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RELIS  作者: 孤独
龍編
257/634

フルメガンZ


「派手じゃねぇかよ。さすが、俺と蒲生さんが見込んだ管理人。もっと早く座ってろよ」



とにかく、もう後には戻れない。

朴の作戦通りだ。

俺達はなんであれ、ポセイドンを倒す。結果、ポセイドンと同じ末路に進もうが。そこに俺達の支配はない。



「なぁ、元006!フルメガン・ノイド!」

「!龍。今、なんと言った!?」

「そろそろこっちも始めようぜ。睨み合いばっかじゃ、つまんねぇだろ!いつまで朴の攻撃にビビッてる!準備はできてんだよ!」



龍の挑発によってフルメガン・ノイドはその後の言葉を聞けなかった。



「オイラは再び力を取り戻す!貴様もすぐに消してやろう!」

「お、落ち着けってのー!」

「五月蝿い!」



朴の所有するナンバーは最初から決められたものではなく、欠番埋めであった。

当初の予定ではフルメガン・ノイドが006であったのが、急速に成長していく朴が彼を追い抜く形で006。フルメガン・ノイドはその下の番号を与えられたのであった。

彼にとってはそれが屈辱でしかなく、いつかは番号を取り戻そうと虎視眈々と狙っていた。



「まずはお前からだ!」



怒りに満ちたフルメガン・ノイドの視界の隅から向かってくる野球青年が1人。



「!危ないってのー!フルメガン!」



リップル相馬がわずかな気配に気付き、カバーに入った。



ガギイイィッ



「敵のファインプレーに阻まれ、3アウト。チェンジ!」

「べ、ベィスボゥラー!不意打ちとはやってくれるってのー!」



リップル相馬とフルメガン・ノイドは気付く。

龍の"ラ・ゾーラ"と朴の"ファイジャッパー"に、注意が行き過ぎて静かに敵を葬っていたベィスボゥラーの存在を今になって知った。

周囲に味方がいなくなっていた。



「どうあれこれで2対2だな」



ようやく大勢まともになってきた。

このまま2VS2だとしても、危険なのはリップル相馬とベィスボゥラーだ。元々2人は戦闘には特化した能力ではない。そして、お互いの相棒は無差別に攻撃するのが得意であった。



「"OVER・P&SW"!」



フルメガン・ノイドはあらゆる乗り物に変型できる。リアと同じく己自身が"科学"と化している。



ガヂイィンッ  バヂイィッ



蒲生が生物的な巨人ならば、フルメガン・ノイドは機械的な巨人。

彼の最強の戦闘形態は浪漫が詰められた巨大ロボット。



「変型!完了!!任務遂行!!超機動戦士!フルメガンZ!ここに誕生!!」



その巨体は蒲生の"九頭鳥"に並ぶ。鋼鉄なフォルムに包まれ、全方位から生体反応のキャッチが可能なゴーグル。豪腕剛脚が一目で理解できるぶ厚さ、かっこよく胸に刻まれた"Z"の文字。背負っているのは街を一発で消し飛ばす巨大なバズーカ、"破壊王"。

神々しいにオーラに龍の目から自然と涙が出てきた。



「な、なんだその切り札は!?すげーーっ!まるで特撮ヒーローみたいでかっけーな!!操縦したいぞ!乗り込みたい!」

「当たり前だ!オイラはロボット界のヒーローだ!」



特撮好きの龍には子供心が爆発し、フルメガン・ノイドの切り札に目を耀かせた。フルメガン・ノイドもまた龍の言葉に調子に乗っている。



「いや、それはあんたが単に大きくなっただけってのー……」

「龍。一番、緊張感がない」



一方で冷静かつ、貶している目で見ているリップル相馬とベィスボゥラー。彼等にはロボットや特撮のカッコ良さというのを理解できない。ファッションと野球にしか目がないのだ。しょうがない。

そんな彼等だって戦うのだ。



「全力必勝でいくってのー!」


リップル相馬が使用する科学は同時に二つ。

"裏表同刻堂"と"賃貸便利屋"

自分の洋服を自在に呼び寄せ、着せ替えることができる……。あれ?こんな表現を描いたら変身もののヒーローアニメや漫画とか、好きなんじゃねぇの?フルメガン・ノイドと同レベルやんけ。



暗黒姫騎士様式ロージュ・マリー

「!!」



シュルルルルル



素早い変身。着替えはベィスボゥラーも驚く。

身につける衣服によって、リップル相馬の能力が変化する。身にまとう黒一色の鎧、飾りでしかない翼、ハイヒールまで装着。



「動きにくそう」

「ふん、見かけで判断するなってのー!」



コスプレに近い安物のレイピアを握り締め、完成する。

タイマンという戦闘形式ならばこれが一番。ベィスボゥラーとの一騎打ちなら負ける気がしない。



「所詮アンタは記録がメイン。アタイは便利屋がメイン。∞の方程式を答える管理人なアタイだってのー!」



リップル相馬はその能力を含め、あらゆる管理人の役割を埋めることができる。

万能に作られた彼女と、記録を護るためにいるベィスボゥラー。



「戦闘タイプにも、あんたみたいにも、アタイには成れる!どんな攻撃にも対応してみせる!どんな防御にも対応してみせる!」

「そ」



ベィスボゥラーはバットを一度磨いた。



「護るため、です。そう簡単に倒せるとは思わないでください」



バットを握り、打つ構えを取れば最強の打者に変貌する。

相手が強かろうと標的という意味では2人は違う。



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