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RELIS  作者: 孤独
"罪滅ぼし"ネクストステッパー編
137/634

ヒロインなんだよ。彼女がそうなんだけど…………物凄く久々の登場過ぎる。一人称や能力がなんだったか確認してしまうほど久々だから、ちゃんと活躍するか心配である。


ネクストステッパーのどこかの湿地帯。パイスーがいる方向とは別のところにいる3人。

酷く、反省中の3人。


「ラ、ライラが1人で行っちゃいましたけど……その」

「止めろ。俺達まで巻き込むかもしれない。俺やロイと違って、味方ごと巻き込む能力だ(俺はロイなら巻き込むがな)」

「あー、すげー怖かった。胸倉捕まれた時、ハラハラしたの初めてだ。浮気や不倫を許さないタイプの女性だな」



ネセリア、アレク、ロイがそこで待機していた。

ダグリオンからフォーワールドに帰還した後、ライラと合流することができ。春藍が攫われてしまった経緯、及び謝罪をしたわけだが。ぶちギレ。アレク、グーパンチ。ロイ、飛び蹴りと背負い投げ、ネセリア………には何もしなかった。

そして、管理人の桂が協力してもらい、なんとか春藍と黒リリスの一団がいる世界を知ってここまでやってきたのである。



「…………無事でいてくれ、春藍…………頼むぞ、ライラ」


それだけを願っているアレクだ。





そして、ライラと粕珠の対決の場。


「ああぁ?なんだべぇ?この2人と同じくお前も絶頂したいんだべ?」


不意を喰らったが、しぶとい粕珠。ライラの攻撃を受けても立ち上がるクソガキである。



バギイイィィッ



「!っっ」

「きゃははは、おばちゃんじゃんあんた。18歳以上の人はこの城にいると刑がくだされるんだべー。お・ば・さ・ん」


"政聖天使達フェスティーバ・セイント"

これが作動し続ける限り、粕珠の絶対優位は変わらない。インティやリア、ザラマなどを倒してきたこの科学。当然、ライラにも適応されている。


「ふーん」


ライラはキレているが、非常に冷静であった。ポセイドン、ザラマ、リアの三名が大暴れし、自分が降らせていた雨が城内全員に降り注ぎ、情報を収集できていたからだ。ずーっと雲の上にいた。

粕珠はその事を知らない。これはとてつもなく、ライラにとって有利であると同時に。


「ま、あんた死ぬけど」



モクモクモクモク



「!!」


能力的に言っても、ライラは粕珠とは相性が抜群に良いのだ。アレク、ロイよりもこの手の相手には非常に向いている。



ドヒューーーーンンッ


粕珠の足元から発生させた浮き上がる雲。それに乗せられ急浮上させられる粕珠。


「うおおぉっ!!?」


ライラも城内にいては危ないと分かり、即座に上空へと雲で上がった。"政聖天使達フェスティーバ・セイント"の範囲外に出ればダメージなど通るわけがない。そして、何より



「こ、こ、攻撃をしているべ!!あいつに刑を与えられるはずだべ!!」

『う、う~~ん』

『やばいよ、粕珠ちん』

『自然的な事だから、法律が適応されないよ!』

『これは天の悪戯かもしれないんだよ』

『法律は人を縛れるけど、天気は縛れないんだよ!!』

「!!!ッ!」



ライラの"ピサロ"は作られる法律外の能力。

台風が来たから台風死刑、大雪が来たから大雪は終身刑なんてできたら、人類の生活は全員平和でいられただろう。法律などは人のためにあるものだ。

雲で上空へと突き上げられる。高さが増すたびに粕珠は恐怖する。



「っ」


おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい。

こ、こ、こ、こ、こんな高さから落とされたら死ぬ!死ぬべぇ!!こんな事故みたいな攻撃は、マジでヤバイべ。しかも、あのクラゲ娘も範囲外に出やがったべ!!こーゆう戦い方をされたら、俺っちに勝ちの目があるはずがねぇーべ!あるはずがねぇーべ!!


「あらー」

「!!」

「痛みが無くなったわー。あんたの法律(?)みたいな力、上空じゃ使えないのねー。設置する能力の弱点ねー」


粕珠の想像は幼稚な事だった。恐れずに飛び込んでいたら救われたと思う。

優しそうな笑顔を見せるライラが、双方の雲を広げ始めて下には絶対落ちれないように工夫をしてくれている。優しいようで残酷なことだ。


「さっきさ。言ったよね、クソガキ」

「!っ」

「あたしをお・ば・さ・ん……って。ねぇ。言ったわよね?クソガキ」


身長と体重、体術面においても。ライラは粕珠を大きく上回っている。


「あたしは24だから!!ババアやおばさんって呼ばれる歳じゃないわよ!!」

「意外と歳食ってるんだべ!!」


雲の上での暴力。言葉が悪くなければ幼女虐待の光景である。粕珠の顔面を殴る。殴る。蹴る。

泣いたところで許されない。粕珠の骨身に染みこませるために正確に叩き、血管を破裂させる振るう、綺麗なお肌をプックリと腫れさせるための暴力。大人が幼い子供に向ける残虐な力。形の違いを思い知らせる。



「うえぇっ」

「ちょっと、泣かないでよ」



ゴギャアァァッ



ライラは決して笑わない。粕珠やリア、パイスーのような狂気的な笑みで繰り出す攻撃とは違い、冷徹で真剣で、躾という言葉を交えた力を向けているのだろう。なんら楽しくはない。が、溜め込んでいた怒りが徐々に消えていく感覚があった。

とはいえ、溜め込んでいた怒りは山のように高くて、早々平坦にはならない。


「まだまだ終わらせない、死ぬしか解決できないくらい追い込む。そして、あたしはアンタを殺さないようにする」



バギイイィッ



「あんたがやってきた事をあんた自身で知りなさい」



ライラは体術のみで粕珠を圧倒し続けた。ボロ雑巾のように痛めつけた。粕珠は酷い呼吸困難に追い込まれ、左目を抉られ、耳を踏み潰され、左腕を折られ、インティに切り落とされた右腕の傷口部分をグリグリと手を突っ込まれかき回された。


「ふぅっふぅっ」



油断してるべ、慢心してるべ……。あたちにはグローミ・シソーラスがある。刑を貼り付けた左手で奴を掴めばこの罪よりも重い刑を与えてやるべぇ。

最後まで演技するんだべ。



グジャアァァッ



ボロボロにやられながら、カウンターを狙っている粕珠。殺さない事を後悔させてやろうとやられながらも抱いている。



ベギイィッ



「ううぅっ」



頭から出血し、ボロボロな身体となっている。粕珠は


「ゆ、許してください」


命乞いをしながら、ライラに頭を向け泣きじゃくる。


「もう、止めてぇぇ」


乙女の声を吐き出し、近づいてくるライラの一瞬の油断を作る。触れさえすれば逆転できる。タイミングを計らい。


ガッッ


粕珠はここ一番で気力を振り絞り、ライラに突進して行った。だが、ライラはそれが嘘だと見抜いていた。


「あなたの吐く全ての声が汚い」

「…っは……!……」


粕珠の足場となっている雲を解除し、ライラに触れる前に空から落っこちたのであった。




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