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RELIS  作者: 孤独
ロイ編
295/634

5年ぶりに出会った人は顔が結構変わっている事が多い

「あの馬鹿。動かなくなったか」



ダネッサの敗北は音と光、衝撃によって探知できた。彼の破壊力を持ってすれば他の戦場にも分かるほど、派手に戦っているだろう。



「これでこっちの残りは2人か」



ブライアント・アークス側の、残る2人はダネッサが離脱したことを理解した。

一方で春藍側も彼女によって結果を知る事ができた。



「やった!夜弧がダネッサを倒した!」


ライラの雲はすでに広範囲に撒かれ、地形や戦況を細かく知る事ができた。また、敵に向かうよりも先にまず春藍との合流を目指した。



「春藍ー!」

「!ライラ!!あ、雲に乗っているんだね!」


空から地上を走っている春藍に飛んできたライラ。無事であることにホッとして、とりあえず抱きついた。


「よかったー!無事でよかったわー!」

「ライラも平気?」

「当たり前でしょ!」


すぐに離れて春藍に状況を説明する。今、自分達が向かっているところにはロイがいること、同時に敵が1人いること。ラッシが交戦中であること。夜弧がダネッサを倒したこと。

この場でやるべきことは春藍と共に、こちらに来る敵を倒す事。



「というわけ。分かったわね?」


まだ距離はある。遮蔽物も多くあることから戦闘を行う距離ではないと、ライラは判断していた。ライラの"ピサロ"は高い威力を備えているが、破壊力という点は並。この世界は大雨や暴風でも壊れそうにない建物が並んでいる。



ガジャアァンッ



性質の違いが読み違えた敵の戦闘の間合い。



「殲滅☆抹殺☆」



新入りの索敵能力はライラと同じほど広範囲であり、遮蔽物があってもそれは変わらない。また、遮蔽物があっても彼女は破壊しながら敵を狙うという殺戮マシーンであったこと。

両腕が生えるように現れた巨大なミサイル群は、ポセイドンによって内臓された武器。彼女の体積を超えるほどの量の武器がどうやら体内に入っているようだが……。一体どうやって入っているのかは能力だとか、そんなので決着がつくのかもしれない。



「死ねぇぇぇっ!!」



ミサイル群の発射音と建物を破壊していく音は、同じくらいであった。

自分も、自分の破壊活動で巻き込まれてもお構いなしの量と扱い方。ドミノ倒しのように、ライラ達にめがけて破壊が続いていく。



ゴゴゴゴゴゴゴゴ



「春藍、捕まりなさい!」



押し寄せてくる攻撃に対し、ライラは春藍を連れながら雲に乗って上空に逃げる。間一髪逃れ、春藍は下を見た瞬間。息を呑んでしまった。



「っ!」



逃げ遅れていたら助からなかった破壊力。頑丈な建物が焼け熔けており、上空にいても熱気が伝わった。後ろを振り向いて、夜弧やラッシの心配をした。

その不安を取り除き、なおかつ。目の前に集中するようライラは結果を教えた。


「大丈夫。2人共、生きてる」

「!ライラ。ありがとう」

「あたし達の相手はあいつよ。見える?」


立ち上る炎と煙から敵を肉眼で見る事は難しい。雲に乗っている状態は相手にとっても分からないはずであったが、新入りには分かっていた。

空中にいることは反則とも思えるが、兵器を扱う彼女にとってはむしろ好都合な位置にいてくれた。



「あはははははは☆」



上空に向けて繰り出す大量の破壊兵器。容易くライラの雲を焼き尽くし、消滅させる破壊力。



ボオオォォッン



爆弾で人工の汚い赤い雲を作り出すほどの激しい攻撃。ライラ達にターンを与えないほどの猛攻であった。



「まったく、なんなのよ!?あいつ!あたしの雲まで吹っ飛ばすなんて!」

「凄い撃って来た……」


一度上空に逃げたライラ達であったが、すぐに地上にダイブして砲撃から逃れた。

近づこうにもあれだけ激しい攻撃をされれば近づけない。


「ライラ、霧とかで視界を奪えないの?このままじゃ近づけないよ」

「あら、随分なことを言うようになったわね。けど、粉塵や炎であたし達が見えなかったはずなのにちゃんと狙ってきている。あいつにはあたし達の位置を完璧に見抜けるのよ。霧を張っても意味がないわ」

「そ、そうなんだ。ごめん。僕にはまだそこまで見れなくて」

「いいわよ、別に。嬉しくもあるよ」



春藍の言葉の成長の喜びは後にして、確かにライラももう少し接近した方が良いと考えていた。あの近くにはロイがいる。早く春藍をロイの元にいかせてあげたいところ。

二手に別れるという作戦はあるが、春藍の防御力と回復力を持ってしても、あの兵器の前じゃやられる。避けるには傍にいた方が良い。



「んー……手荒に行こうか」



"テラノス・リスダム"の破壊まで、温存も考えていたライラであったが。敵の戦力を目の前にして全力で叩いたほうが良いと判断した。



「"科学"には雷が有効だもんね」

「うん!大抵の"科学"は電気に弱いよ」



雷雲を多めに発生させ、相手の近くまで飛ばしていく。天候を駆使する攻撃はほぼ真上から撃ち落される。



「春藍、強度のある壁を作って」



ここが"科学"の世界であり、春藍にとって周囲にある建物は上質な素材に変化させることができた。"創意工夫"で変型させ、自分とライラの身を守る要塞を製作する。

一時的であるが、新入りの兵器攻撃を防げる状態は整った。



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