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RELIS  作者: 孤独
ライラ・ドロシー編
307/634

一騎打ちと暗殺

合図がきた瞬間。

彼は雷を察知し避けつつ、ライラへと走った。速攻で潰そうとする狙いだった。



「ざーんねん」



当然、ライラは合わせる気がない。この土砂降りが自分のフィールドであり、より求めるところへの移動を始める。雲に乗って上空へと逃げる。



「一方的にやれる」



相手の射程外から抜け、自分の張った雲よりも高い位置に逃げ込んだ。


「本当の恐怖はここからよ」


雷雲が唸る。


「飛雷雨」


仲間もいる状況で道連れを狙った戦略をとるとはさすがに、3人共ビックリであった。

雷が無差別に落ちまくり、土砂降りの中で光と火を生み出した。



ドゴオオォォッ



「ぎゃああぁぁっ!私まで狙っているのかーー!?雷を落としてきたー!」


ライラが戦っている相手が強かったという理由だ。タイマンは望んでいるが、仲間を守りながら戦うというのは難しい。加えて、自分の協力者であるラッシと夜弧が戦おうとするなら、わざと巻き込んで戦わせない道の方が楽だ。



「やろぉ。先に死にてぇのか?」



ラッシは重傷の身体ながら、身を隠すことに成功する。夜弧も同じくだ。

生物に直撃すれば即死に近いが、建物などを一発で破壊するものではない。この建物が多い場所ではライラの攻撃が届かない場所もある。



「天候に逆らえんと人は言っていた。だが、それを乗り越えるのが人間の道だ」



建物に入った彼はそこから、"紅蓮燃-℃"を発動する。ライラの天候よりも建物を破壊する能力が高く、破壊しながら天へと昇る炎の龍を作り出す。

土砂降りにも負けずに炎の龍は昇っていく。その龍にたらふく水を食わせようと、ライラよりもさらに高いところから氷塊がやってくる。



「流氷群!!」



隕石の如く、雲を突き抜けて落とされる氷塊。その数と大きさは、炎の龍を軽く超えている。



ジュアアアッ



食わせるというより、物理的に撃墜されたように消滅する炎の龍。氷塊の勢いと数は止まらずに地面にいる3人に襲い掛かる!



「本気だ!あの女、本気出してる!」

「戦いどころじゃねぇ」



夜弧とラッシは身を守ることで手一杯だ。ライラの狙い通りとも言える。天候は雨や雪だけではなく、気温までも調節し始める。薄着では凍えるほどの気温になってきた。


「寒いな」


飛んで来る氷塊を前に、彼はライターを取り出して炎を灯した。バズーカでは対応しきれない数だからだ。



「冷てぇもん、掛けてくるんじゃねぇ!」



今度は彼の炎がライラの氷を全て熔かし、液体を飛び越え気体へと変わらせる。多様な天候を操るライラと、炎という一つのみを極めた者。

2人の戦いは思った以上にヒートアップしている。お互い、強烈かつ痛烈な能力だ。しばらくの間は膠着した戦いとなった。



「ライラには悪いけど、私には私のするべきことがあるの」



派手な一騎打ちとは異なり、静かな暗殺劇を作ろうとする夜弧。

ひとまず先に敵を倒してライラと共に戦いたい。今、こうして派手に戦ってくれるのだから、ラッシは夜弧の位置を見失っている。無論、夜弧だってラッシの居場所を正確に覚えているわけではない。予想を立てて動いている。




バリイィィッ




ライラが動くなっと、伝えるような雷をものともせず。夜弧はラッシに近づいていく。被弾しないよう遠回りをしながら、ラッシのいた位置まで向かう。

一方でラッシはさすがに限界だったのか、身体を起こすことが難しかった。



「くそったれが……」



負わされた傷がやはり重いのだ。体は身を隠すことだけしかできない。魔力も、あとお互いに一発ずつ、雷と竜巻を起こせる程度。

動けないというリスクを負っているが、待ち一辺倒となって殺しに向かう夜弧にとっては少々厄介なものとなった。



バヂイイィッ



「ぐぁっ……」



一方で、彼はライラの雷をついに被弾した。

やはり陣地の差が大きい。今まで雷を避けていた身体能力が凄い。また、そこから再起できる回復力はただの"超人"ではなかった。



「くそ!雷は炎じゃ消せねぇ!」



ライラの雨はまだ強い。雷ばかりでは建物に逃げ込まれて決定打にならなかった。そこで使われる"流氷群"だが、これは彼の炎の前に熔かされる。

派手に戦いながらも、ここまでは本当に僅差の戦闘であった。



「障害物がなければ終わったのにー」


こんなにも荒れている戦いであるが、全力で戦い続ける我慢比べだった。

ここの局面が変わるよりも先に夜弧とラッシの戦いが終わりそうだ。



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