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RELIS  作者: 孤独
ラッシ編
282/634

お前はそーゆう奴じゃん?

「それでどうするの?」


ライラは一回だけ質問をする。しかし、腹の中は決まっていた。



「ポセイドンがいる世界にいける"科学"は、ここには4つしかない。つまり、誰かがここにいなくちゃいけない」



春藍、ライラ、ロイ、ラッシ、桂。

この中から、戦場を考えての精鋭4人を選ぶとなったら……。戦力を考えれば桂は大本命。柔軟かつ回復もこなせる春藍が次点。広大な戦闘範囲、索敵能力も高いライラが次。


そう考えるはずであったが、ライラが宣言する。


「アンタが残りなさい」


彼女が指差した相手は……


「拙者が?」

「そうよ。実際、桂だってこれを使いたくないでしょ?」



ポセイドンがわざわざ居場所を教えてくれているが、どう考えても使えば罠があることは明白だった。


「少なくとも位置は知られる。奇襲が得意な桂にとっては最悪でしょ?」

「失礼だな。……しかし、拙者もそう思っていた」



戦略の話はした。

しかし、そんなのは関係がない勝負の決め方がある。


「拙者の"雷光業火"で奇襲が決まれば、"テラノス・リスダム"など敵ではない」

「敵として戦ってから、それは言いなさいよ」



命の取り合い。タイマンはその手段でしかなく、正攻法も奇襲も必殺にこなせる。

ライラは桂を選んだ理由はまだある。


「桂はポセイドンの前に消耗して欲しくないし、桂とラッシは管理人。異世界の場所さえ判れば移動できるんじゃない?そーゆう"科学"はあるでしょ?」



桂がこちらのジョーカーであり、管理人であるからこそ。ライラ達が先陣を切ってから桂を踏み込ませる。

可能であるならばそれが最良の選択。不安があるのは……



「ポセイドンともいきなり戦うかもしれんぞ?」

「覚悟するしかない。少しでもダメージを与えることに注ぐのよ」



ライラ達側に死者が出る確率が高くなる。しかし、勝つためには死者の云々なんて計算はできない。桂を無事にポセイドンのところまで届ける。それがライラ達の役目でもあった。



「春藍、ちょっと」

「な、なに?」


ライラは春藍を呼んで耳元でお願いする。


「夜弧にポセイドンのいる異世界を教えてきなさい」

「え?」

「春藍にしかできないわ。ほら、行ってきて!」



春藍の背中を押して、夜弧への伝言を頼んだライラ。自分の話が長くなるため、桂もラッシも足止めできる。彼女は管理人とは出会いたくないって言っている。ナイス判断であった。


「帰りに飲み物を5人分持ってきて!」

「ええっ!?」

「で、続けるわよ」


春藍が部屋に出てから話を再開するライラ。何かの企みを一掃する言葉を添えて話を続けた。


「ともかく、使えば罠はあると思うの。でも、使わなきゃ私とロイ、春藍は行けない。私達はこれで行く」



どんな異世界かも分からないが、事前に話せることは多くある。

まず、その異世界に辿り着いたとしても、みんながバラバラの位置に落ちるという予測。そうなった場合、4人は敵と戦うよりも先に合流すること。

もう1つ、敵の情報を共有すること。

ポセイドン、ダネッサ。この2人は敵として確定。もう1人は、あの黒い龍の仮面を付けた大男(博士)。こいつはライラもラッシ、ロイも対峙しており。生き残っている可能性が高いのは分かっていた。


「ふむ……」



桂は"彼"のことを考えながら、ライラ達にも情報を流した。



「最後の1人は女だろうな」

「女?」

「拙者は斬ったつもりであったが。ともかく、あのメイドも強いな」



新入りの姿を伝え。ともかく、敵の姿というのは大体分かった。

向こうもポセイドンを経由して、能力を伝えているだろう。


「た、ただいま~」

「あ!おかえり」


話が纏まってきたところで春藍も戻ってきた。夜弧に伝言をし、飲み物まで買ってきてくれた。夜弧がどのように異世界を移動しているかは分からない。ここまでできるのかも怪しい。しかし、望みはあると思っている。



「拙者が後から行くわけだな」

「不満あるの?」

「いや、都合が良い。言っただろ?拙者にも寄るところがまだあるのだ」


作戦は決まった以上。決行するにはもう少し緊張を解く必要があった。


「しっかりと休んでから行くんだぞ。ライラ」

「わ、分かってるわよ!」

「ラッシ。この4人を頼む。居場所の通達もな」

「桂さんはどこへ?」

「心配するな。戦場には間に合う」



春藍が持ってきた飲み物にも手をつけずに部屋を出て、どこかの異世界に行ってしまった桂。ポセイドンと同じく、まだ何かの企みがある。



「ま。行くのは明日にしましょう」

「時間掛けていいのかよ!?」

「美味しいものを食べたり、眠ったり、リラックスしたいのよ!それにもう夕方になろうとしてるし、こっちと同じ時差なら戦闘が夜戦になって私達が不利だわ」



戦うなら昼間。そう思っているが、どーゆう場所かも分かっていないのにテキトー過ぎる理由だ。




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