幕間 彼女が未来を変える理由(アルヴィン視点)
――リシェリアは、変わった。
最初にそう思ったのは、半年前だった。
いや。
正確には。
(本来の彼女に戻った、と言うべきか)
以前から聡明だった。
努力家で、誇り高く、誰よりも責任感が強い。
だが今の彼女は違う。
未来を知っている者の目をしている。
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転生の話を聞いた夜。
普通なら信じなかっただろう。
だが彼は迷わなかった。
理由は単純だ。
彼女が嘘をつく理由がない。
そして。
震えていたからだ。
「私は、あなたを失う未来を知っています」
あの言葉。
あれは演技ではない。
恐怖だった。
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(ならば)
守るだけだ。
彼女が選び直す未来を。
彼女の努力が報われる世界を。
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茶会での出来事も報告で聞いた。
実に彼女らしい方法だった。
力を振るわず、構造を変える。
敵を作らず、状況そのものを消す。
「……敵に回したくないな」
思わず独り言が漏れる。
隣のセシルが苦笑した。
「もう完全に味方でしょう」
「ああ」
短く答える。
当然だ。
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だが一つだけ、問題がある。
彼女は自分を過小評価しすぎる。
未来を守ることばかり考え、自分の幸福を後回しにする。
(だから)
それだけは。
自分が補えばいい。
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窓の外、夕暮れ。
彼は静かに呟いた。
「安心して進め、リシェリア」
誰にも聞こえない声で。
「君の未来は、私が守る」




