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RELIS  作者: 孤独
”滅びた大地”アーライア編
74/634

カスタネット・ギバン。管理人、朴登場


チリンチリン


鈴の音がやってきた。

閉じているような両目と後ろ髪を三つ編みにし纏め、両袖と胸、裾にも小さな鈴を身につけた服装をしたれっきとした男性がそこに現れた。


「おぉぉっ……困ったものだ」


アーライアという世界はポセイドン、桂の両名が危険なだけではなく、手の内ようがない壊滅的な世界であったと称する。生存できる環境は0。"SDQ"という、"力を失わない存在"があまりにも対応困難であり、ここはもう管理という言葉はない。

起きている惨状をただただ記録しているに過ぎない。観測の役割しかない。



「四人同時にここにやってこられると助けるのも一苦労だ」



"管理人"の中でもこのアーライアの世界を管理した者は3名いた。その内の1人はポセイドンだった。持ち前の科学力を持ってして、全力でアーライアの改善を務めるも一定のメドをつけて次の者に渡した。現在はその3人目。無論、ポセイドンと桂、アーライアの管理人を務めた2人目の推薦があり、なおかつ管理人ナンバー999以下全員の署名により、脅威の100%で選ばれた実力者。

アーライアという異世界を管理という名の生存と観測が行えるのは極わずかな者だけだ。"管理人"内でも"SDQ"との抜群の相性を持っている"魔術"の使い手であり、内に秘めたる魔力も莫大な物である。



「全ての"SDQ"をかき消さなければ死んでしまうな」


管理人ナンバー:006

スタイル:魔術

スタイル名:カスタネット・ギバン




管理人ナンバーが009 ~ 001までの管理人は特別。桂とポセイドンが、周りの管理人よりも優れているように彼等が失ってはいけないとされているだけの、特別な資質や役割、戦闘力を保有している。朴は戦闘力よりも、役割という面が非常に大きい。彼に備わっている魔術"カスタネット・ギバン"は対魔術類の災害や難敵相手に優れる。"SDQ"というのが魔術関係の類であるため、彼がアーライアでの管理人としての適正が高いこともあった。



春藍達やポセイドンの用意した装備が壊れてしまう"SDQ"の中で平然と歩いている朴。自身の魔力を放出しながら、降ってくる"SDQ"を掻き消す。四人の下へ辿り着けば構え、術式詠唱を始める。



「怪ねの理の導きとなり、二線の平行を交線に正し、青と赤のシンフォニーを発する!!」



朴の術式の役割は"カスタネット・ギバン"の範囲と出力の調整にある。彼は長い"アーライア"での観測故に適量の魔力を使い続けている。少しでも狂えば自分の魔力切れを早めたり、"SDQ"を完全に相殺できない。

半年に2回、別世界に移動して休息(食事も)し、"SDQ"に使い続けた魔力を回復しながら観測を続ける。



チリチリーン



「レムルナント!」



朴の魔力は管理人内でベスト3には入り、彼の魔力の回復量は間違いなく最速である。半年に2回の休息でこの世界で行動可能なのは、彼に安全性がしっかりとあるからだ。

この世界で多少な無茶をしても生き残れるくらいの力がある。むしろ、してもらわなければ"アーライア"の世界の観測はできない。

朴は自らの魔力の出力をあげて、腰から足元からは紅色の魔力とその上からは群所色の魔力を発する。降りかかる"SDQ"を掻き消して昇っていったり、広がっていく。やがて相反する二つの魔力が重なり合ってさらに速度を加速させる。

倒れている春藍達にも朴の魔力が覆い始め、"SDQ"によって朽ちた部分を修復し、排除する。ついでにポセイドンが用意した装備も修復。

10m四方の結界となって、春藍達を守って回復させる朴。



「………ん、……うん……?」

「な、なんだ…………」

「………!あれ、痛くない…………」



四人が意識を取り戻す。自分達がとてつもない深手を負った"SDQ"がなくなり、修復された事に驚き、それをやってみせた朴の方を見た。



「よっこらっしょ」



朴は地べたに座った。この世界の安全な場所は自分の"カスタネット・ギバン"だけである。昔造られたポセイドンの安全施設も今や"SDQ"のたまり場となって再起不能だ。春藍達はこの異常過ぎて理解が届いてない異世界で平然と座り込む男に尋ねた。



「だ、誰です…………?」

「誰ですか?って聞かれてもねぇ。この世界には私1人しかいないよ、機械から降りて話そう」



朴の誘いに全てのロボットの操縦権を握っていたアレクは少し躊躇いつつも、開閉を行う操作を行った。赤と青の結界には"SDQ"は入ってこれていない。まずはアレクが地上に降りて、それからライラ、ネセリア、春藍と降りて朴の目の前まで来た。



「座っていいよ、大丈夫だから」

「あ、はい」



四人は朴の指示で地べたに座った。そして、ようやく朴は四人に自己紹介する。



「私が"アーライア"の管理人、朴と申す」




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