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RELIS  作者: 孤独
ラッシ編
274/634

春藍とライラと夜弧のデート①

ふにふに



「うん。大分、足が生成されたね」


春藍は夜弧の左足の治療をしている。自分のように義足をつけるわけにも行かなかったため、一から彼女の細胞を採取し、別の細胞やエネルギーなどを媒介、変態させて99.9%同じ細胞を生み出して彼女に移植。


「左太ももの感覚は分かる?」


そう言いながら、春藍は夜弧の太ももに触れて確認をとる。


「あ、あの……恥ずかしいです」

「?」

「わ、分かりますから!ありがとうございます!」


端から見ると、春藍が変態である。夜弧もまたそんな目で春藍を見ていて、後ろに控えるライラは春藍に対して黒いオーラを剥き出しにしていた。



「その辺になさい!触るのを止める!」

「あ。うん」


春藍は言われてようやく手を離した。


「上手く行くか不安だったけど、感覚があるなら良かった」


夜弧の左足はもうその姿が、足と認知できるほど形付けられていた。


「初めてこんな生物実験みたいな事をして、不安ばっかりなんだ」


あれ?私って実験体扱い?

という顔をする夜弧。それに引き換え、とても嬉しそうな顔にする春藍。2人の関係はとても複雑そうであった。



「夜弧の皮膚も、肉も、血も、骨も、しっかりと元通りになるから義足よりも合うよ!もし、大きさや違和感があれば僕が微調整して直してあげるよ!」


あれ?こいつの目は女性を見る目じゃなくて、物を直すような言葉な気がする……。

そんな残念な気持ちを抱いて溜め息も出してしまった夜弧であったが、春藍の言葉にピンッと来て確認してしまった。



「あ、あの春藍様。もしかして、もしかするとですけど」

「何?」

「春藍様の"創意工夫"を使えば、その。あの。あたしの……この胸とか。大きく出来るんですか?」

「……夜弧、あんた馬鹿でしょ?」


全国民の壁並の貧乳女性の希望的な質問。自分で貧乳とは認めないのも、意地であった。なんて馬鹿な質問だと呆れるライラに対し、春藍は真っ直ぐな声で


「できるよ」

「!ホ、ホ、ホ、ホントですか!?」

「なにーーー!?」

「シリコンによるものではないけど、ちゃんと細胞を組み替えておけば大きさを調整できるよ。形状を変えるだけだから、足を作り出すよりも簡単なはずだし」



なんだってーーー!!?

っと、夜弧もライラも。女性だからその夢の実現に驚きは大きかった。先ほどまで呆れていたライラも、驚いて腰を抜かしてしまった。

夜弧も体が興奮しながら、お願いする。



「で、できるなら!この胸を少し、少し大きくしてくれませんか!?今すぐ!」

「うん。いいよ」

「あ、あんたー!春藍ー!夜弧のウィークポイントを!何勝手に直そうとするのよ!」



夜弧が興奮しながらお願いをすれば、ライラがすかさず興奮しながらお願いの取り消し。女のやり取りは汚い。


「五月蝿い!ライラは黙ってなさい!」

「なによ!あんたのキャラはそーゆうところがあるからでしょ!」

「あのー……ライラも怒るなら、ライラにもしようか?」

「私は貧乳じゃありませーん!!平均よりちょっと上です!夜弧よりも超あるから!……ちょっと待ってよ!なんであんたは私にもさせようとする!?」



照れ隠しなのか、キレているのか。よく分からない混乱したライラから繰り出されるお馴染みの拳は春藍の頬にぶつかった。



「いたたた……」

「だ、大丈夫ですか!?春藍様!ライラ!あなたはいつも暴力ばっかりで酷い女です!」

「暴力ばかりってどーゆうことよ!?」

「大丈夫。ライラはこんな感じだからさ。夜弧、気にしないで良いよ」

「春藍も私のことを、そー感じてたの!?」


いや、誰が見てもライラはそーゆう人だって。春藍と夜弧の目は冷たくライラを見ていた。ライラは気まずそうな顔になって、一歩退いてしまった。


「ところで春藍様。その、その、言っていた豊胸手術。できますか?」



人が弱くなったところで攻めに出る夜弧。精神を操る能力を持っているだけに心の動きがよく理解できている。


「今すぐ!」

「あ、いいの?じゃあ、夜弧。服を脱いで。僕が夜弧の胸を弄らなきゃできないからさ」



そ、そんな言い方があるかーーー!!?

夜弧は自分で言っておいて、春藍の爽やかな笑顔から吐かれたエロいよこの人みたいな言葉に、咄嗟の本能で叫びとビンタが春藍に炸裂した。



「きゃあああ!変態です!」

「ぶほぉっ」



春藍の無自覚過ぎる、天然助平に夜弧も防衛してしまった。自分でお願いしておいて、自分で拒否してしまった夜弧。せっかくの貧乳脱却チャンスを自ら捨ててしまった。

唐突過ぎる攻撃に春藍も混乱した。


「ど、どうして……?」

「ごめんなさーい!」

「僕もやってみたいんだ!夜弧!……どうか、やらせてくれない?試してみたいんだよ」

「いや、ホントにごめんなさい!全然、その!私にはまだ覚悟ができてません!シチュエーションも、勉強も、経験も、不足だらけです!」



春藍も泣きそうな顔であったが、夜弧も顔を真っ赤にしながら泣きそうであった。想像するだけで凄く如何わしい。好きな人にそんな、胸を大きくさせてもらうなんて。



「あああ!ホントにもう!忘れてください!私はアホでした!!」


春藍の顔なんて見られず、布団にダイブする夜弧。

一方、春藍がとんでもないことを言っている事に対し、怒りを見せるライラが後ろにいた。


「は~る~あ~い」

「ヒィッ!」

「何?あんた。そんなに胸を触りたいの?」

「ち、違うよ!夜弧の願いを叶えようと思っていたんだ!ライラもそうならしてあげるよ!僕にできる事だから!」



バヂイィィンッ



「私には必要ないわよ!そんな手術!もうちょっと私達の気持ちを考えて言葉を遣いなさい!次は殴るから!」

「もう殴ってるよ!」

「じゃあ、次は蹴るから!」




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