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RELIS  作者: 孤独
朴編
263/634

忘れ物はなんですか?

死はさようならだ。別れよりも残酷なさようならだ。

あの時、言っておけば良かった言葉もきっとあるだろう。



「お前等はもう用済みだろ」

「あ?」



朴の、"ファイジャッパー"、ポセイドンの、"一輪の向日葵"(サン・ザ・サン)。

残り時間はすぐ迫っていた。

黒い龍の仮面の博士はダネッサと新入りに命令をした。タバコを手に持ちながら、状況を彼等に説明した。



「朴達の狙いはポセイドンの足止め。かつ、道連れだ。なら助け舟が必要だ。脱出の時間を考えれば崩壊まで2分くらいは必要だ」



単純な数の差は大きい。これだけで離脱の難易度は跳ね上がっている。また、人数が多いほど不利なこともある。



「全員で朴達と戦えば誰かが逃げ遅れる可能性もある。ここは一番強い俺が残り、お前等は向こうで待っていろ」

「!……テメェな」

「お前は海の方が強いだろ?俺は炎に強い。新入りもだろうが……。ともかく、俺だけで行く」



任務を遂行するため、任務をよく理解することから始まる。今できることはほんの少しだけだ。

しかし、根本的な部分を新入りが指摘した。



「ところであなたはその戦場まで行けるの?炎に包まれているこの世界よ」



桂を引き離すため。エクスピーソーシャルの奥に達していた3人。ポセイドンのところはここから見えるわけがなかった。

その当たり前な指摘を解決するため、取り出したのは二足の靴だった。



「対龍用の科学を俺が改造してある。"ラ・ゾーラ"が発動すれば龍の傍までテレポートできる。これしかないから事実上。俺だけしか行けないな」



"暗殺者靴アサシンブーツ"を履き。

あとは、龍の"ラ・ゾーラ"を待つ。いつ来るかは分からない。さっきの炎に飲まれて死ぬとは思えない。やるなら俺の炎だ。



「帰ってこいよ」


いつ、行ってしまうか分からない中。ダネッサは声を掛けた。


「お前には死ねない理由があんだろ?」


当たり前のことをなぜ訊く?


「誰だってそう簡単に死を決められるわけがないだろ」



退いた方が命は助かる。それでも、道は自分で作るさ。

彼が行ってしまう数分前。朴は龍とベィスボゥラーを抱えながら、炎の中を歩いていた。ギリギリで防御が間に合い、窮地を脱した。



「助かったぞ、朴。よく来てくれたな」

「スコアブックが燃えちゃった……」

「……まだ終わりじゃないですよ」



朴は違和感を察した。

自分に苦戦していたという利なら嬉しいが、そーゆう感じではなかった。朴用に用意した"暁狩り"もまたなにか拍子抜けがする。扱い方が護りに入りすぎていた。

この、"一輪の向日葵"(サン・ザ・サン)の使用もフルメガン・ノイド達がやられてからだった。彼等ごと一掃した?



戦略は朴が考えたとおりに動いた。

しかし、ポセイドンはそれこそが思い通りだと?



「甞めているのか」



私に、龍に、ベィスボゥラーがいる。それでなお、良いとするのか?簡単に殺さねぇぞ。


「どうするんだ?位置は分かるか?」

「いえ。姿を消したままですね。ポセイドンにはまだ広範囲の攻撃が扱えると判断すれば、私の傍からは離れないでくださいよ」



ポセイドンの姿を見失ったのは少々手痛い。龍とベィスボゥラーの攻撃力は優秀だが、目の前で対峙していなければならない。炎が全てをシャットアウトしてくれる。



「時に、お二方。魔力はどれくらいです?」

「それなりにあるが。もう本調子じゃねぇな」

「3回くらいは行けるけど。長期戦はキツイかも」

「……似たもの同士ですか」



"魔術"と"科学"の差があるとすれば消耗だろう。明らかに"魔術"使いは疲労が激しい。ポセイドンが狙う隙といえばそこか。しかし、まだまだ自分達はいける。絶対に計算を間違えている。

なら、ポセイドンの狙いは?



「あと少しですね」



迷うな。ポセイドンを消すことだけに集中しろ。たとえ、この命をフッ飛ばしてでも倒す必要がある。



「龍、ベィスボゥラー」

「ん?」

「もし、私がポセイドンの動きを止めるとします。その時。2人は全力で私もろとも、ポセイドンを消してください。逃げられる隙は与えません」



万が一の逆転を防ぐため、自分の命の自由を彼等に託した。ポセイドンの小細工を力技で潰しに掛かる。わずかだが、ポセイドンに屈した朴でもあった。


「で、でも。朴。それはいいの?死んじゃうよ」

「その方が、仕留められる可能性がありますしね。責任からも逃げられますし」


不安を出すベィスボゥラーを簡単に励まし、諭す朴。

それに対して龍は当たり前だと伝えるように


「俺は隙があればする!朴までいなくなったら。俺が一番だけどな!ふははははは」

「……頼もしい後釜です。龍くん」




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