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RELIS  作者: 孤独
”闘技島”タドマール編
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月光祭本選開始



「ほ、本当に出るんですか!!?アレクさん!!危ないですよ!!」

「わ、私達のタメを思ってくれるのは嬉しいですが。もし、万が一。アレクさんが……」


アレクが闘技場に参加する事を決めたその日から説得をしていた春藍とネセリア。パイスーとは戦って欲しくないし、ロイやインビジブルとも争いは避けたかった。


「春藍…………ネセリア………」



アレクは春藍とネセリアの肩を叩いて。


「これはお前等のタメであり、俺のタメでもある」


柄にもないことを言う。


「俺はお前等を失いたくない。それだけの気持ちで戦うつもりだ」

「アレクさん…………」

「父親みたいな気持ちで戦わせてもらうだけさ。…………」


予選を圧倒的な強さで勝ち抜いたアレク。その光景を知っている春藍とネセリア…………。アレクさんは凄く強い。


「分かっているぞ、2人共」

「!」

「俺が消えると怖いだろう?消えるわけがないだろう。まだ、俺の"部下"なんだから。まだまだ覚えることはあるんだぞ」



大きな身体で、大きな心がある。

涙とか悲しみは出さない。送り出せ、……強く、自分達が押せ。


「お、応援してます!優勝するのはアレクさんだって…………」

「私も!参加しちゃったら、優勝してください!!」

「ああ」


春藍とネセリアは控え室で力強く、アレクを応援して送り出した。闘技場の戦い部分へ向かおうとするアレクだが、ライラが待ち構えた。



「なんでこーなったか、あたしも理解できないけど」

「……………」

「あんたが死んで悲しむのは春藍とネセリアだけじゃない事を忘れないでよ」

「分かった……」

「それと。あたしは目的を遂行するつもり、自分勝手なあんたの応援はしない。良い"超人"に声を掛けるつもりよ。春藍達と観客席にいるから」

「おう」


ちょっと冷たい態度だけど。ライラは心配してくれた。言葉にするのが下手みたいだ。



ワーーーーーーーーーー



そして、アレクが入場して揃った。八人の戦士。


「ローーーーーイ!!!今回は強敵揃いだぞーーー!!チャンピオンの誇りで勝てよ、テメェ!!!」

「ロイ様ーーー!!ステキーーーー!!!」

「きゃーーーーーーーーーーーー!!!!!インビジブル様もおられるわーーーーーー!!」

「インビ様ーーー!!こっちを向いてくださーーい!!!」

「L・O・V・E!!L・O・V・E、インビ様!!いぇーーーーーい!!!」

「愛してます!!インビジブル様ーーー!!」

「また私とS○○してくださーーい!!!」


やはり地元の強さというか、名声の違いが応援にある。ロイの人気もあるが、久々にこの闘技場に登場をするインビジブルの方が勝っていた。女性層では圧倒的にインビジブルである。観客達にとっては伝説に等しい人物と知っている。その戦いを初めて見る者だってかなりいる。


「おー。あの色男は随分人気なんだな」

「当然でしょ。ウチの師匠なんだもん」

「このアウェー感はたまんねぇーな。どっちも今日には消えるのによ」


パイスーはアウェー感を愉しむ顔を出し、インティは珍しく緊張していた。そして、本選の司会進行はなんと



「皆、今日はよく集まってくれた」


インビジブルであった。出場者が司会する大会とは不思議なものだ。



「華麗かつ豪華な戦いを今日も披露する。主催者であり、出場者の私が宣言する。さて、今回初めて月光祭の本選に参加する者もいるため、ルールを説明しよう」



月光祭本選のルール


1.

制限時間はなし。降参はあり。

相手を殺すか降参させるかでしか勝利はない。

武器(科学)の使用はあり、魔術の使用もあり。ただし、観客に被害が出ないように注意するように。

フィールドは闘技場の戦闘エリア内。



2.

チャンピオンであるロイと、インビジブルにはシード権がある。

インビジブルは準決勝を勝ち抜いた者と戦うスーパーシード。

ロイはDブロックの勝者となっている。



3.

組み合わせはこれからくじで決める。

Aブロックの勝者とBブロックの勝者が戦い、Cブロックの勝者とロイが戦う。




「それでは六人。くじを引いてくれ。A,B,Cしかない」



インビジブルがもつくじを六人が引く。……なんかシュールな光景だと、観客席にいた春藍は思っていた。


「決まったようだね」


Aブロック:

インティ VS イェイイェイ・YEAH


Bブロック:

パイスー VS フクコード・スケ


Cブロック:

アレク・サンドリュー VS ヘンドィルン



「おーー。こーなったか」


パイスーは楽しい顔をインティに向けた。くじ引きだからしょうがないとはいえ、むしろ。仲間同士戦うというのも悪くない。つーか、Bブロックの人が可哀想だろ、パイスー。


「ロイとは準決勝か。じゃあ、インビジブル様もウチがもらう形になるね…………」


その笑みに言葉でパイスーに返すインティ。


「最初はネセリアにくっつく馬鹿の相手か」

「なんだとテメェ?」

「3人共。ブロック相手なんざみてねぇよ」


アレクの言葉通りであった。抽選が終わり、すぐさま段取りよくAブロックの試合が始まる。

インティ VS イェイイェイ・YEAHの試合。



「曲のサビを聴いて錆になれ!!」



バトルロワイヤルの形式ならば勝ちの目は大きいが、タイマンには向いていない。スピードで右に出る者がいないインティならなおさら瞬殺。



ズパァンッ


「うああぁぁっ!」

「早く降参しなさい。あなたの喉を切るから」

「はい!!参りましたーー!!」



Aブロック、わずか4秒でインティで勝ち上がる。

続いて行われるBブロック、パイスー VS フクコード・スケ。


「大金と女を手にしたい気持ちだけ、俺は強くなれる!!それが俺の"銭闘力"!!誰にも負けねぇー!!」



バギイイィッッ


「それしかしねぇーなら真面目に働けよ。闘技場じゃ死ぬこともあるんだぜ」


Bブロック、わずか8秒。パイスーの"折牙"でフクコード・スケが死亡する。すぐさまCブロック、アレク・サンドリュー VS ヘンドィルンが行われる。



チンッ


「ふーーっ、早く開始しねぇかな」

「貴様!!戦いの前にタバコを吸うとは!!俺を舐めているな!!」


Cブロックはまさに開始と同時だ。



バゴオオオオォォォォォッッッ



大会最速記録。瞬殺を超えた何か。コンマレベルで相手を倒した(やろうと思えば殺せた)

タバコを吸いながら、ライターをつけっぱなしにしていたアレクは開始前から攻撃の準備をしていた。一見反則染みた攻撃を繰り出しての勝利。

Cブロックはアレクが一気に勝ち上がった。だが、アレクは勝ったというのに降りない。次はインティとパイスーであるのに



「戦い前の一服は済ませた。科学の調子も確認した。あとはテメェが入る事だけだ」



インビジブルの隣に立つ、ロイを指差すアレク。さっさと出て来いと挑発もする


「上等だ、おっさんよー。続くように俺に瞬殺されんじゃねぇーぞ」

「降参できると思うな。喉から焼いてやる。次に馬鹿な頭だ」



アレク・サンドリュー VS ロイ。

まずはこちらから本当の月光祭が始まった。



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