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RELIS  作者: 孤独
”闘技島”タドマール編
101/634

ラブレーダー発動


出会った瞬間。ポカーンっとしているネセリアに代わり、


「!」


胸で比べたなと怒り染みたのとネセリアに飛びついた罰として即座に拳は握られ、ロイへと飛ばされた。ライラのスタイルは"魔術"であるが、身体能力はかなりのものがある。



パシイィッ


「やるわね」

「君も可愛いな!!良い匂いもする!!第二の嫁に欲しい!!名前は!?」

「なっ…………離しなさい!!」

「繰り出す拳で分かる。君は相当強い……君と俺の子が出来たら無敵かもな」

「キショイ想像すんな、スケベ猿!!離しなさい!!」



ロイの力量を測ろうとしたが、逆に馬鹿っぷりがよく分かった。こいつ、超女好き馬鹿だ。


「いつもなら管理人とかいう男共ばかりなのに、今回は天使が2人も来るなんて俺幸せーー!!チャンピオンになって一番幸せだぜ!!」

「だから離して!!」

「あの、ライラから手を離してあげてください!」


ライラとネセリアが強く訴えるも、ロイはまったく話を聞かず、さらに攻めるように二人を襲う。"超人"という、身体能力が飛び抜けた資質を持つロイにとっては、ネセリアの大きな胸とライラの並に見えてちょっと大きいくらいの胸をもみもみするのは容易い事だった。この変態め!



「きゃあぁっ!」

「や、止めてください!!」

「止めてなんて言うなよ。俺と一緒に2人共寝ればそんな事は言わせねぇ」



愉しんでいるロイであったが、意外にもライラやネセリアよりもぶちギレながらロイに襲い掛かった奴がいた。


「!!」



ブオオオォォッ



ライラ以上の大きな拳であり、下手をすればライラ達にも当たるという状況なのに、綺麗な軌道で繰り出した攻撃は誰にも当たらずに済んだ。只者じゃないのがもう1人いた。



「馬鹿猿。俺達はテメェと違って用事があって来てるんだよ」

「あ?なんだこのおっさんは?白衣とかダセェな!もっといい服を着ろよ!」

「ア、アレクさん。落ち着いて……」

「五月蝿い、春藍。俺はこーゆう馬鹿が嫌いなんだよ、話がまったく進まない」



アレクは機嫌を悪くし、服からタバコを取り出して吸った。春藍は顔を赤くし無言で怒っているライラと、恥ずかしそうな顔をしているネセリアに変わって、メンバーの紹介と目的をロイにした。



「僕は春藍、メイド服を着ているのがネセリア、黄色のクラゲっぽい髪の子がライラ、こちらの人がアレクさん。僕達は訳あって"超人"の仲間を探してここにやって来ているんです」



割と上手に説明をした春藍。ロイは分かったと頷いて、



「ともかく、君達2人は俺のとこで寝ようか。もう夜だし」

「なんでそうなる!?本気で抵抗するわよ!!」

「そ、その……お断りします!」

「えっ………本気で怒ってる?」


ライラとネセリアが熱く、ムキになった顔を出したせいか。少しだけロイは凹んだ顔をみせた。結構傷付いたのか…………。


「そ、そんなに俺と寝たくないのかな?」

「ロイ様、しっかりしてください!」

「ロイ様に驚いているだけです。あなたはいつも我々の心の支えです」


周りにいた女性達は傷心しているロイを励ます言葉を飛ばしていた。そんなやり取りを尻目に今日をどうするかライラに尋ねた。



「だが、もう夜だ。……探すのは明日にするしかないだろ?」

「なら結局、俺の家に全員泊めてやるよ!!」

「はぁっ?」

「お前に聞いた覚えはない!!」



立ち直りがこーゆう時は早いようだ。ロイの言葉にアレクとライラは怒る。だが、ロイは続けざまに4人に伝える。


「ここは俺の居住地でもある。俺の周りにいる女性達も俺の使用人兼妻だ。4人くらい大した事のない人数だ」

「その、……10人以上が妻ってどーゆうこと!!?一夫多妻制なのこの世界!!?」

「そ、そんなことよりライラさ……」


春藍は随分と風が通るこの部屋を不思議に思い、窓から眺めていると綺麗な夜空と街並み、闘技場、海と山までもがそこにはあった。そして、どうやらここは……



「大きな、……とても大きな、お城みたいなんだけど。部屋とかは結構空いているんじゃないかな?」

「………………ロイ。あんたさっき確か。聞き間違えじゃなかったら、チャンピオンとか言ってたわよね?もしかして、一番偉いとか?」

「その通りだよ、ライラ!!惚れるだろ!!俺がこの世界の王なんだ!!一緒に寝ようぜ!!」



こんな馬鹿が王なんだ…………っと、4人が思ったことだ。



「あ、ライラ。ネセリア。アレクさん。今日はロイさんに甘えてここで泊まった方がきっと良いよ!その。やっぱり、夜に出歩くのは危険だし」

「…………それと同じくらいロイが怖いんだけど、春藍。護ってくれない?」

「え?」

「私も……あの。胸をいきなり揉む人とは…………私も護ってください!」

「ええっ」

「俺は最初からこいつとは仲良くなれないと自信を持っている」

「ええぇっ!」



3人はとても不安や怒りなどの表情を出し、ロイと春藍を見た。3人の方がまともな考えである。


「春藍と言ったな、少年!」

「は、はい!」


ロイは春藍を捕まえて、3人には聞こえないような小声で


「部屋を二つ貸してやるからよ、なんとか2人を泊まらせるようにしてくれよ。な?な?ここを拠点として、好きに使っていいからよ」

「う、うん…………(というか、ロイさんが悪いんだけどね)」



話し合いが終了し、春藍はややおっかないと感じながら手を挙げて、



「じゃ、じゃあさ。僕とライラ、ネセリアは一緒に寝ようよ。護ってみる」

「!!!げほぉっげほぉっ!!どーしてそーなんのよ!!?」

「私は構わないです。ロイさんよりも安心できます」

「ええぇっ!!?」



相変わらずこーゆうことを理解できていない春藍とネセリア。自分は半分冗談で言っていたのだが……。ロイよりは良いけどさ。



「!!ッ!ちょ」

「?」



すると、急にロイが気まずそうな顔をして、窓の方を見ていた。何がいるのかと、みんなが振り向けば……とんでもない。人じゃない、管理人がどうやら窓からこの部屋に入ってきた。彼が入ると瞬時にロイの使用人兼妻達は片膝をつき、身を捧げるようなポーズをとり、挨拶をした。



「インビジブル様!!」

「やぁ、元気にしているか。君達は相変わらず可愛いな」


唐突にインビジブルはロイの妻の1人に熱いキスをかわした。


「!!」



ライラもネセリアも、ついでに春藍も。インビジブルの耀いているとしか言いようがない、目も耳も、鼻も、口も、髪もしっかりと整って美しい顔。桂は女性的な部分もあって綺麗な人物であったが、インビジブルは女性の憧れと言って良いほどのモデル顔と体型であった。

インビジブルは女性達への挨拶を済ませてから、ライラ達の方を向いて挨拶をかわす


「皆様、ようこそ。私の世界、"闘技島"タドマールにおいでくださいました」

「は、はい」



一瞬、動揺してしまったライラとネセリア。2人がかなりトキメクほどだ。



「い、い、インビジブル師範。いつもなら部屋で○○パーティーだったのでは?」

「そんなことはいつでもできるものさ。ただ、俺がここにきたのはたった一つ」


そういって、インビジブルもまたロイと同じ"超人"。一歩も反応できない瞬間移動で、ライラとネセリアの手を握り。


「彼女達と出会うために俺はこの場に現れた。今日はそのためだけに来た。今夜は俺と一緒に泊まって欲しいな」

「ちょっ……………」

「あ、あのですね……」

「インビジブル師範!!今日は俺が、貢物を渡したでしょう!!2人は俺がもらいます!!引っ込んでください!!俺が先に二人と出会ったんです!」

「ロイ。忘れたのかな?全世界の女性達は、男のためにあるわけじゃない。俺のためにあるんだ。こんなお美しい女性が2人もいてはラブレーダー(○○○)も感知するものさ。愛はいつでも味わえるが、恋はこんな短い瞬間でしか味わえない」



うっかり顔でトキメイテしまったが、ロイの馬鹿っぽさがあるのはどうやらこのインビジブルと呼ばれる管理人のせいな気がしたライラ。


「そして、久しぶりだね」

「え?」

「ライラちゃんだろう?俺は女性の顔なら小さい頃からでも覚えているんだ」

「ライラ、知り合いだったんですか?」


ネセリアの言葉にライラは必死に思い出そうとするも…………出て来ない。


「はははっ……無理かもしれないね、当時の君はまだ桂に抱かれていた乳児だった。男も良く分からない時に俺と会っては忘れてしまうのは当然さ。だけど、今日はたっぷりと俺の事を好きになるくらい、気持ちの良い夜にしてあげるさ」



ネセリアよりもライラに興味を示している。口づけではなく、ライラの手にキスをするインビジブル。嬉しいようでなんていうか複雑な顔をするライラ。その行為に怒るとかではなく、確認めいた声を出した。正直、意外。



「か、桂の知り合いなの?」

「知り合いじゃないな。俺と桂は全世界、公認の恋人さ」

「ええええええぇぇぇっ!!?」

「あの黒いロングヘアーと美しい顔に俺は魅了され、桂もその気になっていた。二人はベッドの中で一夜を共にし、…………」

「ちょちょちょちょ!!想像つかない!!あいつのイメージが崩れる!!」

「俺は朝までボコボコにされたというエピソードがある。いや~、あの時の桂ちゃんはとても無知で可愛くて溜まらない、管理人にしておくのは勿体無い容姿と性格だった。女性であれば相当な人になれただろうに」



馬鹿だこいつ。ホントにこいつ馬鹿だ。


「で、でも。桂さんって女性らしいですよね?僕もライラよりも女性っぽく思いました」

「お?分かるねー、君。君もそーゆう顔つきをしているよ」

「春藍ーー!!何を言ってるのよーー!!ってゆうか、軽くあたしを侮辱してるし!!」



こう熱くなっているライラと、話を聞いて笑っているネセリア。インビジブルは楽しい会話から入ってから、とても素早い動きでロイ以上に激しく



モニュモニュ


「ひゃぅっ!」

「うあぁっ!」

「ネセリアちゃんの胸はとてもいいね、ライラちゃんは可愛いお尻だよ」

「どこ触ってんの変態!!」

「セ、セクハラです!!」


油断も隙もない変態、インビジブル…………。彼がガイゲルガー・フェルと粕珠と並べられる問題がある管理人と入る理由がよく分かるだろう。だが、まだこれはただの挨拶でしかない。



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