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RELIS  作者: 孤独
残骸編
571/634

粉砕


「なんつー、目覚ましだよ」

「でも、僕にとっては……嬉しいようで、悲しいようで。活躍しなきゃならない時です」



ライラが"SDQ"を吹っ飛ばしてからすぐのこと。



「ヒュールさん、放送をかけてライラに何もするなって伝えてくれ」

「落ちてくるデカイ残骸は僕達で対応します」

「やれるのであるか!?」

「応!!任せとけ!!」


ロイと水羽が起きる。


「食事はご用意しておきますね」

「頼むぜ、アルルエラ」

「ロイさんと、朝食前の運動をしてきます!」


◇      ◇



「まずいわね」


思った以上に魔力を使ったっぽい。体がキツイわね。瞬間的な量と質は、自分最大ってところだけど、持久力がないわね。私って。


「魔力を少し分けますし、体の回復も」


ライラと夜弧が組んでいるのは仲の良さもあるが、コンビとしては相性の打ち消し合いができるからである。ライラの魔力を回復させながらのこと



ピンポンパン



「!緊急放送」


『第一級避難命令です。上空を見れば分かるとおり、巨大な落下物が地上に向かってきます。速やかに近くの建物内に入り、備えてください。ロイ、水羽の2名がその対処に当たります。くれぐれも手出しはしないように』


ヒュールとラフツーより、

内容の多くは住民達の安全な避難と誘導。ライラ達への情報伝達が発せられる。

それと同じくして



「ジャンケン!!」

「ポン!!」


ロイと水羽はジャンケンをした。こんな状態で何してんだ、こいつ等……。


「ホントに任せて大丈夫なのか?」


ラフツーの心配もある。放送中にジャンケンやってる連中に、次の事態を任せること


「心配無用である。現場の人間が言うのであるから、それを信じるのが責任者でもあるのだぞ」


アレクの言葉っぽいが、ヒュールは2人の力を信じて、ジャンケンを見届ける。

ロイはチョキ。水羽はグー。


「じゃー、僕が相手だね。謡歌にカッコイイとこ見せられる!」

「負けちった。しょーがねぇな」


外に出るや、ロイは水羽の両手を強く握った。ラブロマンス的なことをすんのかと思いきや、本気でするかのごとく、水羽を浮かせるほどに。



グルングルン



激しすぎるロイの演舞。つーか、技。ジャイアント・スイング。味方の水羽にやってどーすんだ、おい!!


旋風門外せんぷうもんがい!!」




ウオオオォォンッ



回り、捻り、力!それらを合わせて、水羽の体を超回転させながら上空へと投げ飛ばす。水羽が飛んでいく先には、"アンリマンユ"がある。


「あ!しまったっ」


そして、そこでロイは一つの後悔をした!同じ技であっても、使うポイントを誤っていたと


「両足首持ってやれば、水羽ちゃんのパンツが見れたんだった!!損しちまった!!」

「やっぱり、ふざけているのか!?」


一方で、ロイに投げられる形で上空へと昇り、アンリマンユへと向かう水羽は、自らにかけられた超回転と推進力を制御しつつ。


「せーーーのっ!!」



バギイイイィィィッッ



一撃の拳で、あの超巨体のアンリマンユを動かしてみせる。さらに水羽は恐ろしく硬いアンリマンユに、



ガァァンッ



左の拳をアンリマンユに埋め込む。上空という場所で、自らの体を支える足場を造ってみせる。足場というか腕場うでばって言うのかな?


「これ、デッカ!」


体の一部を埋め込んで固定をするものの、落下している事には変わりなく、見上げれば遥か先にまでアンリマンユという一個体でできている。想像以上にデカイ存在であり、規格外であるが故に持つ、無茶苦茶な強さは水羽と同じであろう。

予定や計算など、水羽にとっては微々たる、工夫であった。

それが違ってあろうと本能で動く様こそ。彼女らしい、ただただ強いの極地。自然体。



バゴオオォォッ



先ほど、足場を作ったと。腕をぶち込んで説明したが、それはもう違っていた。

そのさらに奥。自らの体が入れるぐらいに破壊し、完全なる足場。戦うには十分な部屋を腕力で作り上げる。


「ふーん」


装甲と違って、中は結構もろい。動物も外からの衝撃に強くても、内からの衝撃に弱かったりするもんね。



水羽は瞬時にアンリマンユの体内から破壊を試みる。この巨大さと可動能力を備えてあれば、構造と強度が部分によって異なっているのは当然。水羽が本気にならずとも、



ガラアアァァッ   ガオオォォッ



内から、あの巨大なアンリマンユが割れていく。さらに水羽は駆け上りながら、アンリマンユを解体していく。恐るべき速さ。



「わああああぁぁっ!!」

「すげーーーっ!あのデカブツが見る見る内に、解体されていく!」

「いや、待て!!」


しかし、割れていっても。住民達には分かってしまう。


「破片がでけぇーーー!!」

「破片でも家一つ分ぐらいのサイズがあんぞ、あれーーー!!」



ドゴオオォォッ    ガオオオォォッ




アンリマンユがフォーワールドに落ちてきて、即全滅という展開は避けられたものの、0という被害にならず。アンリマンユの破片が建物のいくつか。住民達の何人かに衝突し、被害は確かにあった。というか、


「お食事はまだですけれど」

「いや、思ったよりあの落下物がでけぇ。というか、どっかであれを見た事あるんだよな」


ロイはアルルエラを外に呼んでいた。アルルエラはロイの腰に手を当てていて、ヒュールとラフツーはロイのやり方にいよいよ心配になってきた。そして、次の瞬間。アルルエラは"独楽"を発動し、全力でロイを



「空まで自分で飛んでいきなさい!!」

「俺のジャンプより、お前に投げられた方が高く飛べるから良いだろーーー!!」




いや、ライラを最初から使えば良いだろうが!

自分で言っちゃったから、そーいう作戦選んだだろ!テメェ!!



「しかし、何故。上空にロイまで」

「水羽ちゃんと共にデカブツの破壊であるか?」


"超人"ではないし、人としての意見である。



「いえ、あの人も無茶苦茶やりたいだけですよ」



アルルエラには、ロイがそこで何をするかが分かっていた。



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