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RELIS  作者: 孤独
龍編
259/634

桂 VS ブライアント・アークス

光が届く速さ。

光速と書かれれば速いという理解が起きる。




ドゴオオォォッ




「はぁっ!?」

「デュフ?」



本番まで待機という命令がポセイドンから下っていたブライアント・アークス。

朴の"ファイジャッパー"にも驚きが多く、焦りを感じ始めた一同であったが、焦る間も与えずに光速でやってきた。



「拙者、管理人。桂と申す」



自己紹介を含め、桂がブライアント・アークスが待っていた地に飛び込んできた。

刀が抜かれている。殺しに来ている。



「今日は全員死ね」



黒い龍の仮面を被る博士、ダネッサ、ケチェリ、大塚、そして、新入り。

この5名の前に突如現れた強者。




バギイイィィッ



強烈な一斬は新入りの体を即座に真っ二つにした。



「ア、アラ?」



地に転がる新入り。そうなったとしても、周りの男4人はまったく動けていなかった。

桂があまりにも速くて強いからだ。ダネッサが"櫓厨"を握ったと同時に桂が次の狙いを決めた。



ガギイィッ



「うおっ!?」

「良い反応だ」


おいおいおい。なんだこいつ!?無茶苦茶強すぎるだろ!

会った瞬間に殺されると理解できる!防げたのも偶然だぞ!



ドスゥッ



「た、助けろ!……!っ……」

「遅いな」



ダネッサまでもが瞬殺される桂の力量。敵に回せば勝ち目がない。突きがダネッサの右胸を貫通し、彼も戦闘不能に陥った。

主力が次々と失ったブライアント・アークスは今となっては遅すぎるが、最強が動いた。



「1分」

「次は君か……!っ」



桂の刀がダネッサの右胸からなかなか抜けない。




「時間を稼ぐ!その間に展開しろ、ケチェリ!大塚、準備しろ!」

「ぬっ!分かったぞい!」

「た、確かに手段は選べないな」



ケチェリと大塚は即座に桂と黒い仮面の博士から離れた。ダネッサの決死の足止めを活かし、彼もろとも桂を襲う火柱を瞬時発生させる。

"雷光業火"の回避をさせない速攻だった。



「!くぅっ」


確実なダメージが通ったが、致命傷にはなっていない。刀が簡単に抜けないと分かるや否や諦めて、炎をまとった桂の拳が光速で彼を襲い掛かった。



ドゴオオォォッ



「ぐああぁっ……がはぁっ………」

「熱い攻撃だな」



ボオオォォッン



「!ほぉ」



桂がケチェリと大塚を狙えないように周囲に爆炎を発生させる。足止めと宣言した。その覚悟は自分が死んでもいいというリスクを考えていたことに関心した。



「なら遠慮なく行こうか」



周囲に黒い仮面の博士しかいなければ落ち着いてダネッサから刀を引き抜ける。拳で殴られれば破壊、刀ならば切断に至る。どっちも味わいたくない。



「死ぬのはもっとごめんだ」


この怪物を相手に1分稼げるか?ポセイドンですらタイマンを好まない管理人最強。

しかもこの接近戦。俺の科学は中距離や遠距離で活きることが多い。

"雷光業火"が次に決まれば命が終わる。



カチィッ



俺を信じろ。俺が俺に殺されるわけがない。



バヂイイィィッ



今度は自分も、桂も、ダネッサも、新入りを巻き込んでの爆発を発生させる。

決死がどれだけ無意味か分かっている。



ガゴオオオォォォォッッ



「ひ、久々に……体に来たぞ。パイスー以来だ」



回避をさせない即決の自爆は桂にダメージを確実に与えた。火傷が酷く現れたが、それでも桂は倒れずに遠くを見ていた。

自分が背負うほどの炎は視界すら遮り、音を歪曲させる。遠くに逃げたケチェリと大塚の居場所を探ろうとしていた。



「…………見えん、聞こえんとはな」



ポセイドンの報告通りだった。

桂は視界や聴覚が安定しない場合、静観する確率が高い。いかに"雷光業火"があれど確証がとれない地点への高速移動は危険だからだ。

桂が止まるという可能性、自分の肉体の可能性。お互いを信じた。視界を奪っている炎に身を隠し追撃を始める。発火の瞬間ならば桂だって避けられない。



スイッチを押せ!



「ッ」



ほぼ同時の攻防。攻撃が整ったと確信した瞬間に押した。何かの誘いだと察知した瞬間、移動した。



ドゴオオオォォッッ



発生するタイミングがほぼ同時ならば相手が光速になろうと関係はなかった。

しかし、その単純がそうでなかった。強敵と認めた桂の危機感は自分の癖を理解し、一歩早く動いていた。

炎に身を隠していても、いつまでも隠れられるわけがない。



パキイィッ



「惜しいな」

「……………」

「もう少しで頭を斬れた。仮面を斬ってしまった」

「わざとか」

「そー恐れておらんな。それがまた、良い!」



桂の刀が振り上がった瞬間、彼も想定していなかった伏兵・ダネッサが炎の中から現れた。桂の横から現れ、頚動脈を狙っていた突き。

それに対し確実に見てから反応をする桂。



バシイィッ



「ぐっ!」

「しぶといな」


槍を握り締め、そのまま止める桂の身体能力。圧倒的な反応は"科学"の力では対応できない野生を感じさせた。

傷だらけとなったダネッサが槍を握られたまま動けなくなったところ。トドメの拳がダネッサを襲った。


「まだ遠いな」



バギイイィィッ



拳の炸裂音は今度こそ打たれ強いダネッサを粉砕した。



「ダネッサ!」

「人の心配はもう終わりだ」


拳よりも耀いている刃が何度も黒い仮面の博士を通り過ぎた。

彼の肉体が惨く剥けて立ち上がることを強制的に拒否させていた。



「これは管理人の戦争だ。人間はご遠慮願おう」

「くっ……」



たった一瞬でブライアント・アークスを壊滅にまで追い込む桂の力量。

それでもまだ彼に絶望は届いていなかった。



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