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RELIS  作者: 孤独
龍編
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少し忘れていたが、振り返るとヤバイ能力だったな。


バキイィッ



桂はブライアント・アークスの3人を斬り落とした。

ポセイドンの知らぬ間にほぼ壊滅。主力2人の死はあまりにも大きかった。

これが未来まで続いていたら、歴史は変わったのかもしれない。



「デュフフフフ!我、絶対絶命なりっ」



桂の警戒している間合いから外れたケチェリと大塚。

ケチェリは背負うリュックから、ポセイドンから頂いたある"目覚まし時計"を取り出した。自分達がここにいる目的は命を張ってでも、桂の足止めに徹することである。

ポセイドンのシミュレーションから直接対決の可能性が低いことは知っていたようだ。

だが、それも可能性の話。



朴、龍、ベィスボゥラーの3人が亡くなった時。桂は先を見越して疲弊したポセイドンを殺しに来る。

ポセイドン、フルメガン・ノイド、リップル相馬の3人が朴達を殺すまでなんとしても桂を足止めするのが任務。ハッキリ言って、最高難度。始めから無理を押し付けているため、ポセイドンからささやかな贈り物を授かった。




スタイル:科学

スタイル名:E10仮想

詳細:

目覚まし時計型科学。

元管理人ナンバー:010、英廉君の魔術"ニノ"を再現した科学。指定した時間に維持する能力を備えているが、そこまで耐久性がなく(一回きり)、効果範囲も狭い劣化版。

維持するというより、一定空間の時間のみを戻すという役割に専念させている。





「"七曜表"」



ケチェリはさらに自分が本来使用する科学、"七曜表"までも展開する。

戦闘能力は汗まみれでだるだるな肉体だけのケチェリ。所有する能力は完全に戦闘外だが、戦争としては有効な能力であった。




ケチェリ・リーヴァー

スタイル:科学

スタイル詳細:七曜表

カレンダー型の科学。(ちなみにアキバ系のカレンダー)

一定の空間の範囲内を1日だけ他の空間から干渉を受けないようにする。この空間は365個作成することができる。



捕獲、隔離に長けたケチェリの科学である。これを使えば桂の足止めはなんとか達成できるだろう。問題は桂をケチェリの空間に引き込めるかどうか。"雷光業火"が光速で動けるとしたら空間に入っても閉じる前に脱出される。さらには意図も読まれる。



「覚悟を決めるぉ!大塚ぁぁぁ!準備できたどーー!」



ケチェリの大きな合図に大塚は空を見た。


「お前ができても、僕ができてない」


逆が良かったと思ってもいる。

でも、ポセイドンに育てられた自分達。役割は運命と同じく受け入れるべきだった。どっち側も辛いんだろ。



「……もう生きられないのか」



僕はポセイドン様と出会い、育った。

非力でガキな自分は実験台となって、手にした力は夢想に近かった。悔やんだことは一度もない。



「ALL・TYPE・NOBODY!」



頬にできているキレマークがうっすらと消えていた。

運命に怒る気持ちは体からなかった。内からも消え始めた。死を受け入れる覚悟はないんだが、



「ちょっとだけ抗ってやるよ、ケチェリ。その汚い眼鏡越しから見てろよ」



受け入れと同時に生きたい意志は出した。ポセイドンと同格の桂と戦えることを光栄に思おう。プラス思考だ。



「INTERVAL DEAD(狭間)」



自分の心臓を基点にする引力を付加させる。発動は大塚の死を意味するが、死後も引力が働くため自分自身でも解除不能。そして、



キュウウゥゥゥツ



「!!っ、なんだ?」



桂の動きが止まり、大塚の方へ行かないように体を堪える。

"超人"が堪えるだけで手一杯になる出力を発揮する大塚の切り札。



「桂、諦めろよ。俺だけ諦めるのは嫌なんだよ」



引力が増していくと同時に大塚の体に負担が掛かる。さすがの桂も堪えられずに大塚の引力にやられる。

逆に桂は大塚に向けて、"雷光業火"で加速して一撃で殺して止めようと試みる。引力の付加などカンケーないスピードで大塚に接近する桂。



パァァンッ



「!む」


大塚の首は一瞬で吹き飛んだ。しかし、引力がまだ止まらずに桂を大塚の心臓へ運ぼうとしていた。接近した分、桂に掛かる引力はより強大となって地面に膝をつかせた。



「よくやったぞ、大塚。あとは任せるぉ!」



ピーーーーーーッ



大塚、死亡。

引き換えに行えたことは桂の足止めのみ。

ケチェリは"七曜表"で新たな空間を造り出し、その中央に桂を置いた。自分の隔離空間に桂を置き去りにした。



「厳重にロック!ロック!ロック!」



ケチェリも隔離空間をより強靭なものに変化させていく。

厳重な空間の中から、桂は"雷光業火"で砕こうと奮った。



バギイイィッ



「固い……数撃でもヒビが限界か」

「こ、拳と刀で、異空間に穴を空けるなんてどんだけの化け物だぉ!!」


足止めできる時間があまりにも短いと悟るケチェリ。爆弾でも壊れない空間がこうも簡単に半壊し始めれば自分の命の危うさも知れる。

しかし、足止めはケチェリだけではなかった。



キュウウゥゥッ



「っ!?引力か……?」



大塚の、"ALL・TYPE・NOBODY"が死後も強力に働き、"雷光業火"の動きを大幅に抑えていた。桂にダメージを与えるほどの攻撃ではなかったが、死を使った足止めは桂でも止められなかった。

ゾンビの如く、桂に背負わせる大塚の引力。



「大塚ぁぁぁ……」



命を使った大塚に、ケチェリは涙と鼻水、汗を流しながら隔離空間を強固していく。

また、ポセイドンから授かった、"E10仮想"を起動させた。




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