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RELIS  作者: 孤独
崩落編
519/634

LOVE SPRING⑧


世界の法則、自然、それらが変わろうとする衝撃。激突。



「!重力場が……」


消えた?いえ、変わった?



重力の影響を受けていた夜弧はすぐに気付いた。世界の法則が変わる何かが下で起こった。今も進行中なのかと、


「春藍様ですか?」


やはり、あのダーリヤという男が一番厄介と思っていました。

しかし、ここまで変わるほどですか?すぐに援護に向かいたいのですが、遠くにいることと。私はそこまで、お力になれないかもしれません。

不安な事があります。




◇        ◇



ボコボコボコボコ




その頃、地中を進む一つの生物がいた。岩や泥の中を己の身体能力一つで掘り進み、海に入ったかのような自由さで、地中を行く。



「きゃきゃきゃ」



勇浪だ。

仕方なく、ダーリヤの方へと進んでいく。地中を通りながら進む事で発見される可能性を少なくした。春藍とダーリヤの大激突に、地震、地割れはお祭のように現れる。勇浪の、音を聞いたり、地中を潜っている跡。見れば分かるものだ。

それすら気付けないほど集中し、激しい戦闘。



「きゃ」



春藍の隙を突く。

自然に生きた彼ならば、それは可能であるが。


その後の、ダーリヤを止める手立てがない。間違いなく、殺される。あるいは巻き込まれて殺される。彼の表現にしては珍しく、次元の違うなんて感覚。

地中にて、勇浪は2人の決闘を見守った。




「"大地鳴動"」




春藍は地を造る。

そして、自らの体に内臓された兵器の数々を見せる。通常、生物においては絶命するであろう、兵器の稼働に標的を抹殺する武力。避けずに来ると、分かりきってぶっ放す。


「ふんっ」


ダーリヤは避けずにそれを真正面から進む。銃弾や炎を受け止めて、平然と機能してしまう肉体。


身体能力という一点ならば、ついにパイスーと桂を上回った。

今のダーリヤの急速な成長は、人間の成長とは異なっている。

蘇ってくるという奇妙な成長。記憶、記録。脳に刺激され、筋肉や内臓器官、骨格。変化を始めていく。春藍の体にダメージを与える脅威の肉体の成長。



バシイィィッ



"超人"にある、精神的な部分からによる身体能力の成長と見るか。

それはお互いにNOと、



「辿りついたか?」


ダーリヤの言葉に春藍は、……


「そーかな?」


ボロボロになるほど打たれたとはいえ、ついにダーリヤの拳に握り止めた。

成長するのは、ダーリヤだけじゃなかった。


「俺の知る限りだが、ロボットというのは与えられた機能のみを完璧にこなすそうだが。お前はどっちだ?」

「人間だよ」

「兵器を体に抱え、超越した創造を生めてもか?」

「なら、僕も訊くよ。君も人かな?」

「お前よりも人だ。いや」


どちらも化け物と見るべき諸行であるが、人がどちらかをとるか。


「俺は人の進歩に立つ者」


春藍のように科学と共に歩んだ進化が人類か、ダーリヤのように人という枠をぶち壊してまで成長するべきなのが人類か、あるいは朽ちるのが人類か


「人は進歩していかねばならん。でなければ、世界のどーこうも乗り越えんだろう」


捕まった手を振り解き、返しに繰り出した別の拳が襲い掛かった。

人間の進歩の一つか、超越した身体能力からのアッパーカット。春藍は身を引いて避けたが、上空に亀裂が走る。驚くことも、怯えることも、こいつに隙を見せれば。

春藍は左手首を外し、その穴から高出力のレーザーをぶっ放した。お互い様ではあるが、




ドガアアァァッ



「………手応えあるんだけど」


春藍とダーリヤの差。

耐久力と回復力を兼ね備える春藍に対し、その2つを足してもダーリヤの方が上回っている耐久力。さらには防御力。

未知の物体の塊とでも言うべきか、単純な頑強さのみで春藍の攻撃の全てを耐え切っていること。



「熱っ……っ……。ふーっ」


進歩の塊か。回復こそしないが、耐性ができていくのが早い。

今の彼には銃弾も通らぬどころか、弾き返されるだろう。単純な強さこそが、強さという人の理。その頂点か

科学などの、技術を持っての人間の進歩か。

生物として、生態の成長によっての人間の進歩か。


2人の戦いは人間の進歩を表すもの。



ドゴオオォォッッ



「ふあぁっ!?」

「俺は拳の方が楽なんだがな」


単純な殴打の破壊力を研ぎ澄ませ。春藍のレーザービーム以上の破壊力にする。遠距離の攻撃にならなくても、ダーリヤの拳闘の間合いを考えれば距離など大した問題ではない。範囲ぐらいが、レーザーに劣るぐらいか。

連続性も持続性も、レーザーをぶち込むよりも、何千発と何時間も放てる拳が優る。



科学技術の多くは戦争に使うため。しかし、武術の多くは戦闘に使うため。



「!!」



かかと落とし。ふつーは……



バギイイイィィィッ



大地が割れるなんてありえないけれど、彼等はそうなんだろう。

完全に避けていても、打ち込んだ後の衝撃波が体の芯に響く。痺れる、そのわずかな一瞬で




バギイイィィッ



「!!」



春藍の左胸を貫くダーリヤの肘打ちが炸裂した。修復力を軽々上回る破壊力と、隙を見せない攻撃時間。勝利を目前としたら即座に手繰り寄せる。弱きを挫くと同じく。



バゴオオォォッ


寝かせつけるにしては乱暴そのもの。上からの張り手で春藍を地面に叩きつけ、抜け出させない。次に頭脳の差をつけるかのように



バギイィィッッ



「頭突き!?」


痛みを受け取っている間に、がら空きになるにしては短すぎる時間で、



ボオォォンッ



「!!」

「勝負と生きるは、一瞬のことだ」


手刀。にしては、切断面が刃物より鋭く、レーザー光線で切断したかのような巨大さ。それを地面につけた春藍の首を真っ二つにし、2人共さらに下へと落ちて行く。



「数、強さ、勝利、……貴様等にそれらがあろうと、この俺を超えることはできん」


春藍の体はほんの一瞬にして、五体満足の体が無残に散らされた。

ダーリヤの覚醒が、人類の先を選ぶか。

はたまた……。



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