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RELIS  作者: 孤独
朴編
268/634

ミッションコンプリートの難しさ

強かろうと難しいのがミッションである。

ポセイドンは自分以外の管理人を殲滅する大前提の目標と、ベィスボゥラーから記録をもらうというミッションを己に課していた。

強くても記録をもらうまでにベィスボゥラーを殺してしまっては負けであった。彼がポセイドンと戦うというのもまた稀。大方、朴の援護でもらうのが妥当と踏んでいた。

記録をもらうため、多くの体力と血を消耗した。その間に命を守るというのも難易度が高かった。




龍を先に倒すことが成功の鍵だった。もし、彼が生きていたらこっちが死んでいた。

だが、片方の目標が達成できれば、ポセイドンにとってもう一つの当たり前の目標はとても容易かった。



「なにせ貴様等を殺すだけだ」



罪としては最上級に入る殺害であるが、その難易度は極簡単。自分が全力を出す。それ以外ないというシンプルさ。一方で、盗んだり喰らったりするミッションは相手のことも考えなければいけなかった。面倒くせぇー。



「簡単に殺されると?」

「冗談ですよね?」



朴とベィスボゥラーから見ればポセイドンには制限時間がある。2人は散って良い覚悟だから、制限時間はなかった。世界が終われば勝つ。

それを忘れているかのような声をポセイドンは上げ始めた。



「テテテテテテ」



知性溢れる彼から狂気染みた声色。不気味な宣言と雄叫びが朴とベィスボゥラーの2人を守備重視にさせた。テンションがハイになってくるのも分かるのだが、場を考えて欲しいぞ、ポセイドン。


「テテテテテテエェェェッ」

「!な」



手に戻ったら興奮するに決まっているだろう。昔、封印した中二病を戻した時みたいな顔だ。ポセイドンにとって、久々に手に戻った本来の"科学"。最強のカード。

それにようやく気付いた朴はポセイドンを抑えようと跳びかかった。彼が計算に入れていなかった科学。本来ならその科学は封印されており、もちろん封印は解かれていないという情報だった。



「テラノス・リスダム!!」



彼が造り出した物は、"テラノス・リスダム"の前では亜流に過ぎなかった。



フッ



発動と同時にここに灯っていた全ての明かりという光が吹きとんだ。



『ベィスボゥラー!……!しまったぁっ!』



次に吹き飛んだのは音。お互いがやりとりできる情報を封鎖し、2人相手という数の不利を軽くあしらう。連携がとれず、混乱すれば数にもならない。



ボウゥッ



『!……!?ベィスボゥラーが増えた!?同じ魔力をいくつも感じる!こんなにも構築が早く、完璧なのか!?』


声を精一杯出しているが、世界に音がなくなった。

即座にベィスボゥラーと合流しようとした朴であったが、この異様な科学に足止めされ思うように動けない。罠を感じているからだ。そして、時間だけは過ぎていく。

朴はこんなに近くにいたにも関わらず、ベィスボゥラーの最期を見届けられなかった。届いた死の匂いが、鼻につき分かった。戻り始める光と音に景色はだいたい当たっていた。



「!ベィスボゥラー……」



綺麗に喉元を、地上から生成された槍に突き刺されてそのまま釣らされるベィスボゥラーがいた。痛みで叫んだような顔つきのまま逝った。その声が届いていたら助けられたかもしれない。

音と光が戻った時には厳しい光景だ。



「!君が、……そんな一瞬で殺されるなよ。私も怖くなるだろ?」



管理人ナンバー:009

ベィスボゥラー

ポセイドンと交戦し、死亡する。"無限牢"の記録はこれ以後、なくなった。



今、朴が戦うのは正真正銘の、管理人ナンバー:002。ポセイドンであることを改めて認識した。彼の本当の姿と戦える。



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