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RELIS  作者: 孤独
”土方暮らし”ダグリオン編
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タッグバトル&相性最悪バトル



ダダダダダ



若がすぐに息を切らすほど全力のダッシュを、笑うかのように"超人"であるロイは先回りする。


「げぇっ!?」

「へへっ。逃げるんじゃねぇーよ!!俺だって女の子を誘拐したいところを我慢してたんだぜ」


なんだこの変態は!?犯罪者じゃねぇーか!!


「逃げ場はねぇー。どこにいるか教えろ!!」

「くっ」


後ろにはアレクもいる、どう考えてもチェックメイト。パイスーは未だにタドマールにいるらしく、連絡もとれない。終わったーー!リアも近くにいてくれない!若の顔が苦しくなったところに一つの希望がやってきた。



「!!おっ」

「む」


ロイを惹き付けるように襲い掛かった、半袖とスパッツを着た茶髪の青少年。ロイと同じ"超人"、梁河がやってきた。



バキイィッ



別の異世界同士だが、"超人"同士の対決。ロイの"紫電一閃"VS梁河の"打出小槌"。



「こいつは俺がもらうぜ、若」

「お願いするよ!梁河!!僕は怖いから謡歌を別世界に連れ去って帰る!!」

「な、なんだと!同じ女の子を二度誘拐するとはなんつー趣味だよ!!やってみてぇー禁断の恋じゃねぇーか!!」

「ツッコムとこが違うよ、ロイ!!大丈夫!!?」



梁河はロイだけではなく、その向こうにいる3人も警戒する。ロイを止めるだけではなく、アレクにも注意しなければ自分も若も危ない。少しでも若に逃げてもらうために激しく、瞬間的に運動を起こす。



ムクムクムクムク



「お?」


運動をするほど体を巨大化できる"打出小槌"。巨大化する速度は速いが、"紫電一閃"ほどじゃない。巨大化する梁河など眼中になく、弱そうで羨ましい誘拐を企む若をとっ捕まえるロイ。


「さーて、案内しろよ!」

「うおおぉ!殺される!!助けて梁河!!」


デカくなる梁河にそんな細かい事はできない。敵と認識した以上、ライターに火を灯してアレクも梁河と戦う。



「小僧、デカイ的だぞ」



梁河の両足から焼きを入れるアレク。見るのも躊躇うくらいの火傷を梁河に浴びせた。膝もつくほどの炎と熱であったが、その体勢でも巨大化していった梁河の体は洞窟でできているダグリオンの天井にまで腕を伸ばした。両手で土でできた天井を貫いて、アレク達がいる下へと振り落とす。巨大な両手はアレクもそうだし、春藍、ネセリアにも攻撃範囲が入っていた。


「!くっ」


アレクは避けきれそうだったが、春藍とネセリアには無理だ。ロイは仕方なく若を放り投げて、2人の方へと走っていった。恐ろしいスピードで2人を抱え挙げて、梁河の振り下ろしが当たらない方まで行ける。


「きゃぁっ!」

「ロイ!」



ガゴオオオォォォォッッッ


リアが街を焼き尽くした以上の、単純な暴力。巨大さという力でダグリオンを揺らしまくった。



「おっとと……。この洞窟の世界が崩れそうだな」

「奴等はそーゆう連中だ…………!」

「あ、危なかったです!助かりました、ロイ」

「ロイがいなかったら僕とネセリアは死んでいたかも……」

「2人共、降ろすぞ」



降ろされてホッとした表情を見せる春藍とネセリアに対し、闘志むき出しのロイと冷静で冷徹な目を出すアレク。若は今の状況に紛れて逃亡した模様。代わりにやってきたお嬢様。梁河と比べるととても小さいが、メチャクチャ重い女性。


「!!な、なんだあの綺麗なお嬢様!!」

「リアだ!」

「ほ、ホント!リアが向こうにいる!!お久しぶりでーーす」


暢気に手を振っているネセリアと正体が分かっていないだろうが、女性のため喜んでいるロイ。巨大な梁河の肩に乗るリア。リアは重いので若干、梁河が沈んだ。


「あらあら。ペット以外も連れて来ましたのね。一個しかないはずなのに、どうやったのかしら?(けど、クラゲ女がいないわね)」

「くっ…………(重いとは言わない)。だが、敵と認識できるのは2人だけだ」

「そうね。じゃあー、ワタクシはあそこにいるダンディでワイルドな白衣な紳士そうなおじ様にしましょうかしら。ペットの理想な上司みたいですし」

「はあぁー!?テメェ、俺の両足を焼いたのはあのおっさんなんだぞ!!俺によこせ!!叩き潰してやるよ!!」

「あなたはあそこにいるお猿さんと遊ぶといいですわ。だってワタクシ、おじ様の方が楽しそうだと興奮してきましたの。あちらの猿は悪くない猿ですが、ワタクシの好みではありませんわ。品位が欠けて、下品な気がしますわ」

「お前の都合じゃねぇーーーか!!しかも、お前に品位が欠けてるって言われたくねぇーだろ!」

「残りの2人はあの若に任せましょう」



そう言って梁河から地上に降りたリア。リアの我侭には滅入る。一方でアレクの指揮の下、



「春藍とネセリア。お前等は別ルートで春藍謡歌を探せ。ここは危険だ」

「ア、アレクさん!」

「大丈夫なんですか!?」

「あそこにいるデカイのはロイがやれ。俺はあの女と戦う」

「テメェ!勝手に相手を決めるな!!俺はあの綺麗なお嬢様も攫いたくなってんだぞ!!」

「あ、あはははは…………(中身が凄い事はロイに言わない方がいいよね?)」

「女の方が強い。ここはお前より強い俺に任せろ。それに女の方の視線は俺に向いている。俺狙いだろうな」

「一目惚れされていると思い上がるんじゃねぇーぞ!!」

「お前はホントに話していると疲れるな…………」



梁河が暴れたことによって、洞窟は揺れて広がっていった。それでも2VS2を行うのはいささか狭すぎるが、4人共障害物などは余裕で破壊する武力を持っている。誰が誰と戦うか決まったが、事実上2VS2。



ジャリィッ



四人の中で最速を誇り、土を踏むことに慣れているロイから攻撃を始めた。不本意ながら相手を決められた、梁河へ襲い掛かった。能力がハッキリしている分やりやすい。同じ超人なところも、負けたくはない気持ちはある。巨体を吹っ飛ばすくらいの蹴りを浴びせるが、



バギイイィッ


「!!」

「はっ、軽いぜ!!猿野郎!!」



巨大過ぎる梁河には痛くも痒くもない蹴り。現在進行形で大きくなり、洞窟を削ってデカくなる梁河の体。人を軽々潰してしまう太い腕がロイに向けられた。打撃という一点だけで大砲以上の破壊だ。またダグリオンが揺れる。



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


「テメェの攻撃は遅すぎんだよ!!眠ってても避けられるぜーー!!」

「あんだとーー!!?避けてばかりの非力な猿が言うんじゃねぇー!」


超回避と超一撃の戦いは長引きそうなのは明らか。



「猿同士仲良くしていて良かったですわ。ではこちらも…………」


ロイと梁河の対決は殴り合う間合いだが、アレクとリアは射撃戦の間合い。白い左の手袋を外し、腕を変型させて機関銃にする。


「リィー・リィー・カタストフ(理不尽な人生ばかり)!!!!」


アレクに向けて容赦ない弾丸を連射する。木っ端微塵するような物量で襲い掛かった。機械と一緒にできているリアの姿を見たロイは……


「し、新ジャンルの女だーーーー!!!知らない異世界にはこんな女のもいるのか!!」

「な、なんだこの馬鹿な猿は…………」



戦いをしているような空気ではないが、……。ダグリオンで繰り広げられる戦闘はもう、終焉のカウントダウンを始めていた。



「あははははっはははははははははは!!!おじ様ステキな白衣が赤く染まりましたかぁーーー?どうです、もっとクリーニングしてあげましょうかー!?お代はあなたの死で」

「春藍を狙う奴は誰であろうと容赦する気はない…………」



機関銃とは貧弱すぎる。あまりに弱そうなライターをアレクがつけたが…………


「おい」

「ちょ」

「あら」



この中で最も鬼の攻撃力。3人共、一言ついてしまった。足下から嫌な予感がした。だからといって最速のロイでも切り抜けられない。瞬間的な発火。



ガゴオオオオォォォォッッ



炎と熱、……人の意識を奪う黒い煙。


「俺ごと巻き込むんじゃねぇーーーーーーー!!!」

「なんだ生きていたのか」


ロイは多少焼かれたが、炎がないアレクのところまで逃げてきた。



バギイイィッッ


「げほぉごほぉっ……、煙が鬱陶しい!!また足をやりやがって!!」


最もダメージを負ったのは梁河だ。彼には巨大化する能力があっても、回復する能力はない。デカイほど傷の痛さも大きくなる。そして、もっとも炎と熱、煙を浴びたこの女は高笑いを始めた。どM体質丸出し、焼けて黒ずみ、晒される素肌。


「ひゃはははははは、サイコーーーに!!ワタクシが求める太陽みたいな熱さですわぁ!!小股が濡れちゃっいましたわ!!」



髪が焼けて、赤い球体の左目が表れる。リアの体は熱や炎に強い。アレクにとっては相性の悪い相手。これだけの攻撃を浴びせてもほぼノーダメージ。

現時点ではアレクとロイのコンビが押しているが、意外にもリアと梁河に相性が悪い。




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