復活を知らせる雨
名前:ポセイドン
管理人ナンバー:002
通称:管理人最高責任者
スタイル:科学
スタイル名:テラノス・リスダム、など、など。色んな科学を所持(制作)する。
『もうすぐだ。もうすぐだぞ』
スタイル名:テラノス・リスダム。
異世界型の科学。ポセイドンが保有する最強の科学。世界を構築する科学。気体、液体、固体の変化はもちろん。光や音、触感などの変化。自然を変化させることもできる。人間も生成することができ、自分自身も作り出せる。創造における最強であるが、どれもが壊れやすい欠陥がある。
あまりの巨大な科学であるため、科学に適応できる者でも使用することができる。ただし、ポセイドンが本来の持ち主であるため、連続して使うことや精密な存在を創造するのは容易ではない。
『頂点にいる者が、我だということ』
世界丸ごと一つが、科学。超規格外。
これを理解していなければ扱うことは不可能。そして、これほど巨大……と、言って良いのか分からないほどの大きさだ。
破壊は間違いなく不可能。ありえない規模だ。
桂も想定していないし、それを考える余力もなくなっている。ポセイドンの追撃をギリギリで対応するのみ。
『まだか、アレク殿。さすがに限界が来ているぞ』
時間は分からない。状況も、追われていることしか桂には分からない。
情報を遮断しただけで決断力は大きく削がれる。そして、選択を狭められる。世界の広さを知るのはいい事だと知れる空間になっている。
桂はどうすれば状況を知れるか、模索している。すでに出しているのか、もしくは出し終えているのか。
『さっきの炎が点けば分かる』
アレクの合図を辛抱強く待っているが。さらに待てと、感情をむき出しにして身体を抑えている。
きっと帰ってくる。あとはそのメッセージを必ず、逃さず掴み取ることだった。
光も、音も、匂いもない世界に放り込まれて受け取れるメッセージはあるのだろうか?
そして、メッセージを飛ばす側はいかなる手段を用いるだろうか?
ポセイドンはタイマンだと確信している。桂はわずかながら希望を信じて、劣勢を続けている。打ち砕かれるのはどちらか?信じる気持ちが強い方か?
ぽつぽつ……
『雨だと?』
『!?』
さて、相手の情報を封殺、もしくは誤認する能力には弱点がある。
酷く単純なのであるが、それはまったく逆の能力である。なんらかの手段で情報を引き出せる能力があればたとえ、光や音、匂いがなくても関係のないことである。
ポセイドンは動揺した。一方で桂はこの雨を知っていた。
ザーーーーーーッ
強まる雨。濡れる桂とポセイドンの身体。
メッセージにしてはとても簡素なものであり、同じアプローチを受けた桂とポセイドンであったが、意味合いは違っていた。
『ま、まさか!そんな馬鹿な!』
『やったな。アレク殿』
情報を頂いた。情報を知られてしまった。
ポセイドンにとってはもう一つの天敵の復活。光も音もない稲妻が直撃し、身体を裂かれて焼かれる。
『かぁっ』
自分の体が燃える。反応は大分遅れたが、喰らう前に覚悟はできていた。
蘇ったが、戦力として数えるには不安定な威力。不意の一撃で、わずかに怯んだのみ。
『まったく。どーゆう異世界なのよ。声も聞こえないし、何も見えない』
『ライラーー!アレクさーーん!夜弧ーー!ロイーーー!……ダメだ。全然声が出ないよ。何も聞こえないよ、何も見えないよ』
『……俺、生きてんのか?やったのか、あの野郎が……』
位置を悟られず、雲を上空へ撒き散らした。
"テラノス・リスダム"によって、アレクの力によって、死から蘇ったライラ、春藍、ロイ。
春藍とロイは間違いなく戦力外であり、お互い近くにいるわけじゃないため連係プレイも不可能だろう。しかし、ライラは別。位置が分からないポセイドンにとって、ライラの存在は邪魔であり、討ち取る手段がない。
『とりあえず、援護はしたんだからね!桂!』
封鎖された情報の中で複数を相手どるのは困難。ましてや、片方は桂だ。わずかにロイと戦っただけで、攻めに転じた奴だ。
ポセイドンが雷を受けて、桂に攻め込まれなかったのは奇跡だった。
だが、奇跡は二度と出ないはず。
『くくっ、ははははは』
このまま続ければ討たれるのはポセイドンだ。先ほどまでなら、桂を討ち取るのには時間の問題だったはず、間違えたのは
『アレクか!?あの……いや、我の弟子だな。その頭脳、その狡猾さ』
裏切られたという気分はなかった。
それで結構だ。所詮、弟子と言うが。心の底では実験台、もしくはバックアップと蔑んでいた。
だが、この状況で打てる手はない。創造力では補えない。
「止めだ」
やはり何かを成すことは簡単ではない。それが大きな野望ほど、想定通りにはいかない。むしろ、想定外と戦う時だ。桂を封じることばかりを考えていたが、侮っていたのは桂の協力者達だった。
戦う上では数にならんが、情報戦では不利だ。
ポセイドンは自分の情報力を上げるべく。音と光、匂いを復活させる。
当たり前の世界に戻した。
「むっ。光と音が戻ったか」
ライラの攻撃からコンディションを予測。
蘇った3人がこの状況で戦力になるとは考えられない。桂の援護はそう簡単ではない。数を削ぐには、手段はなんであれ戦力を消すことだ。
ポセイドンは危険を承知で桂と本当に戦うつもりだ。自分の陣地ではなく、他者の陣地でやり合う覚悟。とうにしてきたから、特別なことも抱かずに選べた。躊躇のない選択ができるのは……