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RELIS  作者: 孤独
ライラ・ドロシー編
306/634

役割②

多くの異世界が分断されている"無限牢"

そこで暮らしている人間、魔物、多様な生命体。そして、そこの異世界を管理する、管理人。


管理人に製造ナンバーが存在するように、管理人は人間に対しては極秘としているが、生まれてくる人間達に番号を振っていた。これは人間の繁栄を簡易的に知るためのルールだ。



どこの世界で生まれ、どの日に生まれ、どの町で生まれ、どの親から生まれたか。



初めて出会った人間の個人情報の一部を抜き取ることができる。それ以降は抜き取れない。

この機能によってどの異世界が優良であったり、全人口を知る事もできたり、亡くなった人の数も知れたり、"無限牢"が誕生した時からどれだけ人間が生まれたかもキャッチすることができた。

どんな完全犯罪でも、必死に隠れて子供を生んでも、数だけは管理人に知られたのだ。

管理という仕事には情報は必須であり、管理人はこの情報を自由に共有することができる。(グルメなど人間から管理人となった者は例外)



「はぁっ!?」



ラッシが夜弧を観て知った情報は、システムエラーだった。

こんなことは絶対に起きない。人間じゃないならエラーすら起こさない。"無限牢"にあるデータ内には、夜弧という人間がいないと言っているのだ。

"無限牢"内で生まれたなら人間の誰だって振られる番号が、ない。



「どーゆうことだ!?」



再度の"どーゆうことだ"……だが、二回目は答えを絞ることができた。

エラーは肯定であると、ラッシは感じた。




つまり、夜弧は"無限牢"の中にある異世界から生まれてきた人間ではないと認めた。



「管理外の人間か!?」


そんな奴等がいるなんて誰からも聞いた事はない。"無限牢"の外側にある記録は誰も持ってはいない。

また、夜弧はそれ以上のことを話す気もない。



「考える時間はもうないさ」



彼もライラも、戦闘体勢に入った。悩んでいる暇のない命の取り合いが始まった。



サーーーーッ



炎の海を鎮火する雨が降り始める。


「状況としては……」



ライラは、夜弧とラッシの仲間であり。彼の敵である。

彼は、夜弧とラッシとは仲間ではないが、優先順位としてはライラが一番の敵であった。

夜弧は、ラッシと彼が敵であり、ライラが味方であった。

ラッシは、ライラが味方であり、他の2人は敵と見なしていた。



この変則的なバトルロワイヤルの中で、タイマンという状況となっているのはライラのみ。彼女の優位は大きい。

よって、戦闘の開始は彼女の"ピサロ"から始まったのは当然だった。雨で鎮火することも狙いではあるが、もっと雲を作りたいという狙いもある。ここで三人の内、誰かがすぐに動けるようなら恐ろしい強者であるが、それはなかった。



「ライラは私を狙わない」


なら、このまま。ラッシと私で彼を牽制しながら、ライラを援護する。



夜弧とラッシの思惑は一致する。彼を除いて、全員が"魔術"の使い手であり、わずかでも魔力の回復を狙っている。

彼にとってはライラを中心としているが、夜弧とラッシも侮れず警戒がもっとも強く出していた。攻め時はなく、受ける側となっている。



「…………ふん」



ラッシはライラに俺を任せたいと感じたぞ。となれば、図はバトルロワイヤルから一変する。少しだけ融通が利けばピンチになり得たかもしれないが、結局は同じ。

1対1が2つできる。ライラの攻撃が始まったら、即座にライラと戦えばいい。向こうもそうするだろう。ライラを倒したら迷わず、余力がある夜弧を潰す。


それでお終いだ。



「はぁっ……はぁっ……」


この牽制中に考えて。

あの女の"正体"が掴めてきた。それは管理人にとって、あってはならない存在だ。ここで消す。ライラの仲間という印象も見えるとなれば、ライラが奴と戦ってる時にあの女を始末する。

それしかねぇ。ポセイドンの手にでも渡ればなおのこと危ねぇ。



全員の考えが纏まったところで戦闘が始まる。それと同じく、炎の海はもう残らないほど鎮火されていた。


ライラは雨を強くしながら、雷を無数に落とし始めた。




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