表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
RELIS  作者: 孤独
”闘技島”タドマール編
110/634

無敵艦隊①

"無敵艦隊"

それがインビジブルが持つスタイル名。

彼が闘技場で戦わないのはあまりにも強すぎる上に被害の出し方が半端ではないからだ。



ズズズズウウゥッ


「アーッ…………気持ち良いぃ」

「美しい俺が傍にいる」



どこに被害が出るかというと、自分に出るのだ。身体能力もずば抜けているが、"無敵艦隊"の能力はどこからでも生殖する事ができる力だ。○○○を好んでいるインビジブルらしい能力。子供が生まれる理論は○○○だからだ。



ズズズズウウゥッ



「見たまえ、お美しいのが何人もいる」

「愛と血に飢えた好青年だ」

「新たな命を祝おう」

「燃えてくる、目の前の俺に恋をしたよ」

「今夜は俺と一緒に○○パーティーだ」

「勃○して生まれるなんて、溜まっているな」



全員、変態じゃねぇーーーーか!!!顔と体格が良くても全員変態的な性格。生殖できるのはインビジブルだけである。"無敵艦隊"の恐ろしさがすでに分かったと思うが、真に恐ろしいにはこの生殖に限りがない事だ。魔力で生み出す"魔術"とは違い、その能力を始めから身につけており、生まれてくるインビジブル全員が"無敵艦隊"の能力を所有している。

生殖が完了するまでの時間はおよそ5秒。生まれた自分が戦闘に入れる時間はだいたい2秒ほど。合計で7秒ほどの時間で新たなインビジブルが誕生する。細身でも鍛え上げられた美しい肉体の大量生産。生誕する時は当然、裸のまま生まれてくる。服はあとで着る。



「面白ぇ能力だ」


増え続けるインビジブルを前にパイスーも動き始める。一人のインビジブルの力を推し量る。



バギイイィッ



数が増える能力は所詮、力がねぇ。


「そう思っているか?おい」

「!!お」


たった一人のインビジブル。彼はロイとインティの師である。多くの戦士達を葬った貫手、"折牙"を軽々と受け止める力量。パイスーの右手を離さない。


「おおっ!?」


驚くパイスーは瞬時に掴んでいるインビジブルを腕力で宙へと持ち上げる。強引にぶっ飛ばそうとしていた。だが、インビジブルは1人ではない。残像や分身とは違い、1人1人が考える頭を持ち、経験すらも理解でき、思い出も共有し、ちゃんとした生も受け継いでいる。



バギイイィッ


「瞬真追廉拳」



インティの動きと非常に似通っているが、打撃の質がまるで違う。いくつものインビジブルが高速でパイスーを袋叩きにする。あらゆる角度と手段を用いて襲ってくるインビジブルの群れ。


「流星掌!」

「蜻蛉投げ!」

「鬼龍膝倒!」


平手打ちを貰ったかと思えば、あらぬ方向に投げ飛ばされたり、背後から強力な膝蹴りをもらったりと。もう30人以上には増え続けるインビジブル達の猛攻を浴びるパイスー。まるで虐めを象徴する暴力と思える。



「おぉっ!?おまっ……」


ただの数の能力じゃない。全員がインビジブルだと知ったパイスー。実力もインティやアレクよりも上だと理解するのは早かった。それで気分が良くなってきた。



「ハッハッハーーーーーッ!!」

「!」


パイスーを自分の体のスイッチをONにする。強い奴との戦いは燃えてくる。



バゴオオォォッ


「強いじゃねぇーか!ホントによぉぉぉっ!!」



さらに力を解放してもみくちゃにしてくるインビジブル達を吹っ飛ばす。パイスーは身体能力の上限を上げる"肺装甲"を使用した。


「あひゃひゃひゃー!俺もちーっと本気を出すかーーーー!!」

「まだ上に行けるのか、パイスー」



ただでさえ、超人側から見ても異常な身体能力を持っているのに。それをさらに上昇できるとは恐ろしい。

一個体の強さと、無限で無敵の数の戦い。



「ふしゅうううーーーーーーひゃーーーーーーーはははははっははははは!!!」



技も力も、速さも、圧倒的となるパイスー。しかし、それでもインビジブルは早々にくたばるわけがない。客観的に見れば1人1人弱そうな、数で襲う側のインビジブルであるが、舐めてはいけなかった。



バギイィッ



「!!おおぉっ?ひゃひゃひゃ」

「……ふっ」


1人だけのインビジブルで、今のパイスーと向き合う事には恐怖すら感じる。だが、周りには同じインビジブル達がいる。同じように生まれたインビジブルが…………。


「もう7人の俺が殺されたか」


"無敵艦隊"はただ生殖するだけじゃない。生まれるのはインビジブルだけであるが、生まれた後はインビジブルの顔と肉体、性格を持った個体である。全てがオリジナルになる。俺になる。



バギイイィッ



"肺装甲"を使い始めたパイスーの身体能力に、当初は一人が戦えて25秒程度であるが。今では軽々と1分以上は持ちこたえる、1人1人のインビジブル。戦いを続けて慣れてきたのもある。だが、それ以上に


「生誕に込められている願いを知っているか?」

「子孫の繁栄させること」

「遺伝子を繋ぐ事」

「俺という欠片を未来に繋げる事」


インビジブルは瞬間瞬間、強くなっていく。それも恐るべき速さで…………。


「あひゃはは」


小さく、暗く、……狂気な笑い声になるパイスー。小さく汗を出した……激しい運動で出る汗じゃないものを。


「今のが貴様の切り札」

「1人じゃ勝てないが、もう200人の俺が生まれた」

「お前にはまだ見えないところに別の俺もいる」


ただの200人じゃない。パイスーとの戦いを知り、強くなっているインビジブルが200人。それも常にドンドンとインビジブルを産んでいく。燃え盛る炎よりも多くなる。

倍々と増えていき、さらに生まれていくほど強くなっていく。数と質を兼ね備えた無敵の能力をパイスーはしっかりと理解した。インティが認めるだけのことはある。

だからなおさら、負けられないと反旗していた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ