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『君の笑顔が可愛すぎで好きだった!』  作者: 優貴(Yukky)


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350/449

第50話「双子主人公デビュー」

主人公役合格から二週間後。

ついに。

アニメ収録初日。

真優

「眠れなかった」

美優

「私も」

真優

「三時間」

美優

「二時間」

真優

「負けた」

美優

「勝負じゃない」

いつものやり取り。

しかし。

今日は特別だった。

人生初の主人公収録。

そして。

双子での主演作品。

アフレコスタジオ前。

真優

「ここか……」

美優

「緊張するね」

深呼吸。

ドアを開ける。

中には。

ベテラン声優。

人気声優。

若手実力派。

たくさんの出演者たち。

真優

「ひぃ……」

美優

「落ち着いて」

真優

「無理」

その時。

「おはよう」

聞き覚えのある声。

振り返る。

そこには。

一ノ瀬葵

真優

「葵さん!」

美優

「久しぶり」

「二人とも主人公おめでとう」

真優

「ありがとう!」

美優

「ありがとう」

「ちなみに私も受かった」

真優

「え?」

美優

「本当に?」

「ライバルキャラ役」

真優

「すごい!」

美優

「おめでとう」

「負けないよ」

真優

「こっちも!」

収録前から火花が散る。

そして。

監督が入ってくる。

監督

「皆さんおはようございます」

全員

「おはようございます!」

監督

「本日から収録開始です」

スタジオの空気が引き締まる。

真優

(始まる……)

美優

(いよいよ)

台本を開く。

そこには。

主人公。

天城ひかり。

真優の名前。

そして。

天城あかり。

美優の名前。

真優

「本当に主人公だ」

美優

「うん」

少しだけ目が潤む。

夢だった。

何年も。

ずっと。

目指してきた場所。

そして。

収録開始。

第一話。

主人公の登場シーン。

監督

「お願いします」

真優

「はい!」

マイクの前に立つ。

緊張。

不安。

期待。

全部を抱えながら。

真優

「今日から高校生活スタート!」

スタジオに声が響く。

続いて。

美優

「張り切りすぎ」

自然な掛け合い。

姉妹の距離感。

二人にしか出せない空気。

収録は順調に進んでいく。

監督

「いいですね」

音響監督

「さすが双子」

真優

「!」

美優

「!」

褒められた。

それだけで嬉しかった。

数時間後。

収録終了。

監督

「お疲れ様でした」

全員

「お疲れ様でした!」

真優

「終わった……」

美優

「無事に」

「主人公らしかったよ」

真優

「ありがとう!」

美優

「葵さんも良かった」

スタジオを出る。

夕焼け。

東京の街。

真優

「主人公になれたね」

美優

「なれた」

真優

「まだ信じられない」

美優

「私も」

だけど。

確かに。

今日。

二人は主人公としてマイクの前に立った。

夢は叶った。

しかし。

ここはゴールじゃない。

ここから先が本番。

もっと上へ。

もっと多くの人へ。

双子の物語は。

まだ始まったばかりだった。

第50話 完

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