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RELIS  作者: 孤独
本音編
477/634

○○○ま○○き

個人的な話をここでしよう。作者としての意見。


「暑いですね。アレクさん」

「そうか?俺は嫌いじゃねぇ。寒い方が嫌だな」

「あんたの能力は炎だからね」

「熱いのに慣れてるわけですね」



なぜ、今まで砂漠の異世界がなかったかというと。苦手とするキャラクターがあまりにもいなかったからである。(引き出しも少なかったという反省もあるが)それは砂漠に住む人々にとってはおかしい指摘があるかもしれないが、基本的にこいつ等が砂漠に強いのだ。

砂漠のデメリットの暑さと、渇き、砂の地において、アレクは特に意識もしない。



「あたしは嫌ね。こーゆうところ……」

「私もです」


女性にとってはやっぱりこーゆうところは凄く嫌だ。


「僕も好きじゃないですね」


春藍も、今回は来ていないロイも、この地は好まないだろう。


「見渡す限り何もないところですよね。砂ばっかり、何か記念に建造物でも造って良いですか?」

「力の無駄だから止めておけ」


とはいえ、春藍の"創意工夫"と内臓された"テラノス・リスダム"を用いれば、砂漠ほど自由な改造や土地変動ができる異世界はない。容易に強力な武器の練成や、堅牢な要塞なども造り出すだろう。それだけの強さがもう春藍にはある。

戦闘が起こったら、春藍を止められる敵や障害は相当なものでなくてはならない。


「暑いのは嫌だわ」


ライラは、この雨も降らない異世界であるのに傘を持ってきていた。しっかり4つ分。そう。



「日差し、雲で隠すのと雨も降らすわよ」

「分かっていましたよ」

「そっちの方が良い」

「涼しい方がいいよね」


何より問題だったのが、ライラの能力。"ピサロ"である。魔力を雲にし、天候を操る能力。室内や洞窟といった密閉空間では、その能力が半減したり。遮蔽物の多いところや仲間ごと巻き込んでしまうという難点もあるが。

天候に勝る生物などまずおらず、遮蔽物がまずない砂漠ではライラの天候からの攻撃は避けようも防ぎようも無く、近づくことすらできずに敵は瞬殺される。彼女の強さは場所によって、大きく変動し、それをMAXで扱える砂漠の地においてはアレクを軽く凌げる強さを誇るといっていい。


事実、この異世界で戦闘をしたら。ライラ、春藍、アレク、夜弧という順番の強さかつ勝率と言っても良い。アレクが人間の中で最強クラスであり、その上に2人ができてしまうのだから……。



まー、何が伝えたかったかというと。敵が作れなかったからしなかったんだ!!




ポツポツ……



バサァッ


「このくらいの雨で良いかしら?」

「ああ」

「大分、涼しくなった」


4人は傘をさし、珍しくこの地に降る雨の中を歩いていく。


「道路くらい作っていいですか?歩き辛いですよね?」

「力の制御できんのか?」

「その練習も込みで、試したいんですが」


春藍はクォルヴァから得たこととは別に、まだ慣れ切っていない"テラノス・リスダム"の制御をここで練習する。手袋型の"創意工夫"ならば、地面に両手をつかなければいけないが、"テラノス・リスダム"を併用すればどこでも変化が可能になる。



ビイイィィィッ



砂地を固めて、色にそこまでの変化がないものの。歩きやすい感触になっている。


「おお、歩きやすいな」

「春藍様の気遣いも嬉しいですね」

「ま、あたしだけ苦労するのもおかしいものね」

「えへへへ」


そーいうところも、こちらとしてはマイナスなんですよね。

ホント、もっと、こう。苦労しろ、テメェ等!!




◇     ◇



管理社会の礎。それよりも元凶の1人と言って良い。

人間が管理されるべき世界であれば、砂漠という非効率性な土地はあっても仕方がない。恵まれた資源があるというわけでもないし、そもそも人々など住んではいない。

だから、彼がそこで待っているのだ。

そこは



「魔物達の巣窟と?」

「ああ。やはり人間や管理人を配置するよりも、根本的に力のみで生存してくれていた方が良い」


"砂地獄"ディン・ザ・バルハン。


若はフォーワールドに帰還し、その実状をクォルヴァに聞いていた。


「危険生物の宝庫であり、彼等が守護者でもある。そこから繫がる唯一の異世界に、私"達"の求める人がいる。少々、気が難しいし。管理人でも彼のことを知っているのは、7人くらいか」


クォルヴァは指で数えながら、頷いた。


「私に、桂、ポセイドン、蒲生、朴、クロネア……それと。彼か」

「彼?」

「春藍君達が会えば分かることだ」


連れて来れたら分かること。若はもう一つの心配を気にしていた。


「しかし、危険生物の宝庫か。あいつ等、大丈夫かな?」

「並の実力者じゃ殺される可能性が高いんだけどね」



◇    ◇



そんな心配をする若とクォルヴァであったが、

4人は、それはもう、暴れ回った。襲い掛かってきた大型の魔物。


「わー、大きな蠍?がいますね」

「毒には気をつけろ。致死性かもしれない」

「離れて戦えば余裕よ。はい!」



姿を確認した次の瞬間にはライラが雷を落として、再起不能。

続いて、砂地が渦巻いて造り出す蟻地獄を発見したら。



「ここ。固めておきますね。渡れないや」

「まったく、邪魔ばかりしないで欲しいわ」



春藍の"創意工夫"で砂をコンクリートに変化させ、安心して通れる道に変えていく。砂の下にいた魔物も一緒に固まってしまう。


「私達、することがありますかね?」

「いいんじゃねぇか?任せて」


そう言いながら、夜弧とアレクは傘を見るように曇りがちな空を見ていた。




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