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RELIS  作者: 孤独
伊達・ネセリア・ヒルマン編
178/634

管理人、新橋と色物集団ブライアント・ワークス登場

また別の異世界でのお話。

管理人達の補強は最後の1人になろうとしていた。

ヒタス、グルメーダ・ロンツェといった色々な奴等の中で性格面だけならまとも。業務面でも、戦闘面ではまともとは良い難い。ただし言えるのは性格だけはまともである。

彼女を推薦したのは蒲生。蒲生の中では彼女が一番、知っている管理人の中で上に推したい人物であった。



「話は通っているな?」

「はい」

「…………………」

「あの蒲生様、ドーナッツを食べますか?」

「気にしているのはそれじゃない」



新橋

管理人ナンバー:121

スタイル:超人

スタイル名:隅土



珍しい女性型の管理人。幼女でありながら、中身は強烈なサイコパスな粕珠と違い、性格はまともである。ちなみに人間的な感性で言えば彼女は綺麗な方である。

アクセサリーと思っているのか知らないが、いつもドーナッツを食べている。安いし美味しいからという理由でずーっと食べられるのは彼女くらいだろう。しかし、問題はそこではない。


「……別に俺はお前に危害を与えに来たわけではない。ちゃんと座ってくれ」

「あたしはこれが正常です」



蒲生が気にしているのは新橋の姿勢である。自分も馬鹿デカイためロクに座れないのだが、新橋のサイズは朴くらいの体型であり、置かれている椅子にはちゃんと座れる。でも座らない。彼女の定位置は床である。背中をキッチリと床につけて、見上げるように。そう物理的に蒲生を見上げているのである。



「背を床につけるな。汚れるぞ」

「大丈夫です。これであたしに死角はありません。最近スパッツも装備し、パンツも観る事は叶いません。亡くなられたインビジブル様でももう、どこにも触れなくなったでしょう」

「言っている時点で負けだと、俺は思うぞ…………」



巨人との会話が成立している時点でかなりシュールな状況である。

蒲生の巨大さにここの世界の住民は驚いているわけだし、それに対して失礼(?)に値するような、背中を床につけて対応する新橋。


「……新橋。お前がどれだけの力をつけたか。再確認させてくれ」

「構いません。蒲生様の要請はお受けします。あたしにその実力があると、再確認することは確かでしょう」

「…………行くぞ」



梁河を実質倒したのは蒲生である。巨大過ぎる身体から繰り出される拳はあらゆる物を物理的に破壊してしまうだろう。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



新橋に放たれた拳の余波は広がって周囲の建物に大きく影響を与えた。震えたり、壊れたり、割れたりした。にも関わらず、拳の中心部にいる新橋には傷一つつかない。



「これがあたしの"隅土"です…………いかがでしょうか?」

「…………合格だ。お前を昇格させる」



新橋に合格を言い渡す蒲生であったが、


「ところで壊した建物はどこから予算を出すのです?」

「あ、…………お、俺の懐からだす……」


うっかりと周辺の町も潰してしまった蒲生はあとで、修繕の手続きを行ったそうだ。





……………………………………………………………



「いらっしゃいませぇ~」


そこは"金の城下街"ゴールゥンと似ている世界だった。

"萌える美術館"キバアハラと呼ばれる世界。音楽がゴールゥンなら、キバアハラは芸術を中心とした世界であった。

ただ美を追求するだけでなく、独創性や手段は何でも良かった。

2次元、3次元。絵、コスプレ、動画、漫画、ドラマ、ラノベ…………。人を楽しませる物を輩出する世界。

その世界にある人気メイドカフェで陣取っている奇妙な連中がいた。



「デュフフフフ。可愛いですな~」

「いやんっ。止めてください!セクハラですぅー」

「デュフ。冗談でござるよー。これくらいにするでごわす」


謎、謎、謎&謎な。汗だくで眼鏡でデブな男が、メイドの胸を触れる変態行動をかましていた。

彼の横に置かれているのは、パンパンに中身の入った……いや、太くて巻かれた紙のような物がはみ出ているリュックと、雨が降っているわけではないのに大きな身体がちゃんと入る傘がある。リュックの背には汗の臭いと痕があった。


「デュフフフ、メイドは正義」

「キンメェーな」

「大塚ぁぁー。それ、この自分に言ってるんでごわすか?」

「たりめぇだ。クソキモオタクデブ」


気持ち悪いデブに反して、とても清楚な雰囲気が漂っているキレマークを頬につけている中学生がデブと向かい合って言っている。デブは眼鏡を挙げて


「的を得ている」


かっこつけている感じで言っていた。


「…………ケチェリ。毎回、このメイドカフェで開くのは止めようぜ。普通にありえねぇ」

「デュフフフ。思春期な君にはメイド……」

「興味ねぇ!!科学にしか恋はできねぇなぁ!!」

「科学の擬人化待ったなし!デュフフフ」


まともそうに見える大塚もかなりの変人…………。


「"黒リリスの一団"が死んだんだよ」

「時代は動くと…………確信」


気持ち悪いデブと中学生がいるテーブルの隣のテーブルにいる男女の組み合わせ。


「ラブってそうだな、ナルア。グール」


デブに向けるのと同じくらい、嫌な眼を二人に向ける大塚。


「デュフフフフ。萌えは文化ですなぁ~。ご結婚おめでとう。爆ぜろ、リア充共」


デブも奴等に、死ねと現す手を向ける。



「組織恋愛は違反じゃないだろう?」

「仕事がちゃんとできれば関係ないですの」



男はミュジーシャンみたいにヘッドフォンを装着し、女はヘッドフォン型のマイクを装着した可愛い子。


「デュフフフフ。メンバーはお揃わず。でも、それなりですな」

「……いや、もう1人来るぜ。変態野郎が…………」

「デュフ?」



大塚の予感から。……およそ、十分後。


「来るの、遅っ!!」

「来る予感が分かってる口をしといてかっこ悪い、大塚!!」

「うっせー!!来るのはお前等も分かってただろ!あいつくらいは来るんだよ!」

「デュフフフフフ」


律儀に奴を待っている4人。メイドカフェの扉が開き、向かえにいくメイド達もかなりビックリしていらっしゃいませと言っていた。なんたって、そいつは海パンとハチマキ、槍を持ってメイドカフェにやってきた。恰好があれだが、集合している4人の中では面はまともだ。

だが、全員神経が狂っている。それは共通である。



「お前等、悪ぃーな。待たせたみてぇだ」

「デュフフフフ。待っていたぞ、ダネッサ」

「これでほぼ全員が出席……」

「"ブライアント・ワークス"の勢揃いってところか…………」



ブライアント・ワークスと名乗る組織。

まだそれは、"黒リリスの一団"よりも名は広まっていない。活動はいつも密やかだからだ。だが、それはもうすぐ解かれようとする。彼の者の復活と同時に…………。



ダネッサ・オルトゥルス

スタイル:科学

スタイル名:槍厨ロィズ

どんな奴:メイドカフェでも海パンで入れる小麦色の肌を持つ男



ケチェリ・リーヴァー

スタイル:科学

スタイル名:七曜表

どんな奴:クソ気持ち悪いオタクでリュック&傘を常に持っているデブ



大塚

スタイル:科学

スタイル名:ALL・TYPE・NOBODY(愛すら食い尽くす)

どんな奴:中学生っぽいようで中身は科学しか興味がない純粋なガキ。キレマークがいつも出てる。



ナルア

スタイル:科学

スタイル名:迅龍

どんな奴:ヘッドフォンを付けたリア充的な若者。ヘット・グールとは付き合っている。



ヘット・グール

スタイル:科学

スタイル名:喰人

どんな奴:ヘッドフォン型のマイクを装着しているリア充的な若者。ナルアとは付き合っている。



色物集団過ぎると、……メイドや他の客達も思っているだろう。

ぶっちぎっての変態が2人、席に座っているだけでドン引きである。

だが、おかまいなしに話し合うメンバー達。


「一つの時代が終わった」

「人類と管理人……戦えばそんなもの。いくら人類最強と言われるパイスーがいても、桂、ポセイドン様、他の管理人が束になれば敵わない」

「デュフフフフ。しかし、だ。自分はその最強と手合わせしたかったな。巡り会えんとは、無限牢の罪。出会えば好敵手になったかもしれないでごわすよ」

「それは俺も同感だ。なーんでお主様は呼んでくれねぇのかな?」



変態度合いがハンパ無い二人。とても好戦的な言葉を吐く、ケチェリとダネッサ。しかし、大塚は言っておく。


「ケチェリは戦闘要員じゃねぇーだろ。使用する科学が全然戦闘に向いていない」

「デュフフフフ。確かに自分は戦闘向きの能力じゃない。デュフ。でも、戦闘の好き嫌いは別なんだよ。中学生」


会話中。ケチェリはある場面を目撃した。とても気に入ったメイドにお触りする悪そうな男達。


「や、止めてください!!」

「あー!?ちょっとくらい良いだろ」

「俺達の席に来いよ」


ケチェリに虫唾が走る。相手は複数。デブな自分であり、だるんだるんなお肉が揺れながら、とんでもない速度とパワーを兼ね備えた打撃を正確に、男達だけに放った。



バギイイイィィィッ



「デュホホホ。メイドの独占禁止」

「あ、あ、ああ…………」


メイドはありがとうなんて言わなかった。だって、助けてくれた奴がキモイんだもん。勇者みたいにカッコよければ絶対に言っていた。同じ変態でもダネッサあたりだったら言っていた。汗だくで揺れる肉塊に助けられても、素直に言えない。理想の王子様は女にはあるものだ。

一方でケチェリに殴り飛ばされた男達はこの店を飛び出し、地面に突き刺さって死んでいた。"超人"ではないケチェリが繰り出す脅威の打撃。



「大塚ぁぁ~。見ただろ。デュフフフフ。自分は戦うことができるデブなんだ」

「お前が助けた子、お前を見てかなり泣いていたぞ」

「デュフフフフ。助けたことは事実なんですたい」



再び大人しく席に戻るケチェリ。助けたメイドは泣き出してどっかいった。

ケチェリが座ってから、ダネッサは全員に周知する。予感ではなく、決定事項。ちょっと先で起こる、黒リリスの一団並みの戦争を。


「俺達が戦うのはほんの一瞬よ」

「ダネッサ」

「ふふふ…………次の戦争は俺達が動く。証明するためにいるのが男であり、命の耀き」

「………………」

「管理人 VS 管理人。そして、科学 VS 超人+魔術。……かつての人類が持ち寄っていた思想や政教。それを決める戦いができる時代になる」

「デュフフフフフ」

「科学が勝ち………」

「世界は一つに纏まる事を…………」



我等、ブライアント・ワークス。

世界を支配するべく。科学に全てを捧げる。



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