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RELIS  作者: 孤独
"罪滅ぼし"ネクストステッパー編
131/634

リア VS 粕珠と"大接戦を演じる剣"(BRAVE・LOVE・SEESAW・GAME)

管理人。粕珠。幼児体型の容姿をしている管理人である。


姿に油断したといえばそうだ。

邪悪で残忍だと評判がある管理人の姿が、とても愛らしい容姿を持つ幼女ちゃんだとは誰も疑わない。独特な方言で喋ってくれない限りは分かるわけがない。

この姿は"政聖天使達フェスティーバ・セイント"を使用するのには便利なのである。ザラマが述べた通り、相手が罠に掛からなければ何も意味がない。この幼女姿は相手を罠におびき寄せるのには非常に向いている。なにより誰もが油断してくれる。



ドゴオオオォォォォッ



ザラマ、梁河、インティ、そして、春藍を倒してみせた。この城内では最後の1人となったリアを相手に正面からやってきたのは罠に掛かったからだ。


「!!?がはぁぁっ!?」

「あれれれ?どーちたの?お姉ちゃん。身体が爆発しちゃったよー」


いちいちムカつくクソガキである。


「!」

『このお姉ちゃんの刑はいったいなんでしょー!?』

『そもそも罪状はー!?』

『体重オーバー!殺害しまくり!銃刀法違反!そもそも人間じゃなーい!』

『粕珠ちんに負けず劣らずの女性殺人鬼ー!』


いつの間にかリアの周囲に現れた天使達。天使の姿をしているが、やっていることは完全な悪魔である。見かけで判断してはダメだと分かるところだ。


『よって判決は誤爆死刑!』

『あっちゃー!銃器や爆弾を使っちゃうと自分が巻き込まれて死んじゃう刑だね!!』

『なんかひっさ~ん!』


粕珠が使用する二つの科学。

"政聖天使達フェスティーバ・セイント":

???型の科学。良く喋り鬱陶しい天使達は罪や刑を伝え、発行するだけでありそれ以外のことはしないため、無敵に近い防御性能があり、粕珠の知らないところで勝手に増殖する。

粕珠にのみ見える罠(禁止ゾーン)に対象者が入り、条件が揃った時に天使が対象者に取り付く。発行が完了し、実行までにはやや時間が掛かるものの、粕珠が近くにいれば実行時間を早めることができる。

また粕珠は触れた相手(生物に限り)に刑を実行させることができる。とても非力でも刑さえ与えればどんな奴でもぶっ殺せる。

ここでの刑というのはもう一つ所有している"狂奏類語辞典"の中にあるものである。



"狂奏類語辞典グローミ・シソーラス":

辞典型の科学。辞書の中身はほとんどテキトーな罰ゲームである。ただし、ほとんどが死刑に匹敵する。辞書から文字を引っ張り出し、貼り付けることで刑を与えることもできる。ポセイドンが作った物を粕珠が改良した。

"政聖天使達フェスティーバ・セイント"と繫がっている。



「くっ……………」

「かっはは~。固い身体ぁ。普通なら死ぬ刑を耐えるってば、人間じゃねぇーべ!」



リアにとっては謎の誤爆。天使や粕珠の言葉に耳を貸さず、繰り返し粕珠に爆撃と銃撃を繰り出すも



バギイイィィッ


身体の有らぬところから銃弾がドバドバ飛び、体も内部で爆発が起こる。


「銃器を封じられただけでこの様だべぇ」

「くうっ」


兵器が使用できない。ただ強いだけじゃなく、能力を封じるというやり方もできる粕珠は非常に器用である。

リアは身体を変型させ、銃器類の武器を取り出した。使用回数はこれで3回目くらい?



ジュピィッ


「んあぁ」

「ア・ナ・タは鞭打ちの刑ですわよ☆」



左腕から鉄のような物でできた鞭を取り出したリア。粕珠目掛けて鞭を振るったが、一見正攻法は苦手と思われる容姿から見せる驚くべき回避能力。


「危ねーべ」

「!」


攻撃手段はほぼ待ち一辺倒であるため、避けるという一点は研ぎ澄まされている。強く早く振るっているリアの鞭であるが、使いこなせていないところとダメージが来ているせいで避けられる。


「くっ…………」

「どーしたべぇ?疲れちゃったの?お姉ちゃん?」

『粕珠ちん、すっごーい!避けの幼女ちゃん!』



ダメージは確かにある。外部からの攻撃は余裕で耐えられるが、内部からもらうとかなり効く。中でエラーが起こっているのはリアが一番分かっている。戦いの最中で修理をお願いしたいが、粕珠がそうはさせてもらえないだろうし、春藍も今…………



「この状況で男の心配って超余裕なのぉぉ~~?」



バギイイィッッ


「えっっ……ううぅっ…………」


"創意工夫"を填めているが、狂奏類語辞典の攻撃を浴び。じわりじわりとダメージが襲っていた。そのじわりじわりは一つ一つ強力だということを忘れてはいけない。春藍の身体が目に見えて傷付いていく。

だが、リアは春藍のやられ方を見て少し安堵する。やられっぷりは酷いが……目安としては1分以上くらいだろう。彼が死ぬまで……。



「ふふふふ」



相手の特技を封じたり、どんなに速く逃げても喰らってしまう粕珠の攻撃は掛かったら厄介だが、待ちの戦術をとる事からインティやロイのように連続で繰り出すことに向いていない。つまり、リアが粕珠と常に対峙していればこれ以上、春藍が死に近づく時間は早まったりする事はない。また、一度に与えられる刑は一つの刑だけ。刑を重ねて浴びせるのには時間が掛かり、隙ができると判断できた。銃器と兵器は使えないが武器はまだある。回避技術は認めるが、リアから逃げる技術まではない。



「へはははははは」



粕珠の慢心と余裕。リアが誤爆だけでは倒れなかったことは計算外であったが、背を向けて逃げる愚か者になるほどではない。キッチリとリアの特技を封じているから、避け続ければ勝てると判断している。

リアからしてみれば、それができるといいですわね~っと伝えたい。崩れた微笑みを粕珠に向ける。


「コロしちゃうわ☆このクソロリちゃん☆」

「きゃ~。こっわ~いぃぃ。やってみてぇ~。チョー・ド・ブ・ス」


これが高貴なお嬢様らしい奴と、愛らしいエプロンを着ている幼女が発する言葉じゃないし、リアは粕珠に対して右手の親指を下に向けるファックサイン。粕珠はリアに対して中指を突き上げた。

どちらの表情も鬼である。そして、リアは鞭を粕珠へと振るい続けた。



バジイイィッ


直撃したら痛いと分からせる十分な音を立てた。







一方で2人から遠く離れたところで同じくタイマンで戦っている組。パイスーVSポセイドンは進展していた。



ギイィッ



「ぐっ……」

「ふ」



唯一の観戦者である若はパイスーが苦戦した姿を始めて見た気がした。桂とはゼオンハート等と戦ってからの、いわゆる連戦だったからカウントはしていなかった。あの時喰らった傷がまだ響いているわけじゃないはず。


「う、嘘だろ。パイスー…………ちょ、調子が悪いのかよ!?」


接近戦ならば桂にだって勝てるだけの力量があるパイスーだ。ナンバーという指標であれば桂を凌ぐポセイドンだが、"科学"というスタイルは接近戦に強いという印象はない。

2分ほど戦い、やや押されている状況を見せたパイスー。


「くははは…………」


"科学"だろうが、ポセイドンは取り出した剣しか使っていない。お互い決定打を与えない手堅い立ち回りで始まり、最初の傷を浴びたのがパイスー。攻めきれず、防御に気を回す時間が遅れたところをポセイドンが一本とったというところだ。



「"キング"や、"肺装甲"を見せてやれよ!パイスー!お前の本当の実力をポセイドンに見せてやれよ!!」


若はそんなやられ方を見た故に、パイスーに指示をするが、




「黙ってろよ、素人」


「うっ」




「管理人一の科学使いの"強さ"ってのを味わってるが…………桂ほどの威圧感はこいつからは感じねぇな。間違いなく、テメェは桂には勝てねぇーよ」


先に一撃を喰らっていても余裕の言葉を吐く。

実力が高い者は対峙した者の能力を瞬時に見抜く(予測する)術を持っている。パイスーにはちゃんとあり、科学使いとの戦闘も多いからこそ。読みにくそうな能力も読み切れる。


「お互い探り合いは止めてんだよ、打ち止め気分ってところだ」

「…………ほぉ」

「う、打ち止め……?」

「決着をつける気がねぇーって事だ」


パイスーの解説。隙だらけを装っているが、ポセイドンは攻めにいかない。慎重ともとれるが、止めているともとれる。


「その剣は対峙した相手と同じ力量になれる力ってところだろ?俺が本気を出せばそのレベルにまで強さを引き上げる。最初からテメェが防御を重視したところと、上手くはねぇのに基本能力だけでこの俺と張り合えてところを見てピンと来たぜ」

「た、戦う相手と同じ力量になれる科学だって………そ、そんなのありかよ!!?」

「…………貴様、少し遊んでいただけか」



ポセイドンもパイスーの相手に合わせた守りには疑惑を持っていた。


「お互い、ここの戦場のメインはあっちだって思ってるんだろ?」



今、リアと粕珠が戦っている方を指差したパイスー。

ポセイドンはその科学を用いて無理はしないだろう。無理をしなければパイスーに敗れることはないからだ。この科学は攻めることではなく、無理をしないというのが強さだ。



「やれやれ、参るぜ。ぶっ倒して、殺してやりてぇのに……殺しにくい科学を持っているとはよぉぉ」



パイスーは言葉を漏らしながら、諦めを見せた表情を出しながらまたポセイドンに向かっていた。

同レベルの強さになれる科学を使われたらとんでもない長期戦になる。パイスーの解説に納得してしまった若であり、ポセイドンもどこかその言葉に油断してしまった。



パシイィッ



「っつーわけで、俺からテメェ等に向けて。より良い実戦を交えての攻略法を解説をしてやる」

「!!?」

「え?」


パイスーはポセイドンの剣を掴み、あのえげつない握力を発揮させる。掴まれてからポセイドンはパイスーの狙いに気付いた。馬鹿に一本をとられるという不覚。


「まずひとーつ!この科学をぶっ壊せば良い」

「おおぉっ!!なるほど!!そりゃそうだ!!壊れちゃ科学は意味がないぞ!」



バギイイィッ



ポセイドンの身体能力も強くなるが、剣だって強くなるのだ。


「まー、これは俺くらいの実力者じゃねぇーとダメだな」

「ぐっ……貴様、離せ!!」


と両者が言葉を出しながら剣にはヒビが入っていく。ボロボロに行く。そして、パイスーは二つ目の手段を披露する。こっちの方が難度が低いが、それでも並の実力者ではできない。


「二つ目は!剣をこいつから遠ざければ良い!!」



ボオオォォッンン



話しながら、軽々と高度なテクニックを披露するパイスー。ポセイドンが握る剣を蹴り上げて、剣とポセイドンを遠ざけた。ゼオンハートと同じく、握っていなければ効果は現れない。一見や一聞では恐れてしまうが、なんてことはないと感じて実行するのが実力者だ。


「!」

「こんな感じで倒すんだぜ、以上。パイスーの実戦講座だ」


ポセイドンに次の科学を使わせる暇を与えずに猛攻を与えるパイスー。"折牙"の連続攻撃でポセイドンの身体に穴を空けまくる。



大接戦を演じる剣(BRAVE・LOVE・SEESAW・GAME):

剣型の科学(普通の剣の形である)。剣を握り、対峙した相手と同じ力量になれる。ただし、戦って必ず勝てるというわけではない。相手を攻撃したら自分も弱くなるので、攻めすぎても意味がない。守りで使ってこそ有効な科学である。パイスーのせいでヒビが入って可哀想……。


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