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RELIS  作者: 孤独
ハーネット編
213/634

ハーネット登場


サラサラ……………


「は、春藍!?」

「!…………ああ、この子の事かな?」



春藍の髪色が赤紫から少しずつ銀色に変わっていった。



「しばらく"借りている"よ」

「!……!?……………」

「こ、この人は一体…………」


春藍慶介?


【お前がハーネットで間違いないな】

「……ああ。この姿でそう呼ばれると成功しているようだ。いや、良かった」


蒲生の問いにハーネットは答える。しかし、髪色が徐々に銀色になっていくだけで外見は春藍のままと言える。


「あなたが……」

「君達へのお話は後だね。ひとまず、目の前にいる怪物。蒲生を殺さないと窮地は抜けられない」


春藍なら決して言わない。声の出し方も違う。

ライラは本当に、春藍じゃないと分かったし。目の前にいるのが、蒲生の言うとおりハーネットならば。身が震えるほどだった。


蒲生の9つの口が開き、蓄えた力を再び吐いた。


「無関係の人々も狙うなんて酷いじゃないか」


ゴオオオオォォォッッ


「"天変地異"」


キュインッ


ハーネットは前に出していた右手を少し、傾けた。たったそれだけであったが…………。蒲生のビーム攻撃の軌道がずれたのか、ハーネット達に直撃するよりも先に地面に衝突した。



「え?」

「へ?」

【!!?】



バギイイイィィィッッ



突如、ライラ、夜弧、ロイの3人は真っ逆さまに落下する感覚を味わう。空を羽ばたく蒲生も突如、背中を地面に叩きつけられる。


「"ワールドクラス"の激突だ」

【!!こ、これは…………】



蒲生は気付く。背中に地面に叩きつけられたが、感じる重力は蒲生を空へ叩き落とそうとしていた。何がどうなっているか、ライラ達には分からないが。蒲生は分かり、地上から空へと降りていった。



【大地と空の位置をずらしたのか!!?】



ザザザザザザザザザ



とんでもない不思議な光景だった。マーティ・クロヴェルに生息している魔物達が、底の見えない空に落ちて行く。大地に根を張っていた木も、重力に耐えられずに空へ落ちていく。ライラが作り出した氷塊も空へと落ちて行く。支えが無いものはドンドン下へ……空へ落ちる。

っていうか、さっき。無関係な人を巻き込むなって言っていなかったっけ?気のせいか。ならしょうがない。



ハーネットは木の上に乗りながら、空に落ちないようにする蒲生に攻撃を仕掛ける。春藍の姿であるが、彼のスタイルはライラと夜弧と同じ"魔術"であった。ライラも夜弧も驚くほどの魔力を保有しており、右手に魔力を溜めて蒲生に向けていた。



「"領域震度"」



拳を向けた一直線上……いや、扇形上に広がりを見せているはずだ。蒲生の体はスッポリと扇形の空間に入っていた。


【!!】


瞬間、蒲生の体は重力や引力に逆らったり、受け入れたり、上下左右メチャクチャの揺れを味わった。



バギイイイイィィィッッッ



【うおおおぉぉっっ!!?】



高速で何度も地面に叩きつけられ、蒲生の衝撃で地面も揺れる。木々や土が空へと落ちて行く。



「な、なんて"魔術"なの!?」


ライラと夜弧はロイを持ちながら、作り出した雲に乗っているだけで精一杯。



バギイイィッッ



【くっ………………】



ようやく揺れが収まったが、全身にダメージが染みこんだ蒲生。地上から離れて空へと落ちて行き、ハーネットからある程度離れて空中飛行を行う。


「タフな管理人だ。甘くはないな」


しかし、先制パンチとしたら十分過ぎる。

強力な空と大地の位置変更、蒲生の巨体を大きく揺らすほどの魔術。



ハーネット

スタイル:魔術

スタイル名:マグニチュード

詳細:魔力を振動や捻じ曲げる力に変換する。天地を引っくり返すなど、圧倒的なパワーを持っている能力。



桂、ポセイドンを苦しめたパイスーの仲間であり、彼に一度だけ勝利した男。即ち、最強に近かった者であり、この時代に突如現れた人間最強の可能性があるとも言える。


【ふふふ…………可能性は入れていた】


蒲生は今まで生きてきた戦歴の中で一番の大物と出会えたと確信した。


「!」


おそらく、実験通りに自分が復活できた事で調子に乗っている(浮かれている)ような感覚にあるハーネットの目を覚ませようとした蒲生。

ハーネットから距離をとってからの行動。それはとてつもなくシンプルであり、"超人"という機能美を現していた。先ほどと同じく、何事も変わりなく。咆哮と共に多種多様な光線を放った。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



「えーーーっ、そりゃないでしょ」



大地を貫き、世界の底に風穴を開けかねない攻撃。単なる攻撃力と攻撃範囲の増強、スピード3割増し。パワー、スピード、それらの増強。本気と書いて"力技"という胸熱い展開。

ハーネットは軽い声を出すも状況は最悪だなって毒気づいた。


「私の故郷を二度も潰されるのは見たくないのにな。どーすんだよ」



選択はなく。戦わざるおえない。それもただの戦いじゃない。制限時間付きの死闘。せっかく、戻ってこれたハーネットからしたら、遠慮したいルールだった。



「なぁ蒲生管理人!!私が世界を滅ぼすか、あなたが世界を滅ぼすしかないじゃないか!!」



蒲生の狙いは当然、ハーネットの殺害。最悪、全員で死ぬという選択。管理人の命をここで終わらす考えであった。



【すまないが、訂正があるな】

「!」

【俺はその程度で済ませる気はない。俺が本気を出した以上は】



ハーネットの予想は自分のみを考えていた。だから、次に蒲生が発した言葉に戦慄した。



【"無限牢"内の全世界は破滅する】



蒲生から放たれた咆哮と光線は一瞬の内にマーティ・クロヴェルを覆い尽くしていた。



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