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RELIS  作者: 孤独
春藍慶介編
342/634

ここまで来てようやく、明かしたいことを書くとワクワクした

桂が逝く、十数秒前だった。



「ライラ。お前は覚えているよな?」

「え?」

「ここにある場所。"遺産もない図書館"」


死の直前に道を授けたのは選択をライラ達に任せたからだ。ここであーだこーだと言えば、人類の進歩にならない。


「そこへの鍵をやろう」



投げ渡される鍵をもらったライラ。かつて、桂には内緒で入ってこの"無限牢"の存在などを知りえた場所。かつての人類達の記録、管理人の記録が詰められた場所。まだ、ライラはその全貌を知っていない。

渡された瞬間、ライラは驚いて別れる桂に聞いてしまった。


「えっ!?いいの!?私なんかに!?」

「拙者は管理人を辞めるからな。好きに使え」



新たなステージに行くには選択が多い方がいい。少しでもそこにある物が役に立てば嬉しいと思う。そこでライラ達を待っている奴もいる。


「それから、お主達は知っているか?」

「なによ?」

「管理人ナンバー:001の者を」



管理人は全員消えた。……と、思われている。少なくとも、夜弧とアレク以外には


「ポセイドン様、桂さん、龍」

「蒲生、フルメガン・ノイド、リップル相馬」

「朴、ベィスボゥラー」



5人、冷静になってナンバーを保持していた者について考える。よく考えればこの五人にはそこまで繋がりがなかった管理人が1人いた。


「あ、……ポセイドン様は002。でしたね」

「てっきり、最高位だから001だと思っていました」


とても重要なことである。

桂はもう待てないし止められないと決めて、最後に残ってもらった管理人をライラ達に伝えた。



「管理人ナンバー:001。"人類存亡の切り札"、”RELIS”を生み出した管理人」



メッセージと同時に桂は”一刀必滅”で腹を突き刺した。



「その名は、クォルヴァ。必ず、お前達の力になってくれる」



逝くには駆け足過ぎたかな?死を止められないよう、導を最後にしてしまった。



…………………………………………………………………………




【桂の選択は間違っている】


時計仕掛けの小部屋だった。

桂を待っていた男はとても強面な表情で、イカついていた。どこかの誰かとよく似ている口調と、顔の形だった。



【なぜ、”時代の支配者”に従った?】



その顔が通常営業なのだから仕方がないことだ。桂は男を見ることなく、ただ向こう側の壁を見ていた。


【答えるんだ。桂。どうして……】

【いつからあんたが拙者の上に立っている?】

【……いや、それは】


表情に反して、押しに弱いというか。この男、強面の割りに


【済まなかった。感情的になってしまった。俺は戦闘向きな者じゃない】

【顔、作り変えた方がいいな】


全然、戦闘力というのが備わっていなかった。

”雷光業火”すらもう使えない桂にビクつけるほど、ハッタリのみの男。


【拙者は消えることにした、ポセイドンは消した。残るのはクォルヴァだけだ】

【しかし、続けるが。”時代の支配者”に従うというのか?時代は確実に傾いたぞ】

【心配症だな。その不安も分かるが、お主も、”時代の支配者”も、表舞台に立てる舞台がなければならない】



管理人達は”時代の支配者”の存在に気付いていたが、問題の誰かが分からなかった。時代の中に潜んでいるそいつを引っ張り出すには



【奴の時代にしなければいけない。そこで討つ以外の選択はない。でなければ、永久に拙者達は奴に怯え、人類の進歩に繫がらない。奴の毒牙の一つだった】

【では、戦える準備ができたと判断していいんだな?】


男の質問に答えられない桂。

しかし、男には桂の答えが分かったようで


【未知数と、好印象で捉えるべきなのか?】

【拙者が一度戦っていれば分かるのだがな。仕方がない】



寄ったこの小部屋は何か特別なところである。どうやってここに来たのか、話している相手が誰なのか。


【そろそろ消える。また1人で大丈夫なのか?】

【心配はない。かつての時代から人間の一人として俺は待っているんだ。孤独には慣れたものだ】

【羨ましいな。拙者は孤独が辛い。あの世で気の合う者を見つけよう】


前世でも、管理人としても、戦いに明け暮れた。相手がいなければ始まらないのが、戦いというもの。1人の戦士として、これから始まる時代を掛けた戦争に参加したいものだ。



ゴーーーーンッ


【また24時の鐘だ】

【……………】

【立ったまま、逝ったか。管理人の宿命だと理解してくれるとはな】




管理人ナンバー:003

圧倒的な戦闘力を秘め、管理社会を真に解放した者。最強であるが、比べることが不可能なところに逝ってしまった彼。人類を人類に託し、この世を去る。




サヨウナラ……。



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