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RELIS  作者: 孤独
朴編
265/634

龍管理人


炎が猛ける中。合図を受け取った両者は即座に動いた。



「"ラ・ゾーラ"」



朴ごと、消し去る!

馬鹿なことを逝く前に言ってしまったが、悪くはさせねぇ。俺が1番になったら、俺がポセイドンみたいな管理人にもなってやる。

だからよ。

後のことは全部、俺に任せろ!もう子供番組から卒業してやる!!俺は大人の龍だ!



ピイィィッ



「逝っ!」



まさに、"ラ・ゾーラ"がポセイドンと朴に向けられる刹那。

瞬殺の生殺与奪空間がポセイドンを覆うように現れ、それに反応しテレポートしてきた。黒い龍の仮面の博士が龍の背後をとった。


「けぇっ!」

「お前がぁっ!」


佳境に入る最中。お互いの目が合った。戦闘に特化していた龍は、この予想外を可能性に入れていた。集中を別方向に向ける速さが命を繋いだ。代償に、ポセイドンを覆った"ラ・ゾーラ"が解けてしまった。



ドゴオオオォォッッ



右腕を失いながら、敵と相対できた。焼かれた右腕を少しだけ見る龍。これといって痛くもない代償だ。次に邪魔者を見た龍は避けられない相手だと認識した。



「肝心な時に来たか」

「あれを避けるか」



すぐに始末してやる。お互いがそう抱き。防御はしなかった。言葉はなかった。

最大の火力。最大の魔力。互いが命を奪う必殺を攻撃ができる。

どちらもタバコを吸えそうになかった。勝ったら吸いたいと、世界の終わりで願った。イラつくすらできない、攻撃VS攻撃。




………………………………………………………………………………



人間は争う。多くの種族でだ。

人間というのは不思議だ。種族が同じでも同類ではない

管理人は争わないのか?無理だろ。

俺にはちっとも頭がついてこないぜ。


「まぁ。龍君は元々、低知能として造られているからね。残念に……」

「うるせー!全ての馬鹿を批判するんじゃねぇ!朴!!俺は天才になる!」


勉強はからっきし。知能をそこまで備えていない管理人の価値ってなんなのか、よく分からないけどよ。

それだからこそ、俺は力を手にしたという。人間にも、知能より体力に才が傾くこともあるそうだ。俺はきっと後者だった。


「世の中。人間は選ばれてしまっているとか、なんとかね」

「ふーん」

「龍くん。君だからこそ分かることは落ちこぼれを救えることだと思います」

「俺がそうだと言っているな。言っておくが、俺はお前より格と強さは上だ!」

「そんなところがです」



朴はむかつくが、天才だ。

管理人として隙がねぇ。



「おちこぼれの気持ちは超天才の私には分かりません」

「お前、死ね」



失脚からちょっと経ってから、どっちが上に立つか話し合った。だが、俺は朴より馬鹿だし、管理人としてはグルメがいなきゃロクにできねぇ。タバコや酒も無理してやって大人っぽくやっている。

桂やポセイドンと隣なんてできやしねぇ。



「鋭利に、できることを見つける」

「?」

「多くの人間はそれに気付くことすらできません。何ができるか、分からないまま死んでいく。龍くんは戦闘だけが取り得です。無理に座るのは遠慮したらどうです?私も、ご遠慮しますけどね」

「……空位で、桂やポセイドンは何も言わないか?」

「特別には言わないでしょう」



その時。空位が決まった。


しょうがねぇさ。朴に言われた通り、俺は戦闘のみが取り得。ぶっ殺すという究極系の役割を与えられていた管理人。

法によって裁く桂、世界を破棄する蒲生とも違う。



生命達が残した遺物をそのままに葬るための管理人。

戦争を力で無くす管理人。

闘いという場所なら、死ぬわけにいかない管理人。



「"暴"で作る平和か。俺と戦えば死ぬんだ」


正義も、悪も。その境界を見極められる目はないと思う。

でも、どっちだろうとぶっ飛ばす。俺がそーゆう奴だ。命を複雑に考えたことも、世界を複雑に考えた事もない馬鹿知能さ。



そんな俺だって、思うことはあるんだ。



………………………………………………………………………………




スパァッ…………



「タバコ……吸えた……………」



初めて咽ねぇぞ。……そりゃそうか……。


「酒は……………なかったか」



タバコ吸って、酒飲んで、麻雀して、特撮見て、……。

自由は楽しいって、知能くらいはあるんだよ。


「………………」


楽しかったな。俺が一番…………馬鹿で、遊んでばっかりだったな。

肝心な仕事。できなかったな。俺の取り得だろう。



ガランッ……



「あ、危なかった。ほぼ死んでいた……。ここが火の海じゃなかったら、こっちが先に攻撃をもらっていた」



黒い仮面の博士は炎の生成を使わず、場にある炎を操った。コンマを削った攻撃の速さが、龍の"ラ・ゾーラ"よりも速く焼き払えた。ポセイドンの間接的な援護があった。


「討ったぞ」


死闘と呼ぶには短すぎる時間であったが、お互いが死を覚悟した闘いであった。

大きすぎる金星。その戦闘力、特に攻撃力ならば最強に相応しい奴。



管理人ナンバー:004

龍。

敵と交戦し、焼死。圧倒的な戦闘力で多くの敵を葬り、地位すらもただ一つに尖る力でいた管理人、力尽きる。




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