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RELIS  作者: 孤独
残骸編
574/634

社蓄


「管理人なら殺しちゃっていいかなって、私は思います」


"SDQ"に、アンリマンユという予想外を前に。

ライラ、ロイ、水羽、春藍、アレク。ほぼ主力の5人の活躍により、一時的であるが退ける事に成功する。

そして、その間の出来事である。



「殺しちゃっていい、か」



クォルヴァ VS 藺兆紗。


2人の激突は、激突と呼べるものではなかった。

そーなんねぇのは藺兆紗が相手であるからだ。



パチンッ



「!!」


クォルヴァの目の前に現れ始める人間達。"魔術"による、生物関係かと睨む。しかし、それは物量を見た瞬間に、その発想は無意味とかす。

クォルヴァと藺兆紗の間合いの、その間だけじゃない。クォルヴァの全方位から現れる人間達。以前、フォーワールドでかっさらった人間達。



「潰せ」



グシャアアァァッ



人が襲いかかるというよりは、潰しにかかるという。藺兆紗の命令通りのこと、人間の物量でクォルヴァを攻撃した。飲み込まれるという、重たい重たい攻撃。

身体能力に優れないクォルヴァにとっては、……



「!」



人間を30人、いや、40人。

それらを抱ええて藺兆紗にダイブしていくなんて、ありえそうもない!が、起きる!!



「お返し!」



襲い掛かった人間達と同化し、一つの体となる。藺兆紗に脳を操られていようと、体の制御を握れば関係ない事。洗脳による操作と、意志を通さない操作による差が出たところ。



ドガアアァァッ



「ふーむ」


"魔術"であれば、同じように身体能力を警戒する必要性はない。

自らの社蓄共がいとも簡単に、身動きがとれていない。今の人間寄せ集めハンマーはどー見ても、一般人のようにスローな動き。相手の視界も、呼吸も封じている。自分が避けられるほどの大した事のない、攻撃。


「ま、怖いんで」



藺兆紗は自らの社蓄の1人に、自分をおんぶさせる。ちょいとダサいが、"超人"として育てた人間におんぶしてもらって、動いた方が早くて安全であるからだ。さらに自らを護衛できる人間を召喚。ガードはガッチガチ。守備重視。

クォルヴァの間合いも完全に把握し、藺兆紗は距離をとっていく。


ダーリヤにしろ、王震源にしろ。その間合いは、"超人"らしい接近戦だった。

クォルヴァの攻撃が迎撃カウンター型しか持ち合わせていない事で、藺兆紗とは距離が噛み合わない。そして、バレてないにも関わらず、彼本体からの攻撃はない。操った人間による攻撃が軸。



「……………」



操った人間を操作して物量攻め。単純だけれど、私とは相性が悪すぎる。

とはいえ、藺兆紗が私に対して、決定打を放てるとは思えない。この重くて、暑苦しい攻撃も"エターナル"の前では無力。



お互いに決定打を生めず、なおかつ、攻める手立てすらなくなりそうな状況。

長期戦&長期戦。むしろ、泥仕合の様相である。操った人間から得ている情報から、押し固めたところでクォルヴァが死んでいない事は伝わっている。故に、



「回復能力もあるとか。これは相性とかの問題じゃないですね。強っ」



藺兆紗が、その眼力を持ってしてクォルヴァの能力を暴いていく。暴くほどに、自分じゃ勝ち目がなく。負けることもないと思えるだろう。

でも、それじゃあ、ダメである。

厄介なことであるが



「弱りますね、勝ち負けを決めないと生き残れないのが、社会ですか」



抱える人間が多くても、藺兆紗がいるのは敵地!!そして、危険地帯!

クォルヴァに負けずともこの場では、藺兆紗が倒れる危険性が数多く存在するのである。また、逃げるも持ってのほか。数こそ多いが、これは形式上はタイマンである。

実力者達に囲まれれば、"黄金人海"といえど、質の差で負ける。ここでクォルヴァを倒せれば、グッと生存確率は上がるというもの。



「……………」


プシュウウウゥッ



無傷で勝ちたいですが、このクォルヴァ相手じゃ難しそうです。

仕方ありません。温存も結構でしょう!



ここが"SDQ"が噴出する危険地帯であることを把握した瞬間、さらに距離をとった上に。



「!!」



ズシシシィィッ



クォルヴァに対してさらなる、人間による物量攻め。押し固め!様々な小細工であろうと、"エターナル"の回復速度と性能を上回る能力などないであろう。雑兵共の寄せ集めをこれでもかってくらい、藺兆紗は続けていく。

クォルヴァの体はさらに重みを感じ、潰れていくだろう。



「むむっ」



巨人に踏み潰されているような状態だ。人海戦術のみでやれるとは

こいつ、できるね!



クォルヴァからすれば、我慢比べは望むところだった。

自分にかかる人間達の重量から、藺兆紗が100や200のどころではない人数で、押し潰そうというのは容易に汲み取れる。人間を洗脳することで魔力の消費を抑えているであろうが、数が数だけに、大きな消耗は必然。



「1000、2000、いや、」

「5000とかじゃなく」



フォーワールドより連れ去った人数は20万人以上。逆にそれ以上の人数は来ないであろうし、長時間の操作はまずできない。踏み潰されるだけであるなら、私は倒れない。

クォルヴァの読みは正確であった。



「10000」



100を超えた時点で、クォルヴァを潰すというものではない形だ。その上に乗る、その上に乗る。それを繰り返しまくって出来上がったのが、人間タワーというか人間ビルだ。押し固めて、押し固めて。密着した人間達によるオブジェができてしまっている。

10000を超えての人間ビルは、クォルヴァだけの攻撃ではなくなった。



「!!」


全てと同化はできるが、動かすことなんてもう無理だ。人間同士が絡まっている。

まったく、待つのも辛いんだけどね。



そして、さらに積み上がって行く。クォルヴァが計算できないほどの、人間の数によって



ズシイイィィッ



周囲の大地が、人間達という重さのみで沈み始める。そりゃある一辺に、何万という人間が圧縮して集まってしまえば、重量オーバーも納得できるものだ。

しかし、それを狙ってやっているとしたら、とてもまだ弱い力である。



「まだ、潰れませんか」



人間達の可能性なんて、絶対的な力の前で屈するものか。




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