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RELIS  作者: 孤独
伊達・ネセリア・ヒルマン編
186/634

~息抜き~③


男はどうしようもない奴だ。


「お前ってエロイ奴だなー」


まだ10年も鼓動を動かしておらず、股間に刺さった棒と仲良くしていない小僧には理解できないだろう。


「お前へんたいだー。将来へんたいだー」

「エッチな奴だー」


何がおかしいんだよ?そんなことを言っちまうテメェは永久に小僧のままいるのか?世の中には股間に刺さった棒を使えず死ぬ奴もいるんだよ。エロくないといけねぇんだよ。男の武器であり、誇りだろ。なぁ?生まれたばかりに等しいお前等の命がどうできたか、教科書に書き記してやるよ。



「何してんだ小僧共」

「!あ、……ロイ様!」

「ロイチャンピオンだーー!」



ロイはタドマールの代表として視察を行っていた。特に子供達の教育現場に訪れ、体育の授業を教えたりしていた。肉体労働でも良かったが、アレクに馬鹿はいらないとキツク断られちょっとイラッと来た。あいつとは仲良くはできない。本能が言っている。

教育の方面に配属されたのは彼にとって良かった。基本馬鹿であるが、自ら馬鹿だと理解しているのか、馬鹿がどのように物事を憶えるのか分かっており、すぐさま上達させる。謡歌やヒュールも関心するほど、教えるのが上手く。人気教師の1人である。



「何してんだ?」

「ロイ様、その」

「こいつ、なんかエッチな写真ばっか持ってるんです!」

「い、言うなよ!」

「エッチな…………写真……だと!?」



その言葉にロイは子供相手に"紫電一閃"を使ってまで写真を強奪。タドマールではカメラなどは貴重な物であり、写真なんて滅多にとられない。しかし、フォーワールドではカメラやビデオなどは当たり前に存在しており、簡易に作成できる。

ちなみに子供が持っているカメラやビデオは戦争前に買った奴である。エロイ意味で大切にしていたようだ。



「…………ふんっ」

「ろ、ロイ様……」



写真は着替え中の女子画像であった。パンツ姿がキュートであり、エロくもあるが。多くの妻を持っているロイにとってはただの画像でしかなかった。鼻で笑って、大人の男の凄さを見せ付けるように子供達に言ってのける。


「覗きがなっちゃいない」

「な、なんと…………」

「隠れて撮るから女の子の感情まで隠れちまってるだろうが。陰険な男は女子からモテねぇーぞ」


盗撮する奴ってモテんの?


「おい、このカメラの使い方を教えろ。ついでにビデオとかいう機械のやり方もな」

「は、はい」

「ま、まさか……ロイ様。自ら、覗きに行くんですか?」

「あ?なに馬鹿な事を聞いているんだよ?当たり前に覗きに行くから教えてもらってんだろ?男は女を振り回し、振り回されてこそだ」

「か、か、かっけーっす!!」

「え、エロ写真を撮るために自ら行くなんて…………」

「男。男過ぎる!」

「お前等なー。男ってのは女がいなきゃ生きていけねぇ生物なんだよ。女もそうだ。イチイチ、エロイ奴だなーとかほざくのは母ちゃんのミルクを飲んでいる間にしとけ」



ロイの言葉に、女に好奇心が満ちている健全な男子達が敬礼するほどである。


「決行は今夜だ。女用、大浴場に俺自ら侵入してやる」

「宣言!!かっけーー!!」




戦争から一ヶ月以上。住宅タワーは順調に建っていき、住民達はちゃんと家を持つ事ができた。そして、同時にアレクが色んな会社を設立し始める。職はフォーワールドに溢れるようになった。住宅タワーには銭湯施設ができ、その管理は人間が行っている。今現在、従業員は25名の20時間営業。残りの4時間は清掃や備品整理である。



「ボディチェック。よろしいでしょうか?」

「おう」



銭湯に入るため、盗撮などがないかボディチェックされることになった。これは男も女も同じ行われる。



「では、男湯の方へどうぞ」


チェックが済んでから男湯に案内されるロイ。

フォーワールドでは基本的に個室シャワーが多かったため、このような団体で一日の汗を流す場は慣れていない。逆にタドマールの者達はお風呂が普通であった。でも、混浴も結構あった。

風紀を考えれば混浴はあまりよろしくないため、このボディチェックが済んでから男湯と女湯の道が別れて覗ける浪漫は0になる。そしてカメラなどもないまま、どうやってロイが女湯に向かうのか。男湯の脱衣所に入って服を脱いでタオル一枚持って風呂場に向かおうとする瞬間だった。



ウオォォンッ



それはロイにある男としての本能が爆発しているかのような速さでボディガードをしていた者達に気付かれぬ速度で消え、周りのお客様や通り過ぎる人間達が気付けない。風すら置いていくロイの足の速さは2秒弱で自分が使う部屋に辿り着き、カメラとビデオを手にして即座に引き返し、なおかつ部屋の鍵を閉めてタオルの中へ。そして、誰にも気付かれずに女湯の方へ入っていく。この出来事、全てタオル一丁の恰好でやり遂げる。



「ふっ」



圧倒的なスピードと同時に。女性の脱衣所にタオル一枚という防御0の恰好で、なおかつカメラとビデオの両方を所持して入り込むクソ度胸を持った男。


「すんすん」


ひ、ひ、ひ、久々に嗅いだ~~。女の優雅な香り~~たまらん~~~。今まで我慢しすぎだろ俺ー。アレクの野郎、○俗店もさっさと作れよな。


「すーはー、すーはー」


女性の香りが充満するここの空気を吸い込むロイ。盗撮では味わえないこと。ちなみにロイは脱衣所の天井に張り付いて気配を断っている。大きな身体でも隠し通す超人。



ガラガラガラガラ



女湯の扉が開いて女性が出てきた後に、ロイ。先ほどの荒業をやってのけたスピードで女湯に突撃。そして、再び天井に張り付く。



ギシイィッ



せっかくできたばかりの建物だというのに、指で天井に穴を空けて掴める箇所を瞬時に作っている。昇る湯気に当てられながらもロイの目と耳はしっかりとお風呂を愉しんでいる女性達の様子を捉えた。監視カメラが映し出している角度でその立派な身体を見られる。



「おぉっ」



フォーワールドの女性はなんとタオルを巻かずに大胆な姿で入浴をしていて、そんな姿を注意したり疑問に思ったりして、トークを作っているタドマールの女性達。お風呂の入り方を学んだり、シャワーの使い方を学んだりしている人々がこの風呂場にいた。

異文化の交流。こーゆう日常に溢れたところは上手にいっていた。とても心地よく過ごしている者達をエロ目的で撮影するロイ。湯気でしっかりと映っているか怪しいが、そこはフォーワールドの科学力がものをいう。たとえ霧の中でも鮮明に標的を映し出すクリアな技術がいかされ、しっかりとその容姿を撮影してくれる。変態に技術を与えてはいけない。



「よっし」



バッチリとビデオでの撮影をおえた後、今度はカメラに切り替える。手に持った後、大胆にロイは落下。



ドポーーンッ



「え?」

「なになに?」



ロイがタオル一枚でこの風呂場にやってきた理由。女湯に浸かるためである。



「ふーっ、良い風呂だー。サイコーだ。隣とは雲泥の差だ」

「きゃーーーーーーーー!!!」

「ロ、ロ、ロ、ロイ様ーー!!」


突然の男襲来に悲鳴が上がったり、


「あ、ロイ様。こんにちは」

「おう」


何事も無かったように挨拶を交わしたりする人もいる。ロイはこのドキマキしている女性達の表情を激写しまくる。子供の盗撮ではこの仕草が足りてない。まったく恥じていないパンモロ画像やパンツだけの画像と、顔を赤くして必死に隠そうとしているパンチラ画像ではおそらく後者が良いだろうとロイは感じている。布面積も重要であるが、やはり男は女に反応にしてなんぼなため、間違っても布に反応にするのはオカシイ!!と、ロイという男の力説をしたい。そもそも、相手にバレない盗撮は個人の満足が多い尽くすだろう。

ちなみに当たり前だが、いくら力を込めても盗撮は立派な犯罪である。


「ははは、みんな良い顔するな!」

「な、な、なんでカメラを持ってるんですかーー!」

「へ、変態過ぎますー!」


ロイにお湯をかけようとする女性達。逃げ惑ったりするが、ロイとロイが持っているカメラはちゃんと激写している。

ロイにとってはまるで天国にいるような気分。女性達の悲鳴に良い快感を覚える。彼女達の抵抗など無意味であり、グイグイと盗撮(通常の撮影)を繰り広げる。



「わははははは、愉しんだからもうトンズラするな!」

「い、いいから出てってください!!」

「訴えますからね!!」

「俺を訴える?無理を言うな!!さらばだ!!」



"紫電一閃"で女湯から逃走するロイ。すぐさま女性脱衣所から抜け出し(いくつかパンツもかっぱらった)、このカメラとビデオを子供達に渡しにいくという簡単な仕事であったのだが、予想外の敵がボディチェックをしていた地点にいた。



「!」


裸一丁に対して、相手は白衣を纏っているおっさん。誰もついてこれなかったロイのスピードを捉えて動きを封じる。



「アレク…………」

「やっぱり、テメェか。騒がしくてゆっくりできんかったぞ」


少し前、アレクも男湯で風呂に入っていた。防音も完備した状態にしたのだが、女性の悲鳴はよく響いて隣に届いてしまうのだ。


「どけよ。俺には使命がある。邪魔するなら男の意地で突破する」


カッコいい事を言っているが、手に持っているカメラとビデオがとんでもなく悪い印象を与えている。しかも、タオルしか着てないし。


「…………ロイ。恰好をどうにかしろ。服を着てから外に出ろ、変態にしか見えん。俺に変態の相手をしろというのか」


アレクさーん。こいつ、どう考えても変態しか感じられないですよ。


「いくぜ。……あ、ライターは使うなよ。ここが燃えちまう。いや、喰らいたくねぇじゃなくな」


一回負けているのを気にしているのか、今の発言は失言のような気もするぞ、ロイ。


「…………まぁいいさ」


なんとアレク、ロイの声に応えて素手で相手をするようだ。2人の対決(?)に周囲の人々は目を凝らした。だが、変態を見ている気がしてちょっと視線を逸らしたかった。

勝負は一瞬。ロイがアレクを抜いて子供達にカメラを届けることができるかどうか……。超人として、タドマールの戦士として、男として。同じ相手に2回も負けたくは無い。

さらに迅く。



「!!」

「おっしゃぁ!」



アレクという障害を突破し、"紫電一閃"で一気に子供達が待つ部屋へ駆け込んだ。



バタァンッ



「お前等!!待たせたな!!早く写真や動画にするんだ!!」

「ロイチャンピ……わーーーーー!!?」

「ロイ様ーーーー!!?」

「?」

「なんで素っ裸でこの部屋に押しかけてるのですかー!!?」

「!!!うおおおぉっ!!タオルがねぇーーー!!?やべぇ!!裸でここまで来ちまったのか、俺!!?」



さすがのロイも○○コを露出のまま、外をうろつくのは無理なようだ。

アレクを突破したが、その際にタオルを奪われて全裸にさせられる。


「おい、お前等服を貸せ!!」

「ええぇぇっ!?」

「で、でも。ロイ様!ここにロイ様が着られるサイズの服はないですよ!!」

「しまった、男子の脱衣所に置きっぱなしだーー!!つーか、部屋の鍵もどっかいった!!俺の部屋にも入れねぇーー!!」


ちなみにアレクが服も鍵も燃やしたそうだ。


「ど、ど、ど、ど、ど、どうする!?裸でもう一回そこに行くか!?アレクが立っていたらマジィぞ」

「その恰好が一番マズイです!!」

「あ、でも。とりあえず。カメラとかください!」

「おう。ほら、ちゃんと撮ってきた」


とりあえず、ロイは子供達が待っていたカメラとビデオを渡した。


「……とりあえず、○○○を隠せるタオルとか貸してくれ」

「そ、そうですね」


ロイはしばらくこの部屋で過ごす事になった。現像した写真を子供達と一緒に愉しんだそうだ。そして、子供達の評価は上がった反面、大人からの評価は下がったそうだ。


あと、3日ほどタオル一丁で過ごしたらしい。(アレクが鍵を作ってくれなかったから)




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