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RELIS  作者: 孤独
"罪滅ぼし"ネクストステッパー編
136/634

は~~~。これも飽きちまった。


「おい、クソガキ」



それは幼女の粕珠が言ってはいけないだろうって、春藍は思いながら地面に倒されていた。与えられた刑は潰されろだった。



「テメェって生命の性を見た事ねぇーべ?」

「?」

「嫌って思ってもー、運命や摂理みてぇーなもん。持って生まれたなんとやらってのは大切なんだべーーぇ?え?分かる?俺っちが言っている意味?」


ごめん、分からないという顔をしている春藍。緊迫や緊張を感じなかった。


「手っ取り早く見せるとするべー。そこに転がっている人間と、ガラクタもまぁーあるだろうべな」

「?ふ、2人に何をさせる気なのかな?」



リアとインティに近づく粕珠に少し危機感が増した春藍、



「クソガキはその内理解するべか?知った歳べか?経験済み?どっちにしろ、楽しくもねぇー幸運ってのはあるもんだべぇー」

「??」


初めて手に取ったエロ本やらエロ動画やらエロゲーやら。とにかく、まぁーなんでもいいや。思い出すことはできないが、いつからそーゆうのが必要になったか。



『ちょーひーわーいー』

『せーかいらーくしけーい』


天使達がどこから用意したか分からない。春藍には気持ち悪い形の道具だなって思ってみていた。道具にはそれだけしか思えることは分からなかったが、


「え」

「何々?」

『それー脱がしーちゃぇー』

『つける準備つける準備』

『とやー』

『わー!なんだろこの子ー。拘束具みたいなのつけてるー』

『へー、中って人間っぽー』



春藍はそーゆう光景を初めて見せつけられた。



「クソガキィ」


粕珠は春藍の頭を踏みつけながら、この光景を見せ付けた。


「俺っちが管理人なのか?って質問に答えてやるべぇ」


粕珠は本能的に春藍とは相容れないと理解した。そういえばこいつ、確かポセイドンが死体を欲しがっていた奴だと気付いた。だが、もうそんなのはどーでも良い。


「俺っちはなりたくはねぇーべ。かったりーべ。クソガキ」


ムカつくんだよ。インティと戦っていた時も、一つのことに真っ直ぐ向かっていた綺麗な目がむかつく。


「俺っちは知らずに生まれちまったんだべ。誰だってそうだべ?」


粕珠の踏みつけはそこまで強くはなかった。悪戯のような攻撃だった。だけれど、春藍の目に映っているリアとインティの姿は酷くもがいていた。それが本当の粕珠が春藍に行っている攻撃だった。体が震えてきた。酷い寒気とほんの少しの熱を感じた。



「おいおい、目を逸らすのは勿体無い光景だべぇ」

「ううぅっ」

「そそるだべ。どんな奴でもあの表情ー、ええのぉー。あーゆう潰れた幸せを出してる人間」

「止めて!止めさせて!」

「ダメダメ。お前。分かってねぇー。なんでお前も、あの2人も、心臓と脳みそと」



声と口と目と鼻と、イキかけている表情を残していると思っているの?分かってんの?え?楽しそうに苦しんでる様見て分からない。俺っち、れっきとした女も楽しめて。

な・ん・で、お前はこーゆうのを楽しめないかな。男としておかしくねぇー?


「見たくない!僕は見たくない!!」

「いいべぇいいべぇ。本当はもっともっと見てみたいだべ?そーゆう表情と声が良いよぉぉ」


死にてぇーーーって、人に思わせるなんて。なんて気持ちいいんだべ。抜けるぅっ…………。


「そうなのよー。あたちー。苦しんで苦しんで苦しんで、でも笑っているっていう喜んでいる命を見るともーーーーぅぅぅう。溜まらなくて。殺してるよりも楽しいんだべぇぇぇ」

「!」

「あぁ、いけない。お前。目を閉じちゃいけない」

『目ー開けろ!』

『開けろ開けろ』

「や、止めて!見たくない!リアも、インティにももう!!止めさせて」

「それはないべぇぇ。死ぬまで、ぶっ飛ぶのを待つんだべぇなぁぁぁ」



壊れたところを見せられた春藍。心が荒んでいくところが粕珠にはとても美味しかった。さらにそこへ、美味しくなるソースをかけるように春藍に追い討ちを仕掛ける。



『それじゃはっじめるよー!』

『君はどっちが嫌いっかなー』

『痛い目に合うのとー』

『人の痛いところを見続けるの』

『口で早く教えてねー』

『下半身畳折りの刑!かーいし!』

『あー!ちょっと待って、こいつ!両足が義足みたいだー!』

『じゃあ、大切そうな手を』

『壊しちゃおっか』

『びっきびきぶちぶち、潰しの刑でー』



ベギイィィッ


「あうっぅ」


同時に行われる拷問。自分自身が痛みを負い、他人の痛みを見続ける。


「苦しめ苦しめ!!悲壮に塗れろクソ人間共!!!俺っちを幸せにしろ!!胸を焼かせろ!!」


ビールをぐびぐび飲みながら春藍の頭を踏み続ける。刑にはしていないが、気持ちいいからやっている粕珠。

3人の阿鼻叫喚が心にキュンキュン来る異常。正常じゃない心臓と脳みそは生まれ持っての才能。

相容れない個性のぶつかり合いはどちらかの劣等によって、決着がつく。

ザラマ、梁河、リア、インティ、そして春藍。

粕珠の幸せのために五名が倒れ、苦しんだ。彼女が生きるためにそうなっている。それが現実。人間が多ければ多いほど起こりうる事態。個性の反感。



ザーーーーーーー



「ひゃははははははははは!!!踊り喚け!!血も、潮も流してくれる大雨が降ってるんだべーー!バレやしねぇーんだべ!!もっと崩れて死んだ表情で生きてくれべ!!」

「えううぅっ…………」

『しっつもーん!』

『っていうかー、ラッキーチャンス?』

『両手潰しちゃったからー、このまま刑は止めてあっちを見るのを愉しんじゃう?』

『それともどMの精神で電撃ビリビリの刑?』

『雨降ってるから、雷直撃の刑もできるよー!』

『早く答えて君ー!どっち好きー』

『他人の不幸を見続けて、ついでに○○しちゃうのと』

『マゾヒスト魂みせて雷に撃たれるのー?』

『どっちが好きかなー』


春藍の両手は無残な形となっていた。グチャグチャになっていて、"創意工夫"も使えない手にされた。それが恐怖であり、未来まで繫がる傷。自分が浴びるのと…………。


「ぼ、僕は…………」


助かりたい…………


『時間切れー』

「!!」

『じゃあーセットにしよっか。ハッピーセットみたいな』

『雷直撃の刑から行っちゃうよー!!』

「はははははは、早く言えば良かったべなー!男が迷うから行けないんだべ。いらねぇー女はすぐに捨てるのが吉だべ」



粕珠達の表情をよく記憶した。許せない鬼畜だ。ここで死んじゃう。みんな、苦しんで苦しんで。死ぬって…………まともな整理ができる春藍だけが分かった。



『落ちてくるよー』

『頑張って耐えてねぇー!!まだまだ楽しい事あるはずだからー!』



あーー。

これで僕は死ねるのかなって……諦めて締まったような事を思って。



バギイイイィィィィッッ



雷が落ちてきたところまで正確に春藍は見ていたし、聞いていたのだった。そして、疑問はあとからやってきた。


「?」

「がはあぁぁっ……」

『え?』


ここにいる全員が理解できていない。確かに雷は落ちてきたのだが、春藍に命中しなかった。誰に落っこちて来たのか?

瞬間的に身体を焦がされる粕珠…………。粕珠に雷が直撃したと、春藍は気付いた。天使達も喰らった粕珠にも理解できていない。自分はマゾなんかじゃないって粕珠も思っているだろう。

なんでこんなことが起こった?なんでだ?

粕珠には理解できなかったが、春藍は倒れた状態でも。彼女が後ろにいる事に気付けた。


「え」


彼女はまたあの時みたいにいきなりやってきた。黄色の横髪と、クラゲっぽいヘアーで。


「まったく……なーんで!!なんで!あたしのいないところであんたは勝手な事をしてるのよ!!怒ってるからね!!そいつ等と行動してるし!!」

「あ……」


久々に、彼女に怒られた気がした春藍。でも嬉しい声だった。


「でー!!あんたが粕珠ね!!春藍も、リアも、インティも救うにはあんたを倒す以上の事をさせてもらうわよ!!!」

「だ、誰だおめぇ……………」



その言葉に凄くキレた表情を出す。怖い。リアに負けず劣らず怖い。降り注いでいる雨と雷がさらに強くなっているのが分かる。


「ライラ・ドロシーよ!!!このクソガキィィ!!!」




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