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RELIS  作者: 孤独
"銀座山脈"チヨダ編
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鉱山異世界の暮らし


「どーりで街が見えなかったわけか」



ネセリアが眠ってから三人はただ闇雲に山を降りて行った。20分ほど走って見つけたのは街ではなく、洞穴の数々であった。

この異世界の住民達は全て洞穴の中で生活を送っている。

巨大な山しか存在しない小さな異世界だ。


「山のホントの"中"に街が存在しているとは考えてもなかった」

「ですね」


洞穴に入ってすぐに見えたのは人口の灯と煙だった。街に入った瞬間。ネセリアを医者に診てもらい、この上なく危険な状態である事を伝えられた。

イビリィアの医者とは違い、鉱山の仕事による病気や怪我には詳しく丁寧にネセリアを診ていた。ついでに女医。女性は男性の力仕事をサポートするための仕事にしかつけないそうな。逆に男性の仕事の大半は、一攫千金の資源集めという名の発掘仕事らしい。



「ライラと医者にネセリアは任せて、俺達は行かないとな」

「ネセリアを救うために、彼女の部位を治せる」



人間の皮膚や血管が欲しいです、できれば臓器も!


「春藍なぁ」



バコォンッ



「いだぁっ」

「俺にツッコミをやらせるな。そんなもんはさすがに使うな。ネセリアに気の毒だ。死体だと、何度も変えなきゃならん(安全だがな)」

「そ、そうですか。わ、分かりました。でも、ありますかね?僕達の世界にあった"P_rロトム"という資源が」



P_rロトム:

とても希少な資源であり、人体には害が無く柔らかい資源。ライラの傷を修復した素材にはこれが含まれており、傷付いた部分を一時的にしっかりと治し、自己治癒で身体が再生していくとP_rロトムは溶けるように消えていく。



春藍の"創意工夫"は物質などを変化させる事ができる力を持っているが、物質によって変化できる限界や範囲がちゃんとある。P_rロトムはその限界と範囲がとても広く、傷口の完全修復には必須の素材だった。



「絶対に手に入れるぞ、春藍」

「はい!アレクさん!」



街に着き、医者にネセリアを診てもらい、休む事なく。春藍とアレクは山の"中"の洞窟に突入する事となる。

少しの間。ライラが春藍達と一緒に、資源を採取できる洞窟の入り口まで付いていく。

ライラがついていけないのはネセリアの心配もあるが、ライラの魔術"ピサロ"は外での活用が強く、最低限室内ならばある程度の雲を作り出せるが、洞窟という場所では雲を作り出してもロクに機能せず、力もないため戦力になれないからだ。

2人に任せきりとは情けないという声でライラは


「ごめんなさいね、あたし。何も出来なくて」

「大丈夫だよ!ライラがいなくても、僕達は必ずネセリアを助け出すから!」


その"達"にはライラが入っているか不安だ。

アレクは再度、この山の中で取れる資源の表を見てみた。ほとんどの資源の名前が聞いた事があり、使った事がある物だ。



Fレート:

土、石、…………などなどなどなど他29種類


Eレート:

鉄、銅、…………などなどなどなど他118種類


Dレート:

ナトリウム、炭、マグネシウム、フッ素…………などなどなどなど他93種類


Cレート:

銀、金、ダイヤモンド、プラチナ…………などなどなどなど他34種類



Bレート:

エスティニモ、ソールド・アッシュ、アイドルリン………など他3種類



Aレート:

P_rロトム、貢献筍、銀のジェルの3種類




Cレート以下は数年やっている発掘家でも比較的楽に見つけられるそうだが、Bレート以上がとても発見困難であり、特にAレートの3種類はここ8年は発見されておらず、見つけて換金するだけでもう、男は美女で遊び放題という夢が詰まっているのである。



「P_rロトムってこんなに希少だったんですね。結構、フォーワールドにありましたよね?」

「大昔はCレートの資源だったのよ。だけど、近年とても必要になって多く採り過ぎて、この資源は希少価値が上がったんだよ」

「ご、ご丁寧にありがとうございます」

「なんのなんの」



突然、通りすがりの人にこのレートの状況を教えてもらった三人。彼もまた颯爽と坑道の奥へと進んで行った。

春藍とアレクはそれぞれ道具を、ネセリアの"掃除媒体"に収納して簡単に持ち運んでいる。

恰好も、発掘作業を行えるように薄着ではなく、厚めの作業服を頂いた。どうやらタダでもらえるようだ。


「うむ、悪くはない服だ」

「坑道の奥は冷えて暗いみたいですから、気をつけないといけませんね」

「魔物もたまに出るって、女医さんが言っていたから気をつけなさいよ。特に春藍!弱いんだから勝手に戦わないでよ!」

「わ、分かっているよ」


奥に行けば行くほど危険な地帯があり、地図も載っていないため帰って来れずに亡くなる事もあるという。しかし、AレートのP_rロトムを採取するには奥まで行かないといけないだろう。地図に載っている範囲内は競争率があまりにも高すぎるのだ。



「準備は整った。行くぞ」

「はい!」


春藍とアレクは、洞窟のさらに奥へと進んだ。その時、ライラには手を振る事無く前をずっと見ていた。


「ホントに頑張ってよ、春藍とアレク」


ライラは女医さんのところに戻った。特別に手術などはされておらず、薬で安静させる事が一番良い。布団の中でグッスリと眠っているネセリア。それをただずーっと、心配そうにするしかなかったライラ。そのライラに女医さんが訊いて来た。


「さっきの二人の男性はどうしたんです?」

「洞窟の奥へと行ったわ。それが何?」

「いやー、残念だなって思いまして。可愛いくて真面目な子も悪くないですが、私の好みじゃなくて。けど、あの大きな2m以上の身長の男性は、とても逞しく見えて一目惚れしちゃいました。あの身体に家庭を守られたいです」

「アレクは確かに筋肉がありそうだけど……」


カッコイイっていうか。ワイルド寄りで、博士でおっさんって印象しか私にはないんだけどね。どこが良いの?年上は嫌。


「やっぱり男の肉体美にはそそります~。大きいと筋肉は正義です」

「私はまだ春藍の方が好感が持てるけどね。変態だけど」




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