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RELIS  作者: 孤独
"罪滅ぼし"ネクストステッパー編
122/634

どこかの雨の日のお話


『パイスー、君はやっぱり最強を目指すのか』

『当たり前だ。いいか、次こそはお前を倒して最強になってやる』

『……私を……か。君より強かったというのは事実だが』

『嫌なことを言いやがって』

『ただ、私が最強かどうかは私にも分からない。このマーティ・クロヴェルの中で一番かもしれないが……しっているかい?パイスー。世界は、まだまだ沢山あるんだよ。こんな世界なんて一つに過ぎない』




ザーーーーーーーーー



『世界最強になるということはとても難しい事だよ』




それでも、俺とまともに戦えた人間はお前しかいなかったんだ。



『"無限牢"という世界を割っている檻があり、檻の中を管理する"管理人"がある。人類は管理されて生存する事ができた』



お前がどうして強かったかは分からない。そういや、戦ったのってザラマや梁河よりなかったな。俺より強い奴は敵と昔は思っていたが、いつの日か仲間になっていた。それに戦うことを拒否してたな。たぶん、あのマグレ勝ち以外、俺を超えることはできねぇーって思っていたんだろうな。



『世界が沢山ある、時間もいつだって進むんだ。それでも信じられないほどこの広い世界で最強を目指すのか?』



最強っていう目標だけが果てしなく、自分を強くできるからな



『困ったな。本気の目をしないでよ…………私はそーゆう道には興味がない。無駄な戦いは好きじゃない。え?……何が好きなのか?ふむ……好きという言葉には当てはまらないよ。ただ、したいことがある。ははは。まー、教えてあげるよ。僕は、また人々に本当の自由があれば良いなと思って、世界を回りたいと思っている。意外と昔話って面白いんだよ』




雨はいつの間にか止んでいた。

もう何百年以上も前の話。一度死に蘇るとそんな記憶が正しかったと疑問に思っても、正しいと自分に言い聞かせた。俺の魂はほとんどそのままに生きていたんだ。

なぁ。ハーネット。

俺はお前を探している。俺には自分の自由が分かっていても、お前や若、ザラマ、梁河、リア、インティや他の連中が求めていることを深く理解できない。けど、お前ならなんとかなるんじゃないか?お前は管理人でもなく、ここを知り尽くしていた。

お前と出会えたから今のグループがあり、再び俺は最強を目指せる。

一つの目的である。お前との合流。ザラマも梁河も俺は見つけたんだ。お前もそこにいるんだろ?教えてくれたじゃねぇか。俺達の魂を未来に届けたじゃないか。来ていないなんて言うんじゃないぜ。


俺達は終わっていいで済まないだろ。




…………………………………………………



ガアアァァァンンッ




"闘技島"タドマール。

まだそこではパイスーとインビジブルの戦いが続いていた。無敵の生殖を繰り返し、世界を破裂させようとするインビジブルだが、パイスーの抵抗が思う以上に長く続いていた。生殖と破壊が五分五分の割合で行われるまでになっていた。



ムクムクムクムク



「あーっ……ちきしょー」


パイスーは


「腹減ったなぁー。2週間、ぶっ続けなんざ久々だ」


戦闘意欲から食欲になろうとしていた。インビジブルの自爆攻撃、こいつはもう死んでいる。付き合えたのはここまでっぽい。それに心配になって戻ってきたのか、"ディスカバリーM"で迎えがやってきた。


「パイスー。まだ戦っていたんだ。つーか、ここすごぉっ………」

「インティ!」

「若が春藍くんを連れて来たから戻ろう。もうインビジブル様より強いのはウチが認めるからさ」

「……そんなのは俺も知ってる。それより腹減ったし。眠くなったわ」



インティに連れられてパイスーもようやくアジトへ戻る。これでアジトには全員が戻り、彼等のお話が始まる。




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



パイスーが去ったとしても、インビジブルの"無敵艦隊"は止まらずに増え続ける。もう彼の意思は死んでいるからだ。パイスーですら倒せない生き物になった彼。もうすぐ、本当の意味で"闘技島"タドマールは終わる。



それなのにまた1人、一冊の本を開いてここに誰かがやってきた。



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