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RELIS  作者: 孤独
ハーネット編
216/634

ハーネットでは勝てない理由



ハーネット VS 蒲生。



蒲生は度重なる連戦を経ての対決となっているわけだが……。この戦況。依然として蒲生が優位に立っていた。

それに気付かないハーネットではない。(ただし、ハーネットが蒲生に劣るとは言わない)



ハーネットが抱える不安要素はいくつもある。



不安要素①

自身はハーネットであるが、彼が借りている肉体は春藍だということ。

パイスーと同レベルに達するほどの魔力と能力を取り戻したわけだが、魔力の回復力まで取り戻していないこと。燃費が悪く、一つ一つの技に大量の魔力を消費していること。

本来の肉体であればさらに連続して、大きな技も使用したであろう。



不安要素②

"魔術"の破壊と"超人"の破壊の違い。

魔術は言わずもがな、魔力を必要として動く物である。反面、超人というのはその能力が体に染み付いているため、必要なエネルギーというのはあまりないのである。蒲生はあれだけの破壊力を持っていながら、そこまで体力は削られない。一方でハーネットは蒲生を上回る破壊を生み出すことはできても、長く使用することはできないのだ。



不安要素③

単純なサイズと手段の差。

蒲生は破壊光線だけでなく、その気になれば先ほどみせた突進なども扱える、いわゆる単純な殴り合い、格闘戦をも可能であった。しかも、どの選択でもハーネットと戦える破壊力を持っているだろう。対して、ハーネットが蒲生に対して有効な攻撃は"マグニチュード"しかなく、これがなくなればハーネットに打つ手はない。



不安要素④

戦える、および行動できるエリアの狭さ。

蒲生には両翼があり、空中戦をも可能。ハーネットは自分が空中に身を投げられることはできても、自由に行動することはできない。"マグニチュード"が破壊にしか向いていないとされる"魔術"だからだ。異世界の崩壊から脱出するのも蒲生よりも手段が限られる。




ハーネットを有利にしてくれる大地も蒲生によって削られればアウトである。


「うーーん」


もっともハーネットが苦しんでいるのは肉体が本体ではないことだった。


「肉体の疲労と魔術の疲労が重なると厳しいな」


全盛期を取り戻しているような戦闘に春藍の体は悲鳴を上げている。冷静な面をしているが、相当キツイのだろう。


「博打をするかな」


ハーネットは不満気な顔を作った。蒲生より優位になれる点は持っている頭脳の違いだろう。パワー重視で細かい事は気にしないで破壊を繰り返す蒲生を相手に賭けをするのは嫌だが……。

蒲生について推測できることが1つある。

それは、破壊できる威力及び範囲に対して、蒲生の索敵能力が狭く、精度が悪いこと。……っと書くと蒲生がしょぼく思えるので。飛び抜けている破壊能力に対して、並の感知能力しか備わっていない。がおそらく合っている。

一度敵の姿を見失うとなかなか見つけられないという点。攻撃が強すぎるため、敵を倒したという手応えが蒲生に伝わっていないなど。彼のミス=彼の欠点であると思える。



いくら彼が"無限牢"の異世界を分断しているシステムを物理的に破壊可能でも、それだけ広大な戦場で戦えるかは別。向いているが限度もちゃんとある。



バギイイイイイィィィッッ



【どこだハーネット!!!】



蒲生は本気を出したが、この本気を出して仕留めきれていない相手と戦ったことは無論初めて。だが、ハーネットは違う。自分を知れる相手と出会っていた。

その差は確かに大きく、能力を活かせる知恵が回る。分析力も高い。闘志もある。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



マーティ・クロヴェルが震源地。

そこを中心に、近くにあった7つの異世界は崩壊した。運営すら不能なほど徹底的な破壊に巻き込まれた。そして、少し離れた17つの異世界は分断するシステムが破壊され、世界が繫がっていた。



ハーネットVS蒲生。

戦闘開始から2時間ほどの時間が経った。だが、そのほとんどは蒲生の暴れ過ぎた時間である。そして、今も暴れまくっている。

多くの世界が犠牲となったが…………。



「ふぁーーーー……………あー、良かった。現実世界で起きれたよ」



ハーネットにはもう一つの能力がある。あまり能力とは言えないが、"管理人同期"と呼ばれる"超人"の力。


「念のため、奪っておいて良かった」


管理人が使う"無限牢"内にある異世界に移動できる科学を使って、蒲生の攻撃が届かない異世界に逃げて休憩をとるという選択。彼がライラや蒲生達の前に姿を現したのが遅かったのは色々な道具の調達をしていたからだ。マーティ・クロヴェルが壊されてからでは遅い。

蒲生の長時間戦える体力には感服する。だが、時には休む事や考える事も必要だった。

この選択はまだ大人しくしているポセイドン、桂といったかつての自分とパイスーを倒した管理人達を呼ばれるという可能性もあった。蒲生が1人だからこその博打。体の疲労もかなり回復することができた。一方でさすがの蒲生も疲れが出てきているだろう。

戦っているのにこう書くのもオカシイことだが、再び対峙するハーネットと蒲生。



【!姿を見せたな】

「久しぶりな再会で」



いい加減死ねよ、このクソ鳥。



休憩をとってからの、"マグニチュード"の威力は今の蒲生の破壊光線を軽く上回っていた威力を持っていた。

蒲生が何度も地に叩きつけられ、いくつもの羽が抜け落ちていった。


「殺してやんないとな」


ハーネットは最初から短期決戦。回復した全てを使い尽くして葬ろうと、チャンスを逃さないように蒲生を襲った。



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