数を減らすと。たった3人だけにした…………】【我は世話をする、助けようと思う。介護役の管理人を10人ほど製造した】【研究を重ねる。言葉を忘れ、記憶を失い、体力を蝕んでいく"SDQ"で造られた人間を、人間にするため】【人間になってくれ】【人間になってくれ】【人間になってくれ】【1人が亡くなった。老衰だ】【我は嘆いた、悔しかった。あれからもう20年は経過していた。我はなんのために科学を……】【我は久々に2人の子供達に言葉を掛けていた、生きているのは楽しいかと】【一日後に返答が来た、生きたい……と。力なく……涙も出ない涙目で2人は言っていた】【我は赤ワインを大量に飲んでいた。早く死んでしまえと思っていた】【我の研究は"SDQ"の人間を人間にするための研究だけだった。その間の出来事を戻せる研究はしていない。2人は消耗し切っている】【今回の件で我は思う】【人間とは消耗品であると】【我は管理人。人間とは違う】【2人はほぼ同じ時刻で亡くなった。我は前を向けた】【何を必死にしていた。人間は死ぬのだ】【人間は死ぬのだ。誰であれ。何であれ。死ぬのだ】【我は管理人の大会議にて発表する、人間の管理する事と繁栄させる事は違うと伝えた】【我は生の大切さよりも、今の大切さを説く】【会議などでアーライアに戻ったのは10日ぶりだ。我の村は僅かに形を残し、"SDQ"に包まれていた】【我はこの場所を歩いた。ここに人が住んでいたのだ……生が大切ではない。今が大切なのだ】【村は完全に"SDQ"に包まれ無くなった】【…………………】【我は再スタートを決める。今に生きると心に誓った。我は人間から学んだ】【ただ生きる事と行動して生きる事は違うのだ。我は管理人、人間とは違う】【データはとれた。"SDQ"と人間が交じり合えば生きる事もできるのだ】【"SDQ"は進歩していく、まるで生き物のように】【我は再び"SDQ"に対抗できる資源の開発を試みる】【希望を飲み込む巨大な絶望を飲み込む規格外の希望。我は再び"SDQ"では壊れない資源を作り出した】【観測状況。良好。"SDQ"は増えるも、囲いは破られず】【観測状況。良好。"SDQ"は増えるも、囲いは破られず】【観測中、とある異変が起こった駆けつけると、"SDQ"は"無限牢"に侵入しようとしていた】【"SDQ"は壁を突破できないと察したかは分からないが、空間その物を喰って隣の世界へと流れ出た】【管理人が総出となって"SDQ"に立ち向かうも、最低限でしかなかった】【我が作った壁にもヒビが入る、対抗する"SDQ"が作られた】【再び管理人達を集めて会議を開く、"SDQ"はもう我1人では太刀打ちできん事になった】【長い協議の結果、まずは過去を洗い直す事にする】【古の記録から"SDQ"は何者かの残した異物】【戦時中の記録を見た。だが、"SDQ"とは無関係の戦争記録だ】【世界の構築までが異なってしまった事が記録される】【想像が現実とする世界と、括りと管理がある世界が我々の世界だ】【人間の愚かさを再度理解】【生存するために管理される事を望む】【前の世界の根幹が抜けた影響で、我々の世界は置き去りにされた事実を見た】【別の記録に我々は進歩できたと残されている】【根幹を人間が補った結果が滅亡となり、管理人なる物を作り出した……】【根幹という存在。記録の上では記述が少ない。我々のような存在でもないようだ】【根幹は逃げ出したと仮説するならば、我がそれを超えるべきだ】【我こそが、"科学"こそがこの世で最も優れた技術】【再起する。我は抗う。我を証明するために】【自分自身が行った実験をまた洗い出す】【人員が必要だ。科学に特化した世界をいくつか必要だ】【"SDQ"に特化した科学世界を作り出す事を桂達に申し入れた】【"SDQ"の大規模な研究が再び始まる】【人体実験、消滅させるための実験、構造を知るための実験、実用化の実験】【我1人では手が回らないことが人材達のおかげでできる。今度こそ上手くいけば……】【"SDQ"の特徴が一つ浮かび上がった。これは何があろうと力は消滅しない事だ】【人体実験の結果から"SDQ"が埋められた空間では触らずとも、体に悪影響を及ぼす】【"SDQ"の構造の結果から、これらは"魔術"や"超人"、"科学"ともとれるデータがとれた】【大きな仮説が立てられる、管理人と人間など、生命を含んだ者達が使用した能力の欠片ではないかと】【種類の多さと同時に絶滅しかけている種類もある】【"SDQ"の対策案として、仮想空間に封印するという方法が出る】【仮想空間にアーライアの4割ほどの"SDQ"を収納する事に成功する】【仮想空間の観測。開始早々には破壊されないが、徐々に空間が削れている事が判明。持って一週間か】【空間の破壊には色々なデータがとれた。一つ、削れることによる破壊】【二つ、質量の過重によるパンク】【三つ、腐食】【四つ、仮想空間そのものが現実世界に転移】【仮想空間での封印はやはり効果が薄い、そもそも消滅させなければ次世代に影響が出る】【我は研究範囲と質の向上を求め、桂達に上告する】【結果はNO。我は訴えるも、我1人がそれだけの力を持つ事を危険視されたためだ。クズが】【我は何度も試みる。"科学"の力を結集したいと、管理人達を割ってでも訴える】【桂と3日間の言い争いの末、"科学"の世界を増やすしかなかった】【バカが、アホが、足りないのだ!人材も資源も、対策も足りないのだ】【我にはできる力がある。やってやる力と意思がある。あとは環境だけなのだ!】【我に場をよこせ!!】【人類を救わねばならん!!それが管理人であろう】【……………】【言い訳はここまでにする。我にはやるべき世界を管理する責任者として任務がある】【研究を続ける】【"SDQ"を滅する研究を行う】【一定量や一定時間ならば消したりする事ができるようになっている】【あとはそれを永続的に、"SDQ"の進歩にも対応するシステムを組むこと】【できる限りを尽くし、現場に揃えられる資源を使い尽くす】【人類を生存させるために、優良な実験体が何万人も必要だ】【またしても桂が非人道的と警告しに来た。我は追い返した】【設備を用意させろ、出さなければ人類のためにほんの40億人ほどが犠牲になる】【人間は増やす事ができる。2人から3人になれる】【人間とは消耗品なのだ、いくら使っても良いだろう!!】【死ぬのならまた増やせば良かろう!!時を使えば造作もない!】【未来を作るのには過去を犠牲にせねばならんのだ!!】【桂とは対峙しながら研究を続ける】【研究を続ける間にも"SDQ"が増加を始めている。これではいずれ"無限牢"に影響が大きく出る】【破壊された空間を修繕する科学を試作】【多種多様に。異世界へ移動できる様々な形の科学も試作】【"無限牢"のメンテナンスプランを企画】【全世界の管理についての取り組みを改善】【"SDQ"が発生、もしくは流れ出た際の対処マニュアル作成】【危機意識を高めてもらうべく、管理人達に随時報告。わずかでも協力者は必要だ】【研究は続く】【研究中】【我は…………】【今日もしてしまったか】【"SDQ"を消滅する研究ではなく、逃げるための行動を研究しておる】【協力者を募る】【それを言い訳に】【科学こそは何よりも優れるのだ。"SDQ"に屈してなるものか】【災害に我等は屈してはいけない、乗り越えなければいけない】【自分自身の科学力をより高める必要が出てきた】【自信喪失を感じた以上、立ち直るのには訓練の繰り返すしかあるまい】【研究設備は全て停止し、次の管理人に渡す準備を始める】【助けが欲しいと思っていた、それが我の本心なのだ。我は負けたのだ】【次の管理する世界はどこにしようかと考える、アーライアのような環境でもう一度頑張りたいものだ】【人類研究世界の一つとなる"遊園海底"マリンブルーに決まる。あそこは我が研究に没頭するにはうってつけだ】【引越しは全て完了した。だが、ここにはいずれ戻ってくる。必ず殲滅してみせる】【科学こそが頂点に君臨すべき物だと、再認識するには最高の災害なのだ。必ず………】

《アーライアに配属された》《ポセイドンの後だといささか頼りない私だ》《ポセイドンがこれまでの研究で調べた事はベィスボゥラーのおかげで頭に入っている》《空からやってくる"SDQ"に触れてみる。やはり痛い》《アーライアを歩きながら測量する事を開始》《ポセイドンが管理していた頃よりも、"SDQ"のせいで広がってしまっている》《かつての村の跡地が惨い》《雪だ》《炎だ》《雷だ》《"SDQ"には色んな種類が本当にあるのだな。身を持って知る》《"魔術"で簡単に"SDQ"を消してみる。一部の"SDQ"は消せるが、他が増大し、自分の出した魔力が"SDQ"に変化してしまう》《全ての"SDQ"を消滅させるには"SDQ"にあるだけの種類の魔力を同時にぶち込むしかないだろう》《規模があるなぁー、過去からの負の遺産とも言われるだけある》《歩くのに疲れた。ここ広すぎ》《今日も"SDQ"が増加している》《"SDQ"自身が成長したり、発生させたりしている》《発生源の空に近づこうと思う》《とりあえず半分まで来た。今日はここで寝よう》《"SDQ"の濃さが増している。自分の体が重くなるのは久しぶりだ》《ポセイドンよりも高い地点に到達。それでもまだ先がある》《ここは空かな?空気がまったくない場所だ。たまらなく熱い、"SDQ"と私だけがいる場所》《"無限牢"の構造をもう少し勉強してからくれば良かった。アーライアにはどうやら空間の限りが見えない》《さらに上へと……と思った。ここから先は私の力でも昇れない》《上からアーライアを見下ろす…………綺麗な場所だよね。記憶を永久保存だ》《調査の結果。"無限牢"のシステムに異常があると判断》《"SDQ"の発生元の特定はならず。私でも侵入できないとは驚きだった》《様々な魔力などの入り混じり……その中で私の持つ魔術と似た"SDQ"と出会えた》《得られた報告がいくつかある》《魔術代表としての意見であるが、"SDQ"とは"無限牢"内にいる者達の特徴を生態化しているのではないだろうか?》《多種多様という言葉では狭い。無限に近い種類の"SDQ"》《同じ性質でも力に差があることを確認》《魔術や科学で一部の"SDQ"を打ち消したとしても、その打ち消した力もやがて"SDQ"へと変わる》《私とポセイドンが実体験済みであり、力の制御を奪われるほどの強烈な災害》《我々のする対策が、やがて災害となるとは厄介なことだ》《しばらくぶりにアーライアの地上に降りた。ここの濃度はまだ薄く、ある程度の対策も通じるだろうが……》《地上でもSDQの量が濃ければ私の魔術でもやがては"SDQ"となってしまう》《量は日に日に増していく。良い対策ではなく、完全なる対策がなければ下手に動けない》《慎重な意見。だが、慎重すぎれば取り返しのつかない出来事だ》《管理人達の総力を結集するべきだが…………果たして、それだけで足りるのだろうか?》《休日。親友の桂にこのことを話、ポセイドンと私に規制緩和を発令させてくれた。私も少しは慎重な行動をとりたく、選択肢が多い道を選んでみた》《桂の条件付きの規制緩和は私とポセイドンが手を組まない事だった。無理な話だろうけど》《ポセイドンは科学を、ならば私は人間を信じてみる》《私達管理人は完成された作品。成長できるのはわずかだ。アーライアの被害はゆっくりと広まるなら、人間達はもっと速く強く成長するならば私が管理人としての成果である》《人類育成プランというのは以前からあった。主に過去の人類がどのようにして絶滅しかけたかという理論の研究だ》《管理人は過去の記録や記憶を知るが、そこからは学べない。人類は常に進歩するからだ》《人類育成プロジェクトを開始する》《そもそも人類はどのように進歩するのだろうか?まずはそこから考える》《対"SDQ"による人材を作り出す事が管理人の仕事だろうか?》《"SDQ"の問題を管理人と人間で対抗するべきだろうか?》《人類が繁栄した先には何のビジョンがあるだろうか?》《対等にするべきか、主従するべきか》《進歩した人類の末路はどうなるだろうか?》《我々はこれからも管理できるのだろうか?》《どれだけの人類と時間を費やすのだろうか?》《どれほど多くの異世界を犠牲にするだろうか?》《私はどうなるのだろうか?》《考えることが多くて頭が痛い》《少しずつ、ゆっくりと人類育成プロジェクトを勧める事にする。地盤は大事だ》《アーライアにいながら、先に人類育成プロジェクトが行われる異世界の情報を集め、勉強する。人類とは大変な生き物だ》《私なりに考えてまずは人間の人生について研究してみる》《最初こそは無知であり、時間と出会いによって力と知恵を蓄えていく》《一定の時間で衰えを出し、時に愛を持って遺伝子を繋げる》《遺伝子は良さも悪さも引き継ぐことだろう》《遺伝子は過去を持たない、新たなる自分であり自分じゃない》《生まれた理由はない。ただ理由はなくても生きる事ができる》《後悔に苦しむ人々を人は知らない。だから、夢想する》《幸福に喜べた人々を人は知り続ける。生きる事は楽しいそうだ》《意志の強さは遺伝子ではない。遺伝子に依存しない魂だ》《人間は不意に涙する。どうしてだと強く非難する》《けれど、乗り越えられる。超えられない困難はないと強い意志を持てる。生きている人々はそうなのだ》《寿命はやはり短い、多くの人間が生きる事を所望》《だが、衰えて生きる事はほとんど望まない。生きるとはどこかでポロリと失うと知った》《長い時間の研究と学習から一つの案が出た》《若さを長持ちさせるというのは知った人生を保存してしまう。または自身の孤立が発生する》《幾度の出会いが遺伝子と魂に強く影響を与える。老いを知ると気付ける何かもある》《死は必ず自分を後悔させない》《私は魂を何度もリサイクルできる事で人類を強くできると確信する》《魂は過去を知り、反省し、現状を受け入れ、立ち向かう》《人類の進歩を加速させるにはもっとも良いものだと思う》《いくつかのシミュレーションを重ねながら進める》《"SDQ"そっちのけだな…………》《魂は体を変えられても、感覚を失わない。体の性能さも軽々と埋めてしまい、適応する事も判明》《過去の記憶によって、本来辿るはずだった運命を避けることも分かった》《継続する意志がやはり強い》《だが、死ぬ間際はとても可哀想だ。また生きたいと願っている》《運動に向き、劣る脳が宿っている肉体でも魂が頭脳を求めれば頭脳を選ぶ。逆もしかり》《肉体には成長と劣化が待っている》《魂には学習と自信が待っている》《魂の引継ぎを繰り返せば人類は"SDQ"を超える可能性を秘めている》《私が発見し、確立させた魂の引継ぎを"RELIS"と名付ける》《"RELIS"を本格的に施行するため、私は"遺産もない図書館"で魂を選ぶ。できるだけ優秀な魂を用いた方が希望が高まる》《かつての魂を再現するのには難しいものだが、成功すれば大きい》《いくつか魂を使って一つの世界で始まった》《開始早々問題が起こった。"RELIS"である人間達は自由奔放だ》《意志を縛る事は並大抵の事じゃない》《魂が強すぎる。私が苦戦するレベルだ。やはり過去の重要な人類は強さを持って滅んだのか》《とりあえず、形になったが。相変わらず恐ろしいのが現状だ》《ゆっくりと時間を使って"RELIS"を患う人間達は幾度も繰り返し、強くなった》《人類の進歩は目に見えるほどになった》《"RELIS"を患う者は一度死ぬと、魂は異世界に飛ばされるようにした。同じ世界に留まっては出会いを欠落させる》《後悔もまた一つの成長であると知った》《様々な経験してきた"RELIS"の者達は強い。核心する》《順調と思われた矢先、トラブルが発生する。なんのトラブルだ?》《"RELIS"にしていない者達もどうやら"RELIS"を訴えていると報告が上がっていた。それも続々と…………原因不明》《私は対応に追われる。普通の人々までが"RELIS"となり、その数はもう数万人は超えていた》《ポセイドンや桂だけではなく、上位100位以下の管理人を総動員するほどの騒ぎ》《"RELIS"となった者達は強くなるだけではなく、世界にあるルールに従わない。抗っていく》《多くの異世界で暴動染みた事も起こる。管理人が何十人も亡くなった》《"RELIS"であると見抜く設備をまだ用意していない事が仇となった。また、多くの人類を失わせてしまった》《完全に問題が解決したわけではない。だが、私には刑罰がそろそろ決まるそうだ》《原因を分析したところ。"RELIS"となった者に接触した人間達は極めて低い確率で"RELIS"を患うようだ》《これでは完全に"RELIS"を完全に消す事は不可能だ》《"RELIS"を一度絶滅状態にするも、生存の可能性はある。新たなる問題を私は作ってしまった》《私は異世界で幽閉される事が決まった。仕方がない》《無期懲役。終身刑。それが私の末路だった》《アーライアに馴染んでいたわけではないが、こうも中途半端に去ることになるとは思わなかった》《ああ、残念だ。そして、心配もある。人類はこれからどうなるのだろうか?》《私の刑が始まり、この記録は終わるんだ》

〔初めて、これほどの大役に抜擢されるとは……少々緊張している〕〔この朴がアーライアの管理を任された〕〔条件付けでの観測だ。それは対策などは講じない事だ〕〔ただの観測だけで物足りないが、それはそれで構わない〕〔管理人としての職務を全うするだけ〕〔ただ降ってくる量と、"SDQ"の影響で壊れる世界の数を記録する〕〔滅びを観測するという役目〕〔観測者は必要だ。何もできない役目だとしても〕〔1人でいるのは寂しいな。休みが待ち遠しいよ〕〔"SDQ"は相変わらず降っている〕〔私の"カスタネット・ギバン"ならば難なく相殺できるが、濃い地帯では危険だ。私は死なない事も仕事なのだ〕〔今日、異世界が壊れるところを目撃し、記録した〕〔人々は悲鳴を上げ、朽ちていく〕〔理不尽のように空間をぶち壊していく"SDQ"〕〔建物もじっくりと滅ぶ〕〔最後には白い、"SDQ"だけが残る〕〔そればかり、そればかり〕〔壊れたところをずっとずっと見るだけ。それが私の役目〕




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