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RELIS  作者: 孤独
”遊園海底”マリンブルー編
68/634

お主様==?????


館に辿り着き、科学の円盤はなにやら特殊な光を出して大きな正面の出入り口を開けた。そして、そこには当たり前だが驚くべき光景が広がっていた。この世界の常識ではありえない、



「空気がある!!」

「海水もないわよ!!?」


などとそれは当たり前じゃないかと、思う事なのだが驚くことだ。ここは海中にある世界だ。そんなところに空気が存在していいわけがない。



バシャアァッ



「海水がこっちに入ってきませんね……ちゃんと細かく制御されているんですね」

「ふうぅっ、春藍。悪いが俺達の修復を頼む。特に左腕はもう動かねぇ」

「は、はい!!」


久々の空気と床を歩いて座る感覚に四人はホッとする。ネセリアの"掃除媒体"からタオルや衣服も取り出し拭いてから上に着て、チヨダで頂いた素材でみんなが損傷した部分を修復する春藍。

円盤の形をした科学はどこかへ行ってしまったが、春藍達は自分達の事に集中した。おそらく、屋敷に何かがいるのは分かった。


「よかった、この場所ならあたしの"ピサロ"が使える」


ぷくぷくとライラの体から出てくる雲。室内とはいえ、使えると使えないでは雲泥の差がある。無論、アレクも久々のタバコを吸い、"焔具象機器"も万全に使う事ができる模様。


「これで何が出ても怖くはないわね」

「……そうだな。何がいるか、分からんがな」


館の中には銅像やら、絵画やら、その他の創作物やらが置かれていた。大きな天窓に見えるのは黒々になっている水と小さな魚が映っていた。色々なモノが綺麗に飾られているが、それを見るのはきっと春藍達が初めてなのだと思う。


「良い作品ですねー、ここの人が作ったんでしょうか?」

「保存状態も良いよね」


春藍とネセリアは先ほどの出来事を忘れたかのように置かれている作品を見て、感銘を受けていた。いろんな方面の芸術から、ここの人物は"科学"といい、才能が豊かであることが四人には分かった。

館の中には色々な部屋が沢山とあり、迷路のようになっていて沢山歩いてみた。だが、見つかるのはここの主の芸術ばかり。声を出してみても誰も出ては来なかった。深海の一番の奥にある館は、海中とは違った怖さがあった。



カタァンッ



「きゃぁ!」

「ただのラップ音だから、ネセリア…………」



彫られた銅像がこっちを見ている感じがしている。だが、それは気のせいだ。

ライラは自分が作った雲を館の中の色々なところに飛ばした。雲が触れた物はある程度、ライラに情報が届く。まだ捜索していないところに雲を飛ばしまくり、一階はもちろん、二階まで雲を走らせて探索していた。


「うーん」


広くても生命の反応がない。館を泳いで見た時は4階建ての館であった。こんなにも広い館なのに使用人などもなしとは。本当に誰かが住んでいるのかな?と思うほどだ。四人で1階の探索を終えて、2階へと上がった四人。ここも高級そうな壷や花瓶、四人には馴染みのない漫画やプラモデル、写真、野球ボール(?)なども置かれていた。



「可愛い少女の漫画だね。なんだか、凄く古くて劣化してるけど」

「参考文献って、なんのことだろう?」

「こっちはプラモデルだな?センスはあるが、"史上最大"だと?」

「"史上最大の科学兵器"のモデルって書かれているわね。名称は……」



1階の芸術と2階の作品は何か別用途で使われていた。なんというか、美術館と博物館の違い程度だ。高値の物と価値ある物の違いに。



「何かが入って来ていると分かってはいたが、"管理される前の遺物"にまで手を出すとはな。これは無礼な人間共じゃないか?」

「!!?」


全員が周囲を警戒していたのにも関わらず、ライラの雲だって蒔かれていたにも関わらず、簡単に不意を突いて話しかけてきた奴が来た。ライラの雲を瓶に詰めており、アレクを上回るほどの大男でややふけた顔をするも、黄金尽くしのアクセサリーを見に付け、王様と呼ばれる存在だと一目で理解するには簡単な姿だった。

ライラや春藍達が口を揃え、驚きながら


「な、何者!?」

「貴様達。礼儀がなっていないな。我の館に入り込んで感謝の一つもせず敵意を出すとは、下等生物の極みか?しまいには雲まで発生させおって。歴史的遺物を穢すではない」

「あ、あたしの"ピサロ"を、なんで瓶に詰めているのよ!?なんで!?三階に雲はいっているはずなのに!!?」



姿だけでなく、実力までも王という風貌が似合うほどだ。瓶しか持っていないのに、四人全員が認めるほどの実力の持ち主だと理解できる。威圧感が出会った魔物とは比べ物にならない。魔物というもんじゃない。


「名乗れ、貴様等。それとも死ぬか?」

「!ぼ、僕は春藍慶介って言います……!」

「伊達・ネセリア・ヒルマンです」

「アレク・サンドリューだ」

「ラ、ライラ・ドロシーよ……………」



ライラとアレクは身構えながら答えた。そして、四人全員の名前を聞いてその人物は。少し目を瞑ってから、四人に自己紹介をした。



「我がこのマリンブルーの"お主様"と呼ばれている者。……我の名はポセイドン。管理人だ」



なんとマリンブルーの管理人は、全ての管理人を纏める存在。ライラも聞いたことがある管理人の名前だった。主に嫌いと桂は言っていた。

そのポセイドンにライラ達は出会ったのであった。



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