表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RELIS  作者: 孤独
龍編
261/634

存在感をぶっ飛ばす


近隣三箇所。管理人同士の戦闘。



ベィスボゥラー VS リップル相馬。

優勢こそリップル相馬だが、ベィスボゥラーはなかなか倒れずに彼女を別の戦闘に参加させない。


朴 VS ポセイドン。

互いに防御重視。完全な鉄壁だからこそ、決着は早々に付かない。



もっとも早く動いた戦闘は互いに、殺害と破壊を得意としている者達。

龍 VS フルメガン・ノイド。



「"破壊王"」



蒲生の"九頭鳥"並の巨体になったフルメガン・ノイドが使うバズーカ。

巨大な大砲は中に何千人と詰めそうなほどだった。その巨大な科学が使われたらどれだけの破壊が生まれるか?



「跡形もなく消えろ!」



放出される真っ直ぐで太い光に触れただけで焼却。光が途切れるまで続く破壊の道。壮大な破壊に対して、静寂に包まれる消音。音すら分解されて回りに聞こえない。



フゥッ



長かった光が消えると同時に音が生まれる。金属が焼き落ち、朽ち果てる音。



ガギイイィィィッ



「ふぁっ」

「くぅぅっ」



近隣のベィスボゥラーとリップル相馬が耳を塞ぐほど、おぞましい破壊音。自分達ではできない、大きすぎる破壊はさすがと見ていた。

並みの防御ではやられる。あっちに警戒しながら戦っている二人だ。早いとこ決着がついてほしい。



「生きているな!?」



周囲の殲滅具合は完璧と言って良い。それでも、フルメガン・ノイドに引っ掛かる龍の生体反応がある。



「"ラ・ゾーラ"でオイラの感覚を狂わしているな!?」



感覚をぶっ飛ばす龍の能力が、まだ戦闘を続けることができた。

そう予測しているフルメガン・ノイドであったが……




「しまった……。俺の能力、フルメガン・ノイドの攻撃を防げねぇ」



馬鹿か!?



「あんな光線を喰らったら死ぬぞ。"ラ・ゾーラ"で殺すより、俺が殺される」



アホか!?



「あー、済まねぇな……」

「ええ。ホントにあなたって馬鹿ですね……」

「ま、お前はあいつとは相性が良くないだろ。デカ過ぎて攻撃が決まらないだろ?」


龍がフルメガン・ノイドの攻撃を受けても無事でいられるのは速攻で駆けつけてくれる仲間。朴の存在であった。


「もう戻っていいぞ。フルメガン・ノイドは俺が殺す」

「言われなくても、大物相手に早々連携なんてできませんよ」



"カスタネット・ギバン"による距離の相殺でいつも護りに来てくれる朴の優しさ。

ポセイドンとの決着が長引いているのも、こーした理由がある。

早いところフルメガン・ノイドを殺さないと周囲の戦闘に影響が出る(朴談、もう出ている)。



グビィッ



懐から取り出す缶ビールを一杯頂く。


「"ラ・ゾーラ"の空間より大きくなると抹殺に時間が掛かる」



"ラ・ゾーラ"は空間内での生殺与奪。感覚の陥没を実行する能力。

空間よりも大きくなったフルメガン・ノイドはかろうじで瞬殺を回避していたが、デカイ的でもあった。



「楽に死ねねぇぞ」



缶ビールは放り投げられる。

放物線を描きながら、地面に落ちるまでの時間。



ビビビビビィッ



龍の"ラ・ゾーラ"の空間には2種類のバリエーションがあった。

通常時の"ラ・ゾーラ"でも感覚のぶっ飛ばしはいろんなパターンが使えるが、ロイに与えたような半殺しぐらいの程度にする空間と。

容赦なく後悔すら消し去るほどの、殺害する空間。



「俺の能力は殺しが専門だ」



蒲生、朴……それからフルメガン・ノイドも加わるだろう。

彼等を見ると"ワールドクラス"という力は破壊に重点に置かれているかもしれない。しかし、龍はそれが破壊ではなく殺害として与えられている。

だから単純な戦闘力では頭が馬鹿でも、彼等よりも上にいなければいけない。生き物を殺すという分野では龍がトップでなければいけない。



「究極系、生殺与奪」



空間を練り込むのに時間が掛かる。

また作れば空間の移動ができず、完全に孤立してしまう。

即死の空間であるが、空間も作られ次第ほぼ死んでしまうという諸刃。



「"ラ・ゾーラ"」



しかし、代償にしては小さいかもしれない。



「ハコテン(覇誇転)」




フルメガン・ノイドの大きな両足に生み出される、"ラ・ゾーラ"の空間。



パッ



そう。パッと。

何もかも生存できない空間に覆われたフルメガン・ノイドの両足は消滅した。


「は?」


足が無くなると体が徐々に落ちて行く。膝、太ももの部分が空間に入り込んだだけで、消滅した。

存在感がぶっ飛び、跡形も残さない。


「は、反則だろ!!?」


フルメガン・ノイドは叫び、"ラ・ゾーラ"の空間から逃れようとするが逃げるための足を先にぶっ飛ばされたことで抗えない。

自分はだるま落としのように落下するだけだった。


腹、胸。落下しながら迎える消える死だった。


「なんだよ」


理不尽かつ、残酷にも程遠い。

生存できない空間に入ってしまっただけでこうも、簡単に命が消えてしまう。



「龍が強すぎる!」



アッサリ過ぎるし、効果範囲も限定されるし、時間が掛かる。

スカッとする攻撃じゃない。だが、バズーカや光線、爆発よりも効率が良い。



カァンッ



投げた缶ビールが地面に落ちた頃。あの巨体となったフルメガン・ノイドの体の全て、存在をぶっ飛ばされて跡形もなく消え去った。

周りを一切破壊する事無く、生き物だけを消滅させた。環境に優しい殺害。対生命体用に備えられた能力は圧倒的。



「俺は戦う事だけでこの地位なんだぜ。負けてちゃかっこがつかねぇだろ」



同じ管理人であっても、格の違いを見せ付ける龍。

一気に戦況は朴達サイドに流れようとしていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ